砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 地域だより > 地域だより[1999年11月]

地域だより[1999年11月]

印刷ページ

最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


地域だより
[1999年11月]
 ●札幌事務所  ●東京事務所  ●名古屋事務所
 ●大阪事務所  ●福岡事務所  ●那覇事務所



札幌事務所



○平成11年産てん菜の作付け及び生産見込み

 平成11年産てん菜糖の製糖が10月14日を皮切りに開始された。
 今年は融雪の遅れと5月上旬の降雨によりてん菜の定植作業が遅れ気味となり、また、5月中旬の低温、日照不足により、初期生育は緩慢であったが、5月中旬から7月中旬にかけて好天に恵まれ、生育は順調に推移した。しかし、7月下旬から8月上旬にかけての大雨とその後の記録的な猛暑により、道央・道南を中心に根腐病(黒根病)が多発、拡大し、生育の停滞が見られた。また、根腐病による糖分減に加え、異常高温は登熱期に入った9月中旬まで続き、10月に入りようやく寒暖差のある気象条件となったものの、糖分の乗りが懸念されるところである。
 北海道農政部の調査によると、平成11年産てん菜作付実測面積は前年とほぼ同じ69,999ha、見込み単収は54.38トン(対前年91.4%)、3,806,500トン(対前年91.4%)の生産が見込まれている。
 また、てん菜栽培農家戸数は11,924戸で前年より389戸減(対前年比96.8%)、1戸当たり平均面積は5.87で前年より0.18ha(対前年比103.2%)拡大している。

平成11年度てん菜生産見込み数量
平成11年度てん菜生産見込み数量

|札幌事務所|東京事務所|名古屋事務所|
|大阪事務所|福岡事務所|那覇事務所|


東京事務所


第3回「栄養とエイジング」国際会議について
'99食品開発展の開催
スプーンクラブ納涼祭─地域社会への取り組み


 第3回「栄養とエイジング」国際会議“長寿を目指す食生活”が、9月21日(火)、22日(水)と2日間にわたり、昭和女子大学グリーンホールにおいて、日本国際生命科学協会主催により開催された。これは、世界一の長寿国となった日本で開く「栄養とエイジング」国際会議として、平成3年から行われてきたものであり、今回も専門分野の研究者間で最新の研究発表やディスカッション等が行われた。
 主な参加者は、日本国際生命科学協会会員で食品関係企業、栄養士、大学関係者、学生及び海外からの同会員等400名あまりが出席したほか、海外からの来賓も多く、国際色豊かな大会であった。
 同会議では、元東北大学学長の西澤潤一氏による「超高齢化社会と科学技術の役割」、元静岡県立大学学長の星猛氏による「健康長寿および健康老死達成の基本的考え方」と題した基調講演が行われ、「加齢と生態諸機能」、「食パターンの変還とエイジング」、「食生活、運動と生活習慣病」、「ヘルスクレームに対する各国の対応」という4つのテーマについて講演やディスカッションが行われた。


 9月28日(火)から30日(木)までの3日間、「'99食品開発展」(主催:健康産業新聞社)が東京ビックサイトにおいて開催された。今回で10回目を数える同展示会は、食品開発に携わる技術者、研究者、開発担当者などの専門家のためにスタートし、食品開発の上で不可欠な最新情報を提供する重要な展示会として位置づけられている。出展社数は国内外合わせ230社、3日間の来場者は約3万9千人であった。
 今回は規制緩和や食品産業に大転換を迫る栄養所要量の改定をテーマに新たな食品開発の方向性を提案するものとなっており、健康志向分野への取り組みが大きなキーワードとされていた。
 その中で甘味料については、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールなどの代替甘味料の出展が数多く見受けられ、砂糖業界等からは下記の甘味料が出展されていた。

食品開発展における主な甘味料の出展物
塩水港精糖(株) オリゴのおかげ、乳果オリゴ糖、ラクトスクロース
日新製糖(株) カップオリゴ、きび砂糖、カルシウム糖
三井製糖(株) パラチニット
大日本明治製糖(株) オーガニックシュガー、キヌア、ギムネマ
(株)林原商事 トレハロース
セレスタージャパン(株) エリスリトール
日本製紙(株) ステビア


