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地域だより[1999年7月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[1999年7月]
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○平成10年産てん菜及びてん菜糖生産実績

 平成10年産のてん菜糖の製造が5月27日をもって全て終了した。平成10年産のてん菜については、昨年4月、5月が好天に恵まれ、植付けが例年になく早く行われ初期生育も極めて順調であったこと等から、定植直後の一部地域での凍霜害や風害、また、8月下旬からの集中豪雨による湿害等があったものの、全般的に根部は順調に生育し、ヘクタール当たり平均収量は59.49トンと過去最高を記録した。
 しかし、9月以降の登熟期における度重なる台風や豪雨並びに気象条件及び褐斑病等病害の発生により糖分の低下が著しく、平均糖度は16.6度と9年産より1.0度下回り、糖分取引に移行した61年産以降3番目に低い結果となった。
 製糖は道内8ヵ所の製糖工場で平成10年10月16日から21日にかけて順次開始されたが、原料のてん菜が多かったことから例年よりかなり遅い製糖終了となった。
 てん菜糖の生産量は67万9,829トンと平成3年産に次ぐ史上2番目の記録となった。

平成10年産てん菜及びてん菜糖生産実績
平成10年産てん菜及びてん菜糖生産実績
資料:北海道農政部

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東京事務所



○第4回国際食品素材/添加物展・会議(ifia JAPAN '99)の開催

 6月2日(水)から4日(金)の間、東京ビックサイト国際展示場において第4回国際食品素材添加物展・会議(ifia JAPAN '99)が開催された(主催 食品化学新聞社)。このイベントは、「明日の食を創造する技術者の祭典」をテーマに、世界の食品素材や添加物のメーカー・サプライヤーが一堂に会する国際的技術の交流の場として、展示会と国際会議・セミナーが行われた。今回は、「グローバルな視点から食の未来へアプローチ」をキャッチフレーズとして、国内外220社が出展し、3日間の来場者は約1万9千人であった。
 展示物の全般的傾向は、健康志向の流れからダイエット、低カロリー、ノンファット、ノンコレステロール、ダイエタリーファイバー等の機能素材を応用したものが多かった。甘味料としては、高甘味度甘味料、糖アルコール、オリゴ糖、砂糖の誘導体等が展示されていたが、中でもオリゴ糖は、精製糖会社の他、ビール会社、乳業会社等様々な業界から出展されていた。
 また、糖業関係者の甘味以外のものとしては、水溶性ルチン(酸化防止剤・着色料)、水溶性ヘスペリジン(強化剤)、カテキン(抗酸化物質)、ペプチド(ミノ酸結合体)等が出展されていた。
 展示物は最先端の食品素材や添加物であり、展示会はその情報を世界に発進し交流する情報の媒体となっていた。

食品素材/添加物展における甘味料の出展物
塩水港精糖(株) オリゴ糖、サイクロデキストリン
東洋精糖(株) 酵素処理ルチン、酵素処理ステビア等
池田糖化工業(株) カラメル製品、ステビア製品
上野製薬(株) 糖アルコール類、砂糖調製品
キリンビール(株) オリゴ糖
研光通商(株) 微結晶セルロース
三栄源エフ・エフ・アイ(株) セルロース系多糖類
ステビア工業会 ステビア、甘味料関連製品
セレスタージャパン(株) エリスリトール、マンニトール、キシリトール
仙波糖化工業(株) カラメル
D.D.WILLAMSON&CO.INC カラメル製品
東和化成工業(株) マルチトール、キシリトール
(株)ニチロ オリゴ糖類
 日研化学(株) エリスリトール、キシリトール、ラクチトール他
(財)日本健康・栄養食品協会 オリゴ糖類、糖アルコール類
日本食品化工(株) オリゴ糖
(株)林原商事 高純度含水結晶トレハロース、マルトース他
ピューラック・ジャパン(株) ラクチトール
マリン・サイエンス(株) オリゴ糖
三井物産(株)精密化学品部 オリゴ糖類
三菱化学フーズ(株) エリスリトール
明治製菓(株) オリゴ糖
森永乳業(株) ラクトフェリン、ラクチュロース、オリゴ糖

