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地域だより[2006年9月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[2006年9月]

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国際農業機械展in帯広について

 平成18年7月13日(木)〜17日(月)にかけて、ホクレン農業協同組合連合会、(社)北海道農業機械工業会、十勝農業機械協議会の主催により、「第31回国際業農業機械展in帯広」が帯広市の北愛国交流広場で開催された。
 この機械展は、1947年に開催された「自由市場交換即売会」に端を発しており、終戦後からの農業の機械化への流れに伴って「全道農機展」、「全国農機展」と名称を変更しながら、1970年の第22回以降は4年に1度開催されている。現在では、食料供給基地である十勝において、国際的な視点の中でこれからの農業と農業機械化のあるべき姿を発信するために、先端技術を駆使した最新鋭の農業機械を一堂に集めて展示する場として開催されている。
 今回は、「新世紀農業さらなる飛躍へ」をテーマに98社が最新鋭の農業機械や農業関連設備などが出展された。また、同時開催として国際農業機械展開催記念シンポジウム「バイオ燃料の未来と十勝」や「バイオマス展inとかち」も開催され、バイオエタノールなどの生物由来の新エネルギーに関する取り組みも紹介された。

1.国際農業機械展について
 機械展に出展されていた機械のうち、てん菜に関するものの一例を紹介する。

2畦ビートハーベスター B-2(サンエイ工業(株))
 国産初の2畦ビートハーベスターであり、従来の1.6〜2倍の作業能率を期待できる。また、自動四輪操舵システムや自動畦合わせ機能などにより、大型化したハーベスターの操作性を向上させ、オペレーターの負担を軽減している。
 
ビートハーベスター RX-510(日農機(株))
 トラクターとの折れ角を感知して、バーベスターのタイヤを自動操作できる。また、畦合わせセンサーがてん菜の列を感知して、堀取口が畦の真ん中に来るように合わせるので、オペレーターは後ろを見ずにトラクターを操作し収穫できる。
 
ビートハーベスター TBH35TA(東洋農機(株))
 タッパ付きビートハーベスターで、無段階のアクティブステアリングがトラクターとの角度を検出し、自動的にトラクターに追従する。また、クリーナー、タンクコンベヤーを油圧駆動に、タッパーフレーム開閉機構を付けることなどにより、メンテナンスしやすくなっている。自動畦合装置ではてん菜ひとつひとつを検出し、作物列全体のセンターを追うことが可能である。
 
自走式4畦ハーベスター(エム・エス・ケー農業機械(株))
 ドイツのホルマー社製テラドス機を日本仕様に改良した、国内初のてん菜自走式4畦ハーベスターである。茎葉処理から掘り取りまでの一環作業方式で、H17十勝農試試験結果では作業能率は1.06ha/hで堀残しもほとんどみられなかった。
 
ビートタッパー ST-747(十勝農機(株))
 切断作動機構の無段階調整が可能で、切断厚さの微調整も簡単にでき、ナイフの上げ下げも工具を使わずに約0.5mm単位で調整できるため、ほ場の状態に応じて素早く調整できる。また、4畦型であるため能率が上がり、ハーベスターに追われることなく作業ができる。
 
土回収装置付土詰機 DON-C((株)サークル鉄工)
 ペーパーポットからこぼれた土を両サイドのベルトで回収するので、土を踏み固めることなく、再利用できる。回収した土はリターンコンベヤーで自動的にコンベヤーに戻し土詰機に再供給される。
 
全自動播種機(北海道糖業(株))
 てん菜栽培集団に適した共同播種施設であり、ペーパーポット1冊分を自動センサーにより約20秒で播種する。
 
全自動ビート移植機 ART-2000((株)ホクエイ)
 平成19年にART-2000モデルをリニューアルする予定になっている。特に、供給コンベヤー、先送りセンサー、苗補正装置、引出しベルトなどを改良し、欠株やポットの変形、土抜けをより軽減できるモデルになる。
 