 9月28日(火)、三井製糖(株)と同社の子会社であるサントーサービス(株)の社員の親睦組織であるスプーンクラブの主催による納涼祭が、東京都港区芝浦にある三井製糖(株)東部工場内で開催された。この納涼祭は、昭和50年頃から工場周辺に集合住宅等が建ち並んだため、近隣住民の工場への理解や親睦を図ることを目的に毎年実施されいるもので、例年8月中旬に行われているが、今年は工場操業の都合によりこの日の開催となった。
 上野榮枝社長と上田肇東部工場長のあいさつで始まった納涼祭は、同社が用意したポップコーン、綿飴、ゲーム等の多彩な模擬店や同社が寄贈した大太鼓などによる子供達による熱演で大いに盛り上がっていた。
 近隣住民の多くの参加と、それを迎えるスプーンクラブの入念な準備等をみると、両者の間には長期間にわたり良好な関係が築き上げられていることが感じられた。

|札幌事務所|東京事務所|名古屋事務所|
|大阪事務所|福岡事務所|那覇事務所|


名古屋事務所



○小牧市にさとうきび発見

 愛知県小牧市にさとうきびを栽培している人がいると聞いたので、訪ねてみることにした。
 場所は、名神小牧I.Cにほど近い「入鹿出新田(いるかでしんでん)」という畑地と工場の多いところで、ここでさとうきびの栽培をしているのは林和男さん(55歳)。畑に案内されると随分と丈が高く、茎の太い立派なさとうきびが1列に30株ほど生い茂っていた。1株当たりの茎数は8本から10本位あり、沖縄や南西諸島でみるさとうきびと同じように感じられた。この辺りで昔作られていたさとうきびは、茎が細く、丈の低いもっと小振りな品種で、糖度は低く、昭和30年頃には絶えてしまったという。現在、栽培しているのは、静岡県小笠郡大須賀町から苗(元は沖縄から持ってきたさとうきび)をもらって植え付けたもので、糖度は16.5度程あるという。
 林さんの本業はサラリーマンで、土曜、日曜などの休日に趣味として農作業に取り組んでいる。10ほどの畑には、さとうきびの他にこんにゃく、じねんじょ、きょういも、いちじく、さくらんぼ、ブルーベリーなど色々な作物が植えられており、木炭まで作っているのには驚かされた。一生懸命作った旬の農作物を家族で食べたり、人にあげて喜んでもらえるのが楽しみという。さとうきびについては、必要な道具や機械をすべて揃え、昨年までさとうきびを機械で搾り、搾った汁を鍋で煮詰めて砂糖(この辺りでは地砂糖と呼んでいる。)を作っていたが、今年は砂糖は作らないで、収穫したさとうきびを短く切って同市の秋のイベントに出品する予定で、多くの市民にさとうきびをかじってもらうことにしている。林さんには子供の頃におやつ代わりにさとうきびをかじっていた思い出があり、さとうきびが大好きということから、この土地でさとうきびの栽培を復活させようと思ったそうである。
 愛知県や三重県でさとうきびを栽培し、砂糖を作っていたということから、郷土史等を調べてみたところ、次のような記事が見つかった。
 愛知県の特用作物の生産状況に「糖用類に甘庶。」との記載があり、大正14年では作付け面積は156.1町(155ha)、収穫高は1,203,600貫(4,514t)となっている(昭和4年1月発行『愛知の農業』より)。
 また、一宮市の篤農家は、「砂糖黍は砂糖は砂糖を作る原料であるが、昔おやつのない時は咬む丈けで、稲刈りの時など5、6本持って行き、小休止の時に咬んだ。又学校の校内運動会などにおやつ代りとして咬み、翌日皮の掃除が大変だった事を覚えている。終戦過ぎ砂糖が豊富に出廻るようになってからは作らなくなった。」と書いている(昭和54年3月発行『百姓 土と共に70年』より)。
 林さんの話では、ある程度の量のさとうきびを持っていけば大須賀町で砂糖にしてくれるという。大須賀町で製造された砂糖は期間限定で販売されており、この砂糖は煮詰める段階で徹底的にあく取りをするので、黒砂糖とは一味違う上品な甘さがあり、お年寄りには、抹茶のお茶受けとして好まれているという。(大須賀町では、昭和63年の「ふるさと創生」事業の一環として、さとうきびの栽培、砂糖の製造に取り組んでおり、年間10tの砂糖を作っている。)

