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地域だより[2006年7月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2006年7月]

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札幌事務所


バイオエタノールシンポジウムの開催

 平成18年5月24日(水)、当機構札幌事務所は、ホテルポールスター札幌において、砂糖に関する地域情報交換会の一環として、「バイオエタノールシンポジウム」を特定非営利活動法人北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)と主催し、北海道開発局をはじめ、北海道農政事務所、北海道農政部、北海道農業協同組合中央会ほか、バイオエタノールに関する学会などの多数の官学の後援を得て開催した。会場には、行政関係者、民間の研究職、農業関係者、建設コンサルタントなど幅広い参加者が集まり、約150名の参加となった。
 シンポジウムの開催にあたり、主催者を代表して、HOBIA会長の冨田房男氏よりあいさつを、また、来賓あいさつとして北海道開発局次長の茅沼茂實氏よりお言葉を頂いた。
 バイオエタノールシンポジウムは、北海道において、十勝を中心にバイオエタノールについてのさまざまな取り組みがなされている中、機構においてはブラジルに昨年度2度にわたる「砂糖とエタノール産業の実態調査」を行ったことから、産官学の幅広い関係者を集めて、バイオエタノールに係る情報の共有化を図り、北海道におけるバイオマス事業の発展に資するための意見交換会を開催したものである。
 シンポジウムは、まず、当機構の加藤調査情報部長より「ブラジルを中心とした砂糖とエタノールの国際情勢について」と題して、昨年度に実施した2度にわたる現地調査結果を基に、世界最大の砂糖とエタノールの供給力を誇るブラジルのさとうきび、砂糖およびエタノールの生産・輸出実態とその供給力、さらには今後の世界的な砂糖とエタノールの需給見通しについて紹介した。
 次に、財団法人十勝圏振興機構(道立十勝圏地域食品加工技術センター)研究開発課長の大庭潔氏より、「十勝におけるバイオエタノールの取り組み」と題して、「十勝は、日本の農業王国であると同時にバイオマスの大生産地帯であり、バイオマスの有効利用さらには環境対策を目的にバイオエタノール事業の有効性を検証し始めた。北の十勝は、南の沖縄の同レベルに達している」と、その成果を紹介した。
 最後に、北海道電力株式会社企画本部総合研究所エネルギー利用グループリーダーの土合宏明氏より、「北海道における新エネルギーの可能性」と題して、北海道の将来のエネルギー獲得法を調査して、バイオガス、新エネルギー(燃料電池)など広くエネルギーの可能性を探っていると、地域エネルギーを担う会社としてその見方を紹介した。
 アンケートを集計した結果、約8割の方が講演内容についてかなり参考になったという意見があり、特にブラジルでの具体的な実態や十勝での取り組み状況を同時に聴講でき、参考になったという意見が多かった。
 具体的な意見の中でも、「北海道でのバイオエタノール振興をテーマに具体的問題を掘り下げた意見交換会を開催して欲しい」、「さらにバイオマス関連を継続して欲しい」など、農業王国の北海道においては、バイオエタノールへの注目は、かなり高いものがあると感じられた。 (戸田)

