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地域だより[2006年8月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[2006年8月]

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札幌事務所


砂糖の正しい知識と梅酒・梅シロップ作りへのお・さ・そ・い

 平成18年6月14日(水)、札幌市の札幌エルプラザにおいて、社団法人札幌消費者協会は、当機構札幌事務所との共催により、中日本氷糖株式会社の氷砂糖資料館館長の友永洋一氏を講師に迎え、昨年に続き、「梅酒・梅シロップ作り講座」を開催した。同講座には、応募から約2週間で締め切りになるなど、昨年から開催されるのを楽しみにしていた一般の方々が54名参加し、当機構職員による砂糖の正しい知識の説明も併せて行った。
 講座は、パワーポイントを用いて、まず、材料となる氷砂糖の製造方法を説明し、次に、梅シロップ、梅酒の作り方、また、なぜ氷砂糖が果実酒などに適しているかの説明をしたあと、実習室に移動し、梅シロップ作りを行った。なお、氷砂糖は、てん菜を原料として作ったものである。
材料は、青梅1kg、氷砂糖1kg、ホワイトリカーまたは食酢(参加者の希望によりどちらかを選択)200cc、2リットル入りの貯蔵瓶である。
 作り方は、青梅を水洗いし、水気をよく拭き取る。ここで、よく水気を拭き取らないと、梅の発酵の原因となる。次に、「へた」を取り、貯蔵瓶に梅・氷砂糖・梅・氷砂糖と交互にいれ、発酵を防ぐための、ホワイトリカーまたは酢を入れる。次に、瓶を逆さまにしたり、転がしたりして、青梅をすべてホワイトリカーまたは酢で濡らし、発酵を防止する。
 この後は、梅の表面が乾くと、発酵の原因となるので、氷砂糖がとけるまで、1日1回は、瓶をよく転がして、冷暗所で保存すること。直射日光は厳禁である。次第に、氷砂糖の浸透圧により、次第に梅からエキスが染み出し、約3週間で梅シロップが完成する。
 梅シロップの講習後に、当機構職員より、「さとうのあれこれ」と「おさとうのおはなし」の冊子を用いて、砂糖についての説明を1時間ほど行ったが、この講座において行ったアンケートの中で、本日の講演内容が参考になった理由を参加者に聞いてみると、「砂糖は体に害にならいない」、「砂糖の不思議な力を知った」、「砂糖のいままでの知識と違っていた」、「てん菜、砂糖のことがよくわかった。(体に悪いのもではない)」、「模型を見て、てん菜の形などてん菜について初めて知った」、「砂糖でわさびが辛くなるのは、初めて聞いた」など、砂糖についての間違っていた情報を正すことが出来たり、北海道のてん菜について知ってもらうことが出来たりと、非常に有意義な講習会であった。
 アンケートの調査結果では、この講座で初めて知ったという方の割合が2割以上の設問は、「砂糖を食べても歯磨きで虫歯は防げる」、「食品の防腐効果がある」、「「砂糖の摂取=肥満」ではない」、「砂糖は糖尿病の直接の原因ではない」、「砂糖はキレる原因ではない」など、また、3割以上の設問が「米やそば等と同じ炭水化物である」、「脳のエネルギー源は砂糖等に含まれるブドウ糖だけである」、「漂白していない」、「カルシウムを溶かすものではない」であり、特に、46.2%の人が、「砂糖はカルシウムを溶かす」、32.4%の人が「砂糖は漂白している」と思っていたということは、まだ、砂糖について誤解をしている人がおり、そのためには、今後も、砂糖などについてのセミナー等を開催しなければならないと実感した。(戸田)

   
   