全自動ビート移植機 CAP-4AED((株)サークル鉄工)
 ロボット4基を搭載しており、1人の苗補給者で4畦の移植作業が可能である。また、4畦移植することで、4畦のカルチベーターなどを使用した場合でもズレが少なく管理作業がスムーズに行える。
 
真空播種機 TEV-4XR((資)田端農機具製作所)
 真空圧により種子を一粒ずつシードディスクに吸着して落とすため播種精度が高い。播種部は二連ローラー方式で、種子の深さが均一になる。
 
プランター TEBH-4UR((資)田端農機具製作所)
 培土爪を取り付けることで、播種作業と同時に畦を高畦に成型することにより、地温や土壌水分を有利に影響させる。肥料畦切りは二段施肥用固定爪になっており、初期成育を促す。
 
クラストクラッシャー (北海道糖業(株))
 播種後に形成した場合には発芽の妨げとなる表層のソイルクラスト(硬化土壌)を破砕し、ほ場発芽立の確保に有効である。ワイヤーツース形ドラムで表層を破砕するので、発芽中や発芽したてん菜の場合でも損傷が少なくてすむ。
 
ローターハロー KRL282PJ-2L(小橋工業(株))
 ロータリーの後にツメ(Kソイラ)を付けており、ロータリーをかけることでできる盤を崩すことで、通常のローターハローでの作業時に比べてほ場の水はけが良くなる。
 
ブームスプレーヤ BSM-1310L((株)丸山製作所)
 5連ピストンポンプを搭載しており、同クラスの3連ピストン式よりもコンパクトになっている。また、速度連動散布装置(Spray Navi)により、走行速度が変化しても定量散布が可能である。
 
ドリフト低減ノズル エコシャワー((株)丸山製作所)
 従来の一般ノズルの平均粒子が50〜80μmであるのに対し、薬液に空気を混入することで平均粒子を160μm以上にまで大きくしてドリフトを低減する。
 
カルチベーター 草刈るチ(日農機(株))
 一本のビームに8本爪+αの装着を可能としており、作物の生育状況などに合わせてウイングディスク土戻し、ヤナギ刃、株間輪、ゴロクラッシャー、m・AROTリーナなどをバリエーション豊富にセッティングすることができる。特にm・AROTリーナは、自動畦追従機構で作用部が左右にと動き2畦移植したてん菜を4畦処理してもそれぞれの畦の中心を追従し、生育中期以降における株間、根際の除草効果を向上させる。
 
ストーンクラッシャー STC125(ホクトヤンマー(株))
 地表・地中の岩石を破砕することにより、ほ場の土を減らすことなく、人手やストーンピッカーによる岩石収集作業よりも高能率に作業が行える。破砕歯先端にはタングステンカーバイドを使用しており、30cmの石まで破砕可能である。

2.国際農業機械展開催記念シンポジウムについて
 シンポジウムは、機械展2日目にあたる7月14日(金)に帯広市のとかちプラザにおいて、農業機械学会北海道支部、北海道バイオガス研究会、バイオマス利活用促進会議、NPOあうるずの主催により開催された。「バイオの燃料の未来と十勝−京都議定書第一約束期間を2年後にひかえて−」と題して、バイオエタノール、バイオディーゼル燃料、バイオガスなどのバイオマス活用における現状や取り組みについて4講演と総合討議が行われた。
 特にバイオエタノールについては、東北大学農学部教授の両角和夫氏から、米国でのトウモロコシ・エタノール生産について、当初はトウモロコシ生産地域での高齢化、地域経済の低迷を克服しようと取り組まれたものが、現在ではトウモロコシ生産量の約13%がエタノールに仕向けられるまでになり、政策としてはエネルギー政策、環境政策、農業・地域振興政策の3つの側面を持つと説明がなされた。また、日本では、米国でのトウモロコシと同様に米が主要穀物であることから、米のエタノール燃料化が提案された。
(菊池)