(独)農畜産業振興機構加藤調査情報部長
十勝圏振興機構大庭研究開発課長
   
 
北海道電力鞄y合グループリーダー
 

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札幌事務所


直播栽培試験に係わる現地研修会について

 平成18年6月2日(金)、社団法人北海道てん菜協会の主催により、てん菜直播栽培試験に係わる現地研修会が道立十勝農業試験場および現地農家ほ場(芽室町、池田町、本別町)において行われた。
 てん菜の直播栽培は栽培の省力化技術として実施されているが、初期生育が不安定である。特に気象災害による被害が大きいため、風害回避対策の試験研究が道立十勝農業試験場で行われており、今回はてん菜播種後、約1ヶ月のほ場においてその状態を確認するための研修会であった。
 試験では、(1)砕土整地方法の改善、(2)カバークロップによる土壌飛散防止、(3)畦間カルチによる風害軽減の3項目が行われている。(1)砕土整地方法の改善試験では、砕土時のロータリハローのケージローラーを鎮圧力の大きいタイヤローラーに換えることで、土壌水分の維持向上、飛散粒子の割合の低下を図っている。(2)カバークロップによる土壌飛散防止試験では、てん菜播種ほ場に麦類のカバークロップを散播あるいは条播することで風害の軽減を図っている。(3)畦間カルチによる風害軽減試験では、畦間に土を盛り上げることでほ場に凹凸をつくり風害の軽減を図っている。
このうち、(2)カバークロップによる土壌飛散防止試験では、麦類(大麦、小麦、えん麦、ライ麦、ヘイオーツ)をカバークロップとして、てん菜播種の前あるいは同時に散播および条播し、てん菜発芽後、てん菜2葉期(麦類4葉期)に麦類をイネ科除草剤によって枯らし、黄変した後に土壌に鋤き込むことで除去するとしている。これまでの結果、麦類の葉面積が500cm/m2で高さ100cmの防風ネットを20m間隔に設置した場合に相当し、葉面積が500〜600cm/m2確保できれば被害軽減効果があると認められている。しかし、散播ではてん菜の本葉抽出期の風害は防げるが、播種直後での効果は見込めないため、てん菜の近くに播種する条播が検討されている。また、大麦の条播はてん菜発芽率が低下する傾向も見られることなど、麦類の種類および麦類の除去のタイミングなどについては今後の課題となっている。 (菊池)

図 てん菜への麦類間栽培の作業の流れ


散播ほ場
   
条播ほ場

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「2006くらしに活かす生活展」に砂糖のコーナーを出展
〜愛知県春日井市〜

  平成18年6月9日(土)、10日(日)の2日間にわたり、春日井市および春日井市消費生活実行委員会などが主催する「2006くらしに活かす生活展」が春日井市役所1階において開催され、地元住民などの来場者で賑わった。今年で33回目を迎える同生活展は、消費者生活の安定と向上を目指し、資源・エネルギーの有効利用などを日常生活に生かすための情報提供を目的として、地元消費者団体が日常の生活において調査した研究活動の成果発表や、ごみ・食生活・リサイクルなどの身近な問題を取り上げるなどして、春日井市の消費者意識の高揚と啓発を推進するために行われている。
 春日井市内の消費者団体による出展では、エコライフへの取り組み状況や環境にやさしい暮らし方の提案など、環境問題に対する意識が高く現れていた。そのほかにも、製紙会社からは、ティッシュ・紙の原料となる木材についての現状・資源保護などの取り組み状況を紹介していた。
 当機構からは「砂糖を正しく理解していますか」というテーマのもと、てん菜およびさとうきびの展示、さまざまな種類の砂糖の紹介、機構が作成したパネルの展示やパンフレットの配布を行うとともに、来場者が砂糖に関する正しい知識を得ることができるよう情報提供を行った。当機構のコーナーを訪れた人の多くは、てん菜について知らない人が多く、北海道で作られていること、さとうきびよりもてん菜の生産量が多いことなどを知ると驚きの声を上げていた。「三温糖はどのようにして作られているのか、なぜ値段が高いのか」などといった質問が多く寄せられたため、当機構職員がパネルやパンフレットを使いながら説明を行い、理解を深めていただいた。
 今回の砂糖コーナーの出展を通して、来場者の砂糖に対する質問などから砂糖に対する誤解を払拭するために、砂糖ならびに甘味資源作物の正しい知識の普及をさらに行う必要性を感じるとともに、今後も地道な活動を展開していきたいと考えている。
(大槻)
当機構コーナー展示の様子

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洋菓子企業がヨーロッパ製菓の歴史を展示
〜エーデルワイス ミュージアム〜