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札幌事務所


平成18年度てん菜輸入品種検定試験の現地調査について

 平成18年7月4日(火)、5日(水)に、社団法人北海道てん菜協会主催により、平成18年度輸入品種検定試験のうちの生産力検定試験および輸入品種予備試験ならびに同時に実施している国内育成系統のてん菜系統適応性検定試験に対する現地調査が独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター(芽室町)、北海道立十勝農業試験場(芽室町)、日本甜菜製糖株式会社(帯広市上清川町・豊西町)、北海道糖業株式会社(本別町)、北海道立北見農業試験場(訓子府町)、ホクレン農業協同組合連合会(大空町女満別)の各試験ほ場において、行政、研究機関、てん菜糖業者などの参加で行われた。
 今年の検定試験の供試品種は、全部で21品種あり、検定品種として、北海系統4品種(北海92号、北海93号、北海95号、北海96号)と輸入品種9品種(H135、H136R、H137、HT27、HT28、HT29、KWS4S65、KWS5R16、KWS6S99)の計13品種と標準品種のモノホマレ、比較対照品種7品種のカブトマル、えとぴりか、きたさやか、アセンド、リゾマックス、クローナ、モリーノとなっている。
 北海道で栽培されているてん菜の品種は、まず予備試験(1年以上)で、輸入品種の中から有望な品種として選抜されたものおよびいろいろな遺伝子を組み合わせて新しく品種開発した中から有望な品種として選抜された国産品種を、各試験場や各糖業で品種検定試験(3年以上)を行いながら、気性・土壌の異なる地域の適応性についての現地検定試験(2年以上)、耐病性、抽苔(花をつけるための薹が立つこと、二年草のため通常は二年目に薹が立つ)の有無などの特性検定試験(2年以上)などを経て、試験結果の優れた優良品種として認定されたものである。
 優良品種として認定されるまでの検定試験の期間は、現地検定試験と特性検定試験は、3年間の品種検定試験のなかで、同時並行で行われるが、早くても予備試験の1年間と品種検定試験の3年間で、4年間という長い時間がかかる。
 これらの試験は、優良品種として検定するための基本データとなるので、慎重に生育を観察する必要がある。今回の現地調査では、各品種の生育状態や栽培管理などの確認を専門家によって調査された。
 今年は、雪解けが遅れたために、移植が1週間前後遅れたところが多く、また、6月上旬ごろに、気温低下と日照不足から生育が遅れたが、その後の天候回復により、生育の遅れは取り戻しつつあり、生育はほぼ順調で、特に大きな問題点は指摘されず、精度の高い試験が期待される。(戸田)

   

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平成18年度羽地さとうきび生産部会肥培管理講習会が開催される


 平成18年6月14日(水)、JAおきなわ羽地支店(名護市)において、同支店管内である羽地・屋我地両地区のさとうきび生産者で構成されている羽地さとうきび生産部会の主催により「平成18年度さとうきび肥培管理講習会」が開催されたのでその模様を紹介する。

 両地区は、さとうきび栽培に意欲的な生産農家が多い地区であり、農家が自主的に同生産部会において肥培管理講習会を毎年開催しており、沖縄県では、他にあまり例のない農家の積極的な取組として評価されている。
 沖縄本島北部地域における17年産さとうきび生産量が対前年比9.6%減と厳しい状況の中、羽地地区では1.2%増、屋我地地区では2.3%増となっている。単収においても北部地域においては対前年比0.3%減となっているのに対し、羽地地区では12.1%増、屋我地地区では10.1%増で、いずれも北部地域における単収の平均値を上回っており、(別表参照)、両地区における生産者の日々の努力が反映された結果となった。
 今回の講習会を通じた生産向上への地域の積極的な取り組みは、今後の新たな制度に向けてのモデル的な取組としても評価でき、同地域におけるさとうきび生産のさらなる発展に結びつくよう期待したい。(緒方)


(講習会概要)
1. 平成17/18年期製糖実績 
2. 肥料について
3. 平成19年さとうきび新価格制度の移行について
4. 農薬ポジティブリスト制度について
5. 農薬について
6. 病害虫について
7. 土壌分析について

(表彰式及び祝賀会)
 上間秀清氏 さとうきび競作会表彰式および祝賀会

[講習内容]
 羽地さとうきび生産部会大嶺会長より「平成19年から新制度に移行するという転換期をむかえており、ここで再度栽培の基本技術を再確認して意識を高めていこう。」と挨拶の後始まった講習会は、朝10:00〜夕方16:00まで濃密な内容でおこなわれ、農家の生産向上への強い意気込みが感じられる1日となった。

大嶺生産部会長


1. 平成17/18年期製糖実績・・・・・(球陽製糖仲宗根農務部長)
平成17/18年期製糖実績報告と、同地区に新たに配属された指導員の紹介を行った。

球陽製糖仲宗根農務部長
指導員の紹介

2.肥料について・・・・・(JAおきなわ本店資材部伊禮業務アドバイザー)
 さとうきび農家が他の作物の栽培農家に比べ、土壌診断を実施することが浸透していないことの問題提起を行ったうえで、圃場の土壌診断に基づいた肥料を選択することの重要性と肥料についての説明を行った。

JAおきなわ伊禮業務アドバイザー

3.平成19年さとうきび新価格制度の移行について・・・(JAおきなわさとうきび生産振興本部仲田本部長)
 平成19年より新制度への移行が予定されていることを踏まえ、新制度における農家の支援対象要件や生産組織の立ち上げ等に関する説明を行った。

JAおきなわ仲田さとうきび生産振興本部長
会場の模様

4.農薬ポジティブリスト制度について・・・・(北部農業改良普及センター桐原氏)
 食品衛生法の改正により本年5月29日から始まった残留農薬のポジティブリスト制度に関する説明および、農薬の適正使用量の徹底と農薬散布時における近隣の圃場の作物への飛散への注意喚起を行った。特に農薬の散布は、(1)風の強弱・方向に気を遣うこと、(2)粒剤<液剤<粉剤の順に飛散しやすいこと、(3)手作業による散布が機械による散布にくらべ飛散しにくいこと等の解説を行った。