シンポジウム次第
(1)開会挨拶 主催者代表 帯広畜産大学教授 西崎邦夫
(2)講演
 (1)バイオマス燃料に係る経済産業省の取組みについて
 経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課課長補佐 土屋武大
 (2)バイオガスについて  鳥取環境大学教授 合田素行
 (3)バイオエタノールについて  東北大学農学部教授 両角和夫
 (4)BDFについて  油藤商事株式会社専務取締役 青山祐史
 (5)総合討議 
    コーディネーター 西崎邦夫
    情報提供 帯広開発建設部部長 加藤史郎
    パネラー 土屋武大、合田素行、両角和夫、青山祐史、菊池貞雄(NPOあうるず)
(3)閉会

東北大学農学部教授両角氏による講演
総合討議の様子

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「平成18年度(第41回)さとうきび研究成果発表会」の開催について

 平成18年7月25日(火)、26日(水)に鹿児島県農業共済会館において、(社)鹿児島県糖業振興協会主催による「平成18年度(第41回)さとうきび研究成果発表会」が開催された。
 この発表会は、さとうきびの生産振興を図るうえで生産地において活用できる実用的な研究成果について、各研究機関が発表を行い、その内容について検討を行うものである。
 当日は、大学、九州農政局、鹿児島県、各市町村、九州沖縄農業研究センター、農業開発総合センター、甘しゃ糖製造事業者、JA等関係機関から86名が参加した。
 初日は、開会に当たり、(社)鹿児島県糖業振興協会西野博専務理事より挨拶の後、鹿児島県農業開発総合センター鮫島國親副所長を座長として、情報、品種、栽培、病害虫分野から順に研究成果発表が行われた。その主な内容は次のとおりである。

1日目
<情報分野>
(1) 種苗管理センターにおける品種保護に関しての最近の情勢について
(種苗管理センター鹿児島農場末松章男農場長)
ア. 知的財産基本法の制定以降、農林水産分野における重要な知的財産である植物新品種の育成者保護・活用に向け、品種保護Gメンを増強し種苗を全国に配備する等の対策を進めている。
イ. さとうきびの主要品種について育成者権が設定されている。
 
(2) 種子島における17/18年期の低糖度について
(農業開発総合センター熊毛支場福井清美作物研究室長)
種子島の17/18年期のさとうきび生産は、単収が8トンあり、台風害や霜害がほとんどなかったにもかかわらず糖度が低かった。
その原因について気象感応試験等から解析を試みた結果、12月の気温が登熟に大きく影響したものと推量された。このことから、種子島の糖業安定には早期高糖品種の導入が重要と考えられる。

(3)高バイオマス量さとうきび品種開発の現状
 (九州沖縄農業研究センターバイオマス資源作物開発チーム寺島義文研究員)
ア. 製糖用さとうきびとさとうきび野生種やソルガム等との種属間交雑により、乾物・糖質収量が多く多用途利用が可能な高バイオマス量さとうきびの開発を行っている。
イ. 多用途利用技術の一つとして、砂糖生産量を維持しながらエタノールを効率的に生産する砂糖エタノール複合生産プロセスを民間と共同開発し、沖縄県伊江島で実証試験を行っている。

<品種分野>
(1)12月収穫可能で株出し多収のさとうきび新品種候補系統KY96−189について
(九州沖縄農業研究センターバイオマス資源作物開発チーム伊禮信主任研究員)
KY96−189は、発芽・萌芽と分げつ性に優れ、初期から茎伸長が良い。可製糖量は、Ni8に比べ春植、株出しともに同程度かあるいは多いうえ、12月収穫でも甘蔗糖度はNi8と同程度で原料茎重が重い。Ni8の糖度が低い地域、株出収量の不安定地域での生産性向上が期待される。

(2)新品種候補系統KY96T−537の特性について
(農業開発総合センター徳之島支場園田純也主任研究員)
KY96T−537は、発芽・株出萌芽性に優れ、初期成育が旺盛。
風折抵抗性はF177並みであるものの、分げつ性に優れ茎数が多く茎伸長が良いことから、多収で糖度が高いことが明らかになった。