  兵庫県の洋菓子企業、(株)エーデルワイス(本社:神戸市)は、ヨーロッパなどで過去に使用された製菓道具など洋菓子関係の文化資料を展示する「エーデルワイス ミュージアム」を本部センター(兵庫県尼崎市)および関東本部(東京都江東区)のロビーに開設している。
 同社では、創業者の比屋根毅会長と顧問で菓子文化研究家の平田栄三郎氏が中心となって、創業以来、製菓道具や洋菓子文化関係の資料約千点を収集してきたが、さらにベルギーの美術館からヨーロッパの文化資料を譲り受け、所蔵点数は現在約四千点にのぼる。
 比屋根氏は創業当初から積極的にヨーロッパに出向き、現地の製菓研究所や有名パン店などで本場の技術を学び、同社の製品レベルの向上に努めてきた。会長となった現在でもたびたびヨーロッパを訪問し、製菓技術だけではなく現地の歴史・食文化や人々のゆとりある生活に触れ、啓発される機会が多いという。
 日本とヨーロッパの食文化、嗜好の違いなどについて比屋根会長は、「日本では料理に砂糖を使用するのに対し、ヨーロッパでは使用せず、糖分は主にお菓子から摂取します。このためお菓子の甘さはヨーロッパのもののほうが強く、日持ちも良いのです。日本人は甘さを控えてばかりいたが、最近になってやっと『甘いものは甘くしないとおいしくない』ということがわかってきたように思います。お菓子に使われる砂糖から風味、まろやかさが出てくるのであって、甘さを抑えていては風味が出ないのです。」と述べられていた。
 2005年には同会長の長年の夢であったミュージアムの設立が実現し、同社は美術品の公開を通じて地域との交流や文化活動に貢献している。単に営利のみを追求するのではなく、地域社会への貢献をも重視する点は、ヨーロッパの社会を深く知る同会長の考え方を示すものであろう。
 ミュージアムの展示品は、菓子木型、銅型、チョコレート型、製菓器具・機械、書籍など多様で、現在ではヨーロッパにもほとんど残っていない貴重なものばかりである。
 例えば、1600年代に作られ、売られていた砂糖(写真1)である。300年以上前に作られた砂糖を目の前で見ることができるのは、一種不思議な気持ちになる。歴史的な価値はもちろんであるが、何百年経っても品質が変わらない砂糖の保存性の高さというものを感じる。
 また、菓子木型(写真2)はどれも職人たちの高い技術によって作られたもので、いずれも精巧な模様を刻んでいる。現在ではこうした手作りの木型を作ることができる職人はほとんどいなくなっているという。
 そのほかにも(写真3)に示すとおり多数の所蔵品が展示されている。ミュージアムに入って展示品の前に立つと、長い時間の流れの中を生きてきた製菓道具などから発せられる、重厚なヨーロッパ洋菓子文化の歴史の風のようなものを感じる。
 比屋根氏によれば「このようなコレクションを始めるようになったきっかけは、一つには千年、二千年前あるいは数百年前の道具に込められた職人魂が、私たちの仕事ぶりをしっかり見守ってくれるだろうと考えたからです。実際、展示室に入ると、昔の職人たちの魂が私にはひしひしと伝わってきて、気が引き締まる思いがします」とのことであった。
 同社では、ミュージアムの案内文において「大切に受け継がれてきた道具や美術品に込められた想いを胸に、これからも食生活の発展に貢献できるよう取り組んでいきたい」としており、今後も洋菓子文化を広く市民に伝えていくという面から、同社の活動が期待される。
 なお、同ミュージアムについては、同社のホームページで紹介されており、アドレスは以下のとおりである。
(脇谷)
http://www.edelweiss.co.jp/museum/index.html

写真1:かつてヨーロッパで売られていた砂糖

   
写真2:ヨーロッパの菓子木型とこの型を使って作られたお菓子 写真3:ケーキ、プディングなどの製作に用いられた銅型

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さとうきび酢の健康機能性
 〜第16回西日本食品産業創造展から〜