北部農業改良普及センター桐原氏

5.農薬について・・・・(第一農薬(株)の城間氏及び琉球産経(株)の末吉氏)
肥料の商品毎の特性や使用上の注意点等を説明した。

第一農薬(株)城間氏(左)琉球産経(株)末吉氏(右)

6.病害虫について・・・・(沖縄県病害虫防除技術センター二神氏)
 病害虫に関する説明とともに、ガイダー(カンシャコバネナガカメムシ)を例にした、農薬散布をする場合の「経済的被害許容水準の模式図」の説明があった。
 害虫(ガイダー)被害による減収と農薬散布に係る出費との費用対効果により散布が必要となる水準としての「要防除密度」が茎当たり20匹程度と説明。そのため、害虫の密度調査を行った上で、必要な圃場にのみ農薬を散布することが、不要な経費の支出を抑えることにつながることを説明した。

沖縄県病害虫防除技術センター二神氏による講演

7.土壌分析について・・・・(北部農業改良普及センター三宅主任技師)
土壌分析についての説明があり、単収向上に向けた、栽培の基本に立ち返ると、「土づくり」は基本中の基本であるとして、土壌診断を行うことにより、必要な肥料の種類や量が明らかになり、増収につながることを説明、また無料で土壌分析が行える「土壌分析週間」の活用を推奨した。

北部農業改良普及センター三宅主任技師による講演
熱心に質問を行う参加者

○さとうきび競作会受賞者表彰式及び祝賀会
 講習会の終了後、本年4月に行われた「沖縄県さとうきび競作会」の特別表彰の部において表彰された同地区の上間秀清氏の発表と表彰並びに祝賀会が開催され、盛況のうちに同講習会は終了した。
****一日ご苦労様でした*****

表彰式
上間秀清氏

上間秀清氏

 昭和32年からさとうきび栽培に取り組み、地域農業の振興に尽力。平成13年には羽地さとうきび部会を発足させ、初代会長に就任するなど組織育成に貢献。
 現在も200aの圃場に毎年140〜150tのさとうきびを生産。新規就農者に対する助言指導等を行うなど、地域の担い手育成にも貢献している。
 さとうきび栽培歴49年。84歳。

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宮古島の防災と美しい自然を考える「美ぎ島宮古(かぎすまみゃーく)グリーンねっと」の18年度総会が7月7日開催された。

 沖縄のさとうきび栽培の最大の悩みは、台風・干ばつによる気象災害である。特に沖縄県の宮古島では、平坦な地形で耕地率54%と農耕に恵まれて、宮古島における農業産出額の75%は、さとうきびを中心に葉たばこ、野菜などの耕種が占めているものの、平 らな宮古島は、台風の影響は島全体に及ぶため特に台風に弱い島の一つである。

 干ばつについては、地下ダムの完成により水利用農業が進み、地下ダム利用地域はでは、干ばつの影響は少なくなったが、ひとたび強大な台風に襲われると甚大な被害が発生する一方で、基盤整備が進み防風林が減少したことにもより、毎年当たり前のように5個6個と来襲する台風についての有効な対策がとれていない。

 このような状況の中、平成15年の最大週間風速70メートルを記録した、「宮古台風」で、大打撃を受けた。このことを教訓に改めて防風林の有効性を再認識し、防災に強い島づくりを推進すると共に花と緑に包まれた美しい島を作ることを目的に、平成17年6月に宮古住民や企業団体などの参加のもと、ボランティア組織として、自然環境保全・防災農業を目的に現在活発な植樹活動を行っている、「美ぎ島宮古(かぎすまみゃーく)グリーンネット」が設立された。 (会長は、伊志嶺宮古島市長)

 さる7月7日に行われた第1回目の決算では、個人は607人、団体63団体と会員数も予想を上回り、黒字の決算となり、平成17年度に、平良地区狩俣、城辺地区保良、伊良部地区池間添の3カ所、4回の植樹を行い、6千平方メートルに、テリハボク、イヌマキ、フクギの苗木など5、169本を植えつけた。

 今年3月11日の第4回の伊良部池間添地区で行われた植林には、一年のうちで一番忙しいさとうきびの収穫期であり、製糖期にもかかわらず161名の参加者が集まり植樹を行ったが、回を増すごとに参加人数も増えているとのことで、島の自然を愛し、島を大事にする宮古島の人々の防災に対する意識の高さが伺える。

 18年度は、上野地区宮国、下地地区積間農地防風林帯に植樹を予定している。
補助金などに頼らずに、住民が一体となって防災意識を持ちながらの活動は、他の地域のモデルにもなるすばらしい取組となっている。「美ぎ島宮古(かぎすまみゃーく)グリーンネット」の地道な植樹活動が実り、いつしか宮古島一帯がグリーンベルトで覆われる日まで継続的な取組に期待したい。(緒方)

   
 

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