<栽培分野>
(1)さとうきびの栽培管理について
(種苗管理センター鹿児島農場池浦俊弘主任調査員)
ア. NiTn18は生育旺盛な反面、倒伏しやすく側枝の伸長が著しいことから、茎長と側枝の伸長抑制に関する調査を行ない種苗に適する栽培法を検討。
イ. 植付け時の芽子の向きとウィルス病感染株の減耗についての調査。

(2)熊毛地域のさとうきび刈り取り時期と株出管理時期について
(農業開発総合センター熊毛支場藤田英介主任研究員)
毎月、春植の収穫を12月から3月まで行い、株出管理を収穫当月、1ケ月後、2ケ月後に行い生育収量を調査。
単年度結果ではあるが、収穫当月管理が最も良く、1ケ月後管理でも当月管理にわずかに劣る程度。2ケ月後管理では明らかに低収量であることが明らかになった。

(3) 奄美地域のさとうきびの株出管理時期が萌芽・生育収量に及ぼす影響について
(農業開発総合センター徳之島支場西裕之主任研究員)
収穫直後に株出管理を行うと萌芽率が高く茎伸長が良い。梅雨明けまでの期間が長くなることで生育量が確保でき、1茎重が重く多収量になることが明らかになった。

(4)かん水によるさとうきびの収量・品質向上について
 (農業開発総合センター徳之島支場白澤繁清作物研究室長)
春植・夏植・株出栽培において、7月から8月に週21mmのかん水をすることによって収量や品質の向上の効果があることが明らかになった。

(5)かん水によるさとうきびの塩害防止対策について
(農業開発総合センター徳之島支場加治俊幸土壌肥料研究室長)
ア. 葉に付着した塩分濃度は、EC値を測定することで簡易に測定できる。
塩害が発現するEC値は0.2ms/cm以上で、このときの水抽出Na濃度は27ppmであった。
イ. 葉に付着したNa濃度が40ppm程度であれば、24時間以内に10mmのかん水で十分防塩できることが明らかになった。

<病害虫分野>
(1)雄成虫大量誘殺によるハリガネムシ密度低減対策の効果と被害の現状について
(農業開発総合センター大島支場末長博病害虫研究室長)
ア. フェロモントラップを用いたハリガネムシ大量誘殺の防除効果はここ数年頭打ちとなっており、萌芽率は横ばい状態が続いている。
イ. 萌芽した茎でもハリガネムシによると思われる芯枯れが発生している。

(2)沖永良部島に侵入したクロテンオオメンコガの被害実態について
 (農業開発総合センター大島支場末長博病害虫研究室長)
最近、国内の多くの地域で進入害虫であるクロテンオオメンコガの発生が確認。
幼虫は腐植質のものを好み採苗ほに放置されたきび残さにも発生が見られ、本種は沖永良部島全域で蔓延しており、与論島においても夏植ほ場で確認されている。


引き続き、鹿児島県農産園芸課芝敏晃糖業指導監を座長として、「さとうきび増産に向けた取組について」を議題としたシンポジウムが行われた。シンポジウムでは、始めに各発表者から話題提供が行われた後、面積拡大、単収向上、病害虫防除等の対策や、受託組織作りの進め方や問題点等について、出席者による活発な討議が行われた。
なお、各発表者からの話題提供の内容は次のとおりである。

(1)中種子町のさとうきび増産の取組について
(中種子町農林水産課松原孝三郎課長)
ア. 面積増加対策として、増反推進日の設置や増反取組推進チラシの配布、農地流動化や担い手農家への農地集積、プランター導入の推進、受託組織の育成等。
イ. 単収向上・品質向上対策として、品種の組合せによる単収・品質向上、マルチの推進、農業機械導入の推進、土壌・土層改良の実施。

(2)宇宿地区さとうきび管理組合設立並びに増産に対する工場としての取組について
(富国製糖株式会社奄美事業所中山正芳農務部長)
ア. 組合の概要、作業受委託の内容や流れ、組合設立に向けた話し合い経過。
イ. 工場の取組として、2月と3月に計15日間工場を休止し春植・株出管理推進日をここ数年設定。