 平成18年5月17日(水)から19日(金)までの3日間、マリンメッセ福岡において日刊工業新聞社主催による「第16回西日本食品産業創造展」が「新たなる食ビジネスを構築する」をテーマに開催された。
 同展は、農林水産省九州農政局や日本澱粉工業(株)など全国から官・民合わせて198者が参加し、「自動包あん機」や「生野菜搾汁機」、「和洋菓子材料」など食品機械から厨房・調理機器、食材に至るまで、食に関するさまざまな製品等が展示された。また、期間中、特別な催しとして、(社) 福岡県洋菓子協会の企画による「第10回洋菓子技術コンテスト入賞作品・参加作品の展示」や福岡市菓子技術協会の企画による「平成17年度和菓子製造技能国家検定制度合格技能士による作品展示と実技講習会」などのイベントや、日刊工業新聞社の企画による「自社ブランドの構築から超繁盛店への軌跡」といったパネルディスカッションやセミナーが多数行われた。
 その中で、産学官機能性食品研究開発委員会の企画による「サトウキビとサトウキビ酢の健康機能性」(講師:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センター機能性研究チーム長吉元誠氏)について、その概要を紹介する。


1.長寿の島奄美大島
 奄美大島における長寿の要因の一つとして、魚介類やポリフェノールを多く含むといわれる水前寺菜や島民から薬糖と呼ばれ親しまれている黒糖、さとうきび酢といった伝統食が挙げられる。また、人口10万人に対する100歳以上の人口は、全国で16.1人、鹿児島県で17.1人、沖縄県で42.5人であるが、奄美大島は66.0人となっており、他と比較してかなり高い人口を示している。
 特に、伝統食の中でも蔗汁を自然発酵させて製造したさとうきび酢は長寿への関与も示唆されているところである。


2.さとうきび(黒糖)とさとうきび酢の機能性
 さとうきびはミネラルやビタミンが豊富に含まれる農作物であると認識されている。これまで、砂糖と糖蜜を分けることにより製造されている分みつ糖の原料としての利用がほとんどであるが、同センターではさとうきびの有用成分であるミネラルや機能性成分などを豊富に含む糖蜜の利用や加工残さの環境への負荷の軽減という観点からさとうきびの新規用途の開発や需要促進の一環として機能性の開発について検討をしており、さとうきび(黒糖)とさとうきび酢の機能性と新たな加工利用法について、次のとおり紹介した。
(1) さとうきび(黒糖)の機能性として、ポリフェノールを多く含む、抗酸化能が高い、糖の吸収阻害の改善、血糖値の上昇抑制効果、脂質分解の亢進、高コレステロールの改善といった特徴がみられる。
  特に、ポリフェノールは生体の酸化的ストレスを防御することが明らかになっており、多くの生活習慣病の予防に役立つと考えられていることから、奄美大島の長寿の要因を示唆しているといえる。
(2) さとうきび酢は市販の醸造酢よりも比較的飲みやすいことが特徴の一つといえる。これは、蔗汁を酢酸発酵させ、ショ糖の成分であるグルコースが残ることにより、甘みが出るからである。
 また、さとうきび酢の機能性として、以下の点が挙げられる。
1)活性酸素を消す能力いわゆる老化防止や生活習慣病の予防、健康の維持増進といった機能であるラジカル消去能が高い
2)正常な細胞遺伝子が発がん物質により突然変異を起こす性質いわゆる抗変異原性を抑制する活性が高い
3)がん細胞の増殖抑制
4)がん細胞を殺す作用のあるナチュラルキラー細胞の作用活性化
 現在、さとうきび酢は奄美大島南部にある加計呂麻島や種子島、沖縄本島で生産されており、最近の健康酢ブームで価格上昇の兆しがあり、さとうきび酢は明るい見通しといえる。