○ジャパン・ケーキ・グランプリ'99の開催

 6月9日(水)から10日(木)までの2日間、東京有明のビックサイトにおいて「ジャパン・ケーキ・グランプリ'99」が社団法人日本洋菓子協会連合会の主催により開催された。これは、'99国際食品工業展(FOOMA JAPAN '99)のイベントのひとつとして行われたもので、昨年、同工業展が開催50周年であったため、それを記念して初めて行われ、今年で2回目となる。
作品の審査
 このコンテストでは、多くの人々に普段見ることのできない工芸菓子の製作の様子を見てもらい、よりいっそうケーキに対する認識を高めてもらうために公開で行われた。
 また、日本の菓子職人の技術向上を図るため優勝者は、フランスで数あるコンクールのなかで若手菓子職人の登竜門である「シャルル・プルースト・コンクール」への連合会代表として派遣されることになっている。
 当日は、事前の審査により選出された5名の菓子職人がアントルメ(菓子、デザート)とピエスモンテ(大型工芸菓子)の製作を通じ、味と芸術性の両面から競い合い、その様子は観客を魅了していた。特に、ピエスモンテの製作ではアメを巧みに使い、花やリボンなどを一見本物と見違えるほどのケーキ作りは、まさに芸術であることを痛感させられるものであった。
 審査の結果、優勝者はアントルメとピエスモンテのバランスが最も優れていた東京製菓学校教師の中川二郎氏に決まった。
 最後にアントルメの試食が行われ、会場は、ケーキの甘い香りに誘われた大勢の女性客で賑わった。

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○第7回中津川菓子まつり〜工芸菓子 「華燭(かしょく)の典」 を展示〜

 中津川市は、岐阜県南東部、木曽川沿いに位置し、中山道の宿場町として栄えた人口約5万6千人の街である。もともと中津川は菓子処として知られており、なかでも栗きんとんは全国的にも有名である。
 5月22日(土)、23日(日)の2日間、中津川菓子組合主催による同まつりが、岐阜県中津川市の中津川コミュニティセンターにおいて開催された。当日は、約7万人が訪れ、菓子組合による銘菓即売会の売り上げは1,800万円にも達し大盛況となった。菓子まつりは、中津川の菓子を広く一般の人々に知ってもらい町の活性化を図るため、市制35周年を機に昭和62年から1年おきに開催されている。当初は、銘菓の即売会を中心に行っていたが、平成7年の第5回開催から菓子まつりの目玉となる工芸菓子の展示を行うようになった。
 今回の工芸菓子のテーマは「華燭の典」で50種類の赤、白、黄色のバラ約330本がブーケ22束、花瓶活け11個として鮮やかにメインステージに飾った。材料となる花びらや葉は全て粉糖(砂糖を細かくしたもの)と寒梅粉(もち米を粉にしたもの)を10対3の割合で混ぜ、霧吹きの水で約40分間よくこね合わせた後、紙のように薄く延ばし、色付けしてから型抜きしたものである。製作には市内の和菓子店の職人22人が協力し、2月5日から190時間をかけて作り上げたものである。完成後、3ヵ月ほど乾燥させ、まつりの当日に展示された。乾燥させると約5年間は保存できるということで、まつりの終了後は、各店の店頭を華やかに飾る予定である。また、中津川菓子組合の田口韶男(よしお)組合長によると「今後も菓子まつりに工芸菓子を展示していきたいが、製作には時間、人手、場所、経費がかかり毎年開催は難しく2年に1度の開催がやっとである。」とのことである。

菓子まつりの様子 菓子で作られたバラなど
菓子まつりの様子 菓子で作られたバラやブーケなど

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福岡事務所



○平成11年度の事業団助成対象事業 「さとうきび安定生産推進事業」 説明会

 社団法人鹿児島県糖業振興協会は、6月3日、徳之島の伊仙町公民館において、平成11事業年度さとうきび安定生産推進事業の現地説明会を開催した。
 当日は、農水省、大島支庁、各町、各農協、製糖会社、事業団らが多数参加した。
 鹿児島県南西諸島および沖縄県は干ばつの多発地帯であることから、さとうきび栽培にとって成長期における水の確保は大変重要な問題となっている。このため同協会は、干ばつの影響を緩和するために、平成11年度の事業団助成対象事業として「さとうきび安定生産推進事業」を実施している。
 この事業は、a)安定生産推進指導事業と b)安定生産条件整備事業の二本立てとなっており、a)の内容は、点滴潅水の励行を徹底するために、農家への意識啓発を図るために、検討会・指導研修会の開催、農家の意向調査、栽培管理の指導を行う(実施主体は糖業振興協会)、b)の内容は水資源を有効活用するための潅水チューブ等をモデル的に整備を行う(実施主体は農協等)ものである。
 今回の説明会は、さとうきび農家に対して同事業の周知を図ることを目的として行なわれたもので、当事業団からは、同事業を始めとした平成11年度砂糖類関係助成対象事業全体の説明を行った。
 干ばつは、農家所得はもとより、各島の経済を左右することから、各町、各農協等の出席者は潅水に対する関心は高く、タンク、ポンプ、フィルター等の補助対象に関する質疑応答、意見交換が活発に行われた。