(3)女性の農業への取組
(喜界町の女性農業経営士栄和子女氏)
自身のさとうきびと生産牛の複合経営や農業活動を通して、女性も職業として夢と希望を持って農業に取り組めること。

(4)新制度に向けたさとうきび部会設立について
(JAあまみ天城事業本部永田一司糖業農政課長)
新たな担い手の掘り起こしや、部会の年間計画の策定、全ての農家の部会への参加、認定農家の誘導への取組。

(5)魅力あるさとうきび作りを目指して
(和泊町仁志さとうきび生産組合有川健志代表)
自身の経営状況、さとうきび専業に切り替えてからの経過、現在さとうきび作りを積極的に取り組んでいること。また、今後の経営方向等。

(6)与論町那間集落における集落営農推進活動について
(沖永良部農業改良普及センター与論駐在森和之技術主査)
単収向上、防風施設・防風林の整備、集落内受託組織の充実といった課題の対策についての検討状況、新制度に対応するため設立した受託組織やその運営の話し合い活動等。

2日目
鹿児島県農業開発総合センター鮫島國親副所長の挨拶の後、鹿児島県農業開発総合センター露重美義園芸作物部長を座長として、育種・品種、栽培、土壌肥料、農業機械、バイオテクノロジー分野から順に前日に引き続いて研究成果発表が行われた。その主な内容は次のとおりである。

<育種・品種分野>
(1) さとうきび育種経過概要・南西諸島の低収量地域でも株出し多収性を発現するさとうきび品種の育成について
(九州沖縄農業研究センター)
ア. 各系統の地域適応性や生育概況、生産力、主要特性等の発表。
イ. さとうきび種属間交雑系統を用いた不良環境に適応性の高い高品質多収飼料生産技術の開発。
ウ. 粗飼料の安定多収生産技術の開発を目的とした種属間交雑により作出した株再生力の高い極多収性さとうきびから飼料用栽培特性の優れる系統の選定、多回収穫の栽培条件、やせ地等での安定生産のための栽培条件の解明、適応性の高い粗飼料の低コスト、高品質、安定多収生産技術の開発。
エ. さとうきび優良品種・系統が南西諸島の低収量地域で発現する生理・生態的特性の解明。多収性や萌芽性、不良環境適応性のメカニズム、南西諸島のさとうきび栽培の現状、低温萌芽性に差異がある品種、系統群について収穫直前のさとうきび地上部、地下部の特性等。

<栽培分野>
(1) 品種特性や地域に適応した栽培体系の開発において、NiF8とNiTn18の植付け時期を変えた場合の生育、収量、品質やマルチの有無が収量、品質に及ぼす影響等について
(農業開発総合センター熊毛支場)

(2) 品種特性を利用したサトウキビ長期高品質安定生産技術の確立について
(農業開発総合センター徳之島支場)
ア. 登熟特性とその品種間格差、刈置による品質劣化の品種特性や劣化と気象要因との関係等。
イ. 機械化によるさとうきび適期作業体系の確立。
ウ. 収穫時期や株出管理時期の違いが株出萌芽、生育、収量に及ぼす影響等。

<土壌肥料分野>
(1)Ni17、NiF8の最適施肥量の解明において、窒素施用量の増加削減が収量、品質へ及ぼす効果、影響等について
(農業開発総合センター徳之島支場)

(2)奄美地域のさとうきび収量漸減に対する土壌肥料的要因・収量の推移、家畜糞投入可能量等について
(農業開発総合センター徳之島支場)

<農業機械分野>
(1)ケーンハーベスタに関する試験において、ケーンハーベスタを利用した調苗時の芽子の機械的損傷調査やトラッシュ率、原料損失率等について
(農業開発総合センター徳之島支場)