3.さとうきびの総合的利用
 分みつ糖や含蜜糖(黒糖)を製造する過程で砂糖だけでなく残った部分も利用できるシステムがケーンセパレーションシステムである。
 このシステムはサトウキビを糖分を含む内実部とそれ以外の部分を効率的に分離するものである。当システムで製造された黒糖は、従来の黒糖と比較してミネラル含有量等に変化はなく、色調は淡く、味もまろやかでそのままの状態でコーヒーや紅茶に利用できるものとなっている。
 また、同システムで切り分けられた糖分以外の部分からは外皮や表皮ワックスが得られ、それらを加工することによって、紙や粗ワックス、かりゆしウェアーなどが試作されている。 (杉山)

さとうきび酢の機能性についての説明
さとうきび酢の試飲風景

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「平成18年度さとうきび生産振興対策会議」が鹿児島市で開催

 平成18年5月26日(金)に、鹿児島県農政部および(社)鹿児島県糖業振興協会主催による「平成18年度さとうきび生産振興対策会議」が鹿児島市の鹿児島県農業共済会館で開催された。
 この会議は、鹿児島県内のさとうきび関係者が一同に会し、前年産の生産実績や当該年産の作付進捗状況などについて検討、協議を行い、当該年産のさとうきびの生産振興に寄与することを目的に毎年開催されているものである。
 当日は、鹿児島県、各市町村、農業開発総合センター、農業改良普及センター、甘しゃ糖企業、関係団体、農協等の担当者61名が参加した。
 開会にあたり、西野博鹿児島県農政部農産園芸課長から、「平成17年産のさとうきびは沖永良部島、与論島が干ばつによる深刻な影響のため過去最低の生産量となったが、種子島は気象条件に恵まれ近年にない大豊作となり、県全体としては前年より26,821t増の533,594tとなった。一方、昨年末にさとうきび増産プロジェクト基本方針が取りまとめられ、各島ごとにさとうきび増産プロジェクト計画を策定し、県についても具体的な生産計画をまとめ、課題を整理し同計画を策定したところである。同計画は実現可能な目標を各島にお願いしたところであり、また、県段階や島段階において真剣に取り組まなければならないと思っている。関係者の皆様には最大限の努力をお願いしたい」と激励のあいさつがあった。
 次に、鹿児島県および(社)鹿児島県糖業振興協会から平成18年度さとうきび関係事業について説明が行われ、平成19年産から新たに導入される品目別経営安定対策の概要について、同対策に向けた各市町村における生産者の実態調査の報告や今後の進行管理に係るJA部会などの組織化についての進め方、また、さとうきびの価格形成および取引に関する取り決めについて説明が行われた。
 最後に、鹿児島県から平成17年産のさとうきびの生産実績について、報告が行われた。
 県からの報告の後、平成18年産の増産に向けた取り組みについて各島から報告がなされ、新品種の導入や春植・株出体系への移行、営農集団や大規模生産者などの育成、休耕地や基盤整備地区への作付推進などの取り組みについて意見交換が行われた。
 今回の会議を通して、県内の関係機関・団体の一体となった取組みが実を結び、平成18年産さとうきびの生産が安定して行われるとともに、生産量が増大し高品質となり、平成19年度から始まる新制度へスムーズに移行することを期待したい。 (杉山)
 
さとうきび生産振興対策会議の模様

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「きびしい時代の到来!きび作で再生を」
〜地域情報交換会を開催〜