○'99西日本食品総合機械展・西日本厨房機器展の開催

 5月19日〜21日の3日間、「'99西日本食品総合機械展・西日本厨房機器展」がマリンメツセ福岡において開催された(主催 日刊工業新聞社)。
 出展団体は131団体、3日間の総入場者数は25,747人であった。2000年を目標とした3ヵ年計画で「食環境、21世紀ヘのカウントダウン」をメインテーマに未来の食文化を担う、食環境の整備・構築を目指す展示会として開催されているもので、今年はそのパート2である。展示の内容は、うどん、パン、菓子、惣菜、寿司などの各種製造加工機器をはじめ、甘味料、澱粉などの食品素材、クリーンシステム、情報サービスまで食品に関するあらゆるアイテムが揃っている。
 地元の福岡市菓子協同組合や福岡県洋菓子協会からは和菓子やケーキの展示を行っていた。イベントコーナーでは日替わりで菓子の実演・講習会が行われており、洋菓子のコーナーにおいては、数種類のレシピを用意し参加者に菓子の作り方を教えており、和菓子のコーナーにおいては、菓子製作の実演として博多で生まれた酒饅頭を取り上げ、参加者は身近な菓子のできるまでを熱心に見学していた。その他、特別企画として食品衛生等の面から、O-157、環境ホルモン、HACCP(危害分析重要管理点)システム等に関するセミナーが開催されていた。

展示会正面入口の様子 工芸菓子の展示 和菓子の講演・実演
展示会正面入口の様子 工芸菓子の展示 和菓子(酒饅頭)の講演・実演

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○さとうきび集中脱葉施設の稼働に向けて

 翔南製糖(株)豊見城工場では、平成11砂糖年度からのさとうきび集中脱葉施設の稼働に向けて、その設置作業等の準備が順調に進んでいる。これは、収穫作業の省力化や生産コストの低減を図ることによって、さとうきび農業の振興に資する目的から国及び沖縄県から一部助成を受けて、財団法人沖縄さとうきび振興組合が新たに集中脱葉施設を建設しているもので、前年度に石垣島に設置されたものと同程度の大型規模のものとなっている。
 平成10砂糖年度に同社豊見城工場に搬入されたさとうきびは、16万トン強であるが、手刈り原料が91%(うち、クリーンケーン85%、全茎無脱葉6%)、機械刈り原料が9%となっている。この原料集荷区域の本島中南部地域は、比較的小規模農家が多いこともあって収穫作業等の機械化があまリ進展していない状況にあるが、手刈りによる収穫作業は大変な重労働であるため、収穫時における脱葉作業等の軽減を図る目的から集中脱葉施設が導入されることとなった。
 この集中脱葉施設は、主として全茎無脱葉原料に対処して設計されているが、今後この施設が効率的に運営されて、無脱葉さとうきびの搬入が推進され、その割合が高まることによって、更なる収穫作業の省力化と生産コストの低減が図られることが期待されているところである。
 次に、このさとうきび集中脱葉施設の構造、能力と特徴を簡単に紹介する。
1 構 造
(1)カッター
 さとうきびを30〜50cm程度に裁断
(2)1次風力選別機
 枯葉等の除去
(3)トロンメル(金属製網目の八角形円筒、内側に刃を設置)
 さとうきびをトロンメル内で回転させることにより、茎から葉を剥離、土砂を除去
(4)2次風力選別機
 トロンメルで茎から剥離された葉を除去
(5)3次風力選別機(分級作業)
 比重の重い順に手前に原料茎、中程に梢頭部、遠方に葉が落下して分別され、それぞれベルトコンベアで運搬される構造になっている。(原料茎は製糖ラインヘ)
2 能 力
(1)脱葉能力 1時間当たリ55トン
(2)トラツシュ除去率 70%(目標)
3 特 徴
(1)1次風力選別機で使用された風力は、2次及び3次風力選別機の風力に再利用される。(コスト節減、省エネルギー)
(2)使用済みの風力は、粉塵等を除去した後外気に排出される。(環境対策)
(3)トロンメルの使用によって、脱葉や土砂の除去効率が高まっている。
(4)3次風力選別機によって、自動的に原料茎とトラツシュが分別される。(分級効果)

取材協力 財団法人沖縄さとうきび振興組合
 同組合は、この集中脱葉施設に係る「農業生産体制強化総合推進対策事業」の事業実施主体であり、北中城村以南の市町村、農協、翔南製糖(株)等関係団体が出資して、平成10年8月に設立された。

トロンメルの内部 3次風力選別通過後の分級設備
トロンメルの内部
トロンメルが回転することによって内部の刃で原料茎から葉が剥離される。また網目から土砂が除去される。
3次風力選別通過後の分級設備
左のコンベアに原料茎、中央と右側にトラッシュが分級されてそれぞれ別のラインに移される。

集中脱葉施設の流れ(イメージ図)

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