<バイオテクノロジー関係>
(1) サトウキビの有用変異体作出に適するイオンビーム線量において、イオンビーム照射による変異誘発によって毛群の少ない優良系統を作出する目的におけるNi17の有用変異体作出に適するイオンビーム線量について
(鹿児島県バイオテクノロジー研究所)
(2)収穫作業等時に問題のあるNi17の変異誘発による葉鞘部分にある毛群の除去優良系統の開発において、当該品種の特性を失わずに毛群だけを除去した優良系統の開発について
 (農業開発総合センター徳之島支場)

 このように研究成果発表会は、発表者の内容やその結果に係る討議において中身の濃い充実した内容であった。また、各研究成果や課題等について、県内の産官学が一体となって取り組み、幅広く活用できるようになることによって、一層のさとうきびの増産や安定的生産、単収の増加、高品質化に資することを期待したい。


さとうきび研究成果発表会の様子
シンポジウムでの討議の様子

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「徳之島さとうきび生産振興大会」の開催について

 平成18年7月16日(日)、鹿児島県天城町の天城町立天城小学校体育館において、徳之島さとうきび生産対策本部および南西糖業株式会社の共催により、さとうきび作りをめぐる厳しい状況の中、一層の生産振興に資するため、「徳之島さとうきび生産振興大会」が開催された。
 当日は2部構成で行われ、島内のさとうきび農家を中心に約750名が参加した。
 先ず、第1部のさとうきび生産振興大会は、開会に当たり徳之島さとうきび生産対策本部長の大久保明伊仙町長から、生産者や関係者に向けた激励の挨拶があった。
 続いて、鹿児島県大島支庁の大平和己農林課長から徳之島のさとうきび情勢報告が行われた後、次のとおり優秀農家の表彰が行われた。

地 区 別 優 秀 農 家 表 彰 者 
氏 名
地 区 名
表 彰 事 由
井上 章司 徳之島町 早期植付、早期管理作業
松山 憲司 徳之島町 適期肥培管理による高単収
壽 武雄 徳之島町 手刈り収穫による高単収
直林 浩仁 天城町 単収向上
大蔵 幸児 天城町 株出管理
盛島 義則 天城町 地域貢献者
伊藤 福三 伊仙町 手刈り収穫による高単収
西 吉秀 伊仙町 生産振興功労
荻田 博一 伊仙町 作付面積拡大


 表彰式後、鹿児島県農業協同組合中央会の前田英文農政部長からさとうきびの新制度について政策支援対象農家の要件や生産者交付金等の説明を中心に講演が行われた。
 最後に、徳之島町亀津のさとうきび生産農家平田哲男氏の発声により、WTO農業交渉に関する特別決議と次の大会スローガンの唱和が行われた後、徳之島さとうきび生産対策副本部長の吉岡光一天城町長の閉会の挨拶をもって、さとうきび生産振興大会が終了した。

大会スローガン
夏植の植付けで、さとうきびの面積を拡大しよう。
さとうきびの増産で経済の活性化を図ろう。
徳之島の生命、さとうきびを守ろう。
夏植目標面積800haを達成しよう。

 第2部の製糖終了感謝デーは、開会に当たり勝重蔵徳之島町長、JAあまみ天城事業本部鶴田和枝専務理事、JAあまみ徳之島事業本部永吉浩次専務理事の3氏より順に挨拶があり、最後に、南西糖業株式会社近藤征男代表取締役社長より今期製糖経過報告があった。
その後、バンド演奏、島口漫談、民謡等の余興が行われるなど盛況であった。そして、南大島農業共済組合の叶福次郎組合長理事の発声による万歳三唱をもって閉会となった。
 この大会が契機となり、さとうきびの収穫面積や生産量の拡大、地域経済の発展につながることを願う。
なお、当大会に参加した農家の方全員に、当機構作製のパンフレット「日本のさとうきび品種」と「栽培の基本技術」が配布された。これらパンフレットが今後のさとうきび増産や品質向上に資することを期待したい。(杉山)

さとうきび生産振興対策会議の模様.

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