  沖縄県では毎年4月の第4日曜日を「さとうきびの日」と定め、各地で関連行事が開催されている。沖縄県本島中部地区での「さとうきびの日」関連行事の一環として、平成18年4月23日(日)、沖縄市において当機構那覇事務所と中部地区さとうきび生産振興対策協議会との共催により、地域情報交換会と中部地区における競作会表彰式を開催したのでその模様を紹介する。
 中部地区におけるさとうきびの生産状況は減少の一途をたどっており、平成11/12年期と16/17年期との5年間の比較で、収穫面積では1,175haから1,018haと約13%減少している。単収は6トン前後と横ばいで推移しているものの、生産量では81,527トンから63,275トンと約22%減少している状況にある。今期は、本島においては台風の上陸もなく生産の増加が期待されていたが、単収の低下や、収穫面積の減少から生産量は昨年を大幅に下回り、対前年比約21%減の50,298トンと、さらに厳しい状況となった。
 中部地区は、宅地化の進展や高齢化により面積の減少に歯止めがかからない状況にあることから、担い手の育成が緊急の課題となっている。
 このような状況の下、今回の交換会では同地域の生産農家に向けた生産意欲の高揚の一助になればと、平成12年の第39回農林水産祭における天皇杯を受賞した鹿児島県大島郡喜界町のさとうきび農家である岩下雅一郎氏を講師として招き、「きびしい時代の到来!さとうきび作で再生を」と題した講演会を行った。当日は、天皇杯を受賞した農家の講演とあって、さとうきび生産農家を中心とした糖業関係者200人余りが会場に集まった。

 ―岩下氏の紹介―
 岩下氏は、平成10年に喜界町で初めてのハーベスタ営農集団「ファームテック喜界」を結成し、担い手作りをはじめ機械化一環体系を確立したことや、農地集積による規模拡大、経営診断、地域農業への貢献などが評価され、天皇杯を受賞した(詳細は、本誌2001年1月号において紹介)。現在の経営面積は24.86ha、収穫量は781トンであり、地域におけるさとうきび農家のリーダーとして活躍している。


[講演要旨]
 岩下氏は、さとうきびをはじめ農業全体の問題として、「担い手をいかに確保していくか」、「地域におけるリーダーの不在」を挙げ、農業の消滅は地域経済の破綻につながると問題提起し、担い手の育成や農家としてプロ意識を持つことの重要性を指摘。
 また、「ある程度慣れてくると、誰もが初心を忘れ、手を抜くことを考えがち。農業は、技術の前にやる気と努力」、「さとうきびに対して愛情を持って育てるべき」など、さとうきび作に対して取り組む姿勢や、地域の仲間との交流を通し、互いの良い点を積極的に学び協力し合う仲間づくり・担い手作りの大切さを熱く語った。 また、栽培技術面では、「さとうきび作の善し悪しは、80%が植え付け時で決まる」、「植え溝はU字型の広幅溝にすることで、降雨によって土がかぶるのを防ぐことができ、日当たりも向上する」、「覆土を浅くして鎮圧を行い、苗に負荷を与えることで再生しようとする力を働かせることで、分げつや発芽が促進させることができる」などの説明を行った。
 今後のさとうきび作の方向性としては、機械化の進展に伴い、受委託作業の拡大による分業化が進んでいくとして、農家における委託料などの負担に対しても、「収穫作業を委託している間に自分は株出管理作業を行うことができ、それに伴う増収を図ることが可能」といったプラス思考で考えればよいのではないかと語った。
 さらに、「農業は経営」であるとして、単収が良くても経営状態が良くない場合や、逆に単収が並以下でも経営が成り立っている場合もあり、お金の流れを把握し、出費を抑え、記録することが重要であると、これからの農家は栽培技術だけでなく経営感覚を養うことがより重要であると強調した。
 このように、同氏の講演はさとうきび作に対する精神面、技術面、経営面と広範な内容が盛り込まれ、講演に対する質問も活発に行われた。
 引き続いて、当機構が作製したビデオ「さとうきび栽培の基本技術」の上映を行い、最後に生産技術および経営改善の面で創意工夫により栽培優良事例の模範となるさとうきび農家14名の表彰を行い、それぞれ表彰状と副賞が贈呈され、盛況のうちに交換会は終了した。
 多くの参加者は、今回の交換会を通じて、さとうきび農家の地域間での交流は、農家にとって良い刺激となると実感したことであろう。今後も当機構那覇事務所において、このような情報交換の場を設け、地域のさとうきび生産振興に努めていきたい。
(緒方)
会場の様子
講演中の岩下雅一氏
   
参加者の熱心な質問
受賞者の方々

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