林和男さんと生い茂ったさとうきび
林和男さんと生い茂ったさとうきび

さとうきびと地砂糖
さとうきびと地砂糖


|札幌事務所|東京事務所|名古屋事務所|
|大阪事務所|福岡事務所|那覇事務所|


大阪事務所



○第37回外食産業フェアの開催

 9月8日(水)から10日(金)の3日間、大阪市住之江区南港にあるインテックス大阪3号館において「第37回外食産業フェア」が開催された(社団法人日本外食品卸協会主催、農林水産省他後援)。
 「外食産業フェア」は、昭和54年に第1回を開催して以来、毎年2回、主に東京都と大阪市で開催されている。当フェアは、外食産業発展のため、食に関する情報提供、情報交換を行う場として展示会を開催している。
 今回の催しは「多彩な料理は、いい食材から」をテーマに、外食産業、食品メーカー・商社、食品流通業者等が99社一堂に会して行われ、3日間の総入場者数は、34,503人であった。
 砂糖業界からは、10年前からフランスの業務用調理済冷凍食品企業と提携している。日新製糖(14)が調理済みの冷凍パスタ等、業務用冷凍食品を出展し、試食をする人でにぎわっていた。
 同社は、東京で開催されたフェアに出展したところ、好評を得たので、今回のフェアにも出展することとなったということである。

日新製糖(株)の展示ブース
日新製糖(株)の展示ブース

|札幌事務所|東京事務所|名古屋事務所|
|大阪事務所|福岡事務所|那覇事務所|


福岡事務所


鹿児島県南西諸島における農産物粗生産額について(その2)
台風18号によるさとうきび被害状況(鹿児島県)



 鹿児島県南西諸島におけるさとうきびの生産額は農産物粗生産額全体の4分の1以上を占め、2位以下を大きく引き離している。
 表は、種子島、奄美大島、喜界島の3島における平成5年から平成9年までの5年間をまとめたものである。種子島は、1市2町からなっており、さとうきびが平成5年を除いて1位を占めており、さとうきび以外では、かんしょ、肉用牛、米がほぼ同程度の生産額となっている。その中でもかんしょの生産額が安定し、ほとんどがでん粉工場に搬入されている。奄美大島は1市3町3村からなっており、島の大きさの割には農産物の生産額は多くない。さとうきびは主に島の北側に位置している笠利町で生産されており、どの年も1位を占めている。2位以下にはたんかん、豚、鉢物類が上位に見られるが、その他の割合も多く、農産物は幅広く生産されている。喜界島は1島1町であり、さとうきびの生産額は農業全体のほぼ3分の2近くを占めてさとうきびの町といっても過言ではない。さとうきび以外では、同島の農産物粗生産額全体に占める割合は小さいが、きくの生産額がここ数年伸びてきている。

表:島別農産物粗生産順位表
(1) 種子島 単位:100万円
  順位
暦年  
1 2 3 4 5    
平成5年 かんしょ さとうきび 肉用牛 米 葉たばこ その他 計
2,366 2,214 2,038 2,013 1,409 4,464 14,504
平成6年 さとうきび かんしょ 米 肉用牛 葉たばこ その他 計
3,496 3,252 2,802 2,026 1,383 4,562 17,521
平成7年 さとうきび かんしょ 米 肉用牛 葉たばこ その他 計
3,029 2,502 2,300 2,111 1,311 4,389 15,642
平成8年 さとうきび 米 肉用牛 かんしょ 葉たばこ その他 計
2,916 2,351 2,084 2,074 1,365 3,885 14,675
平成9年 さとうきび かんしょ 米 肉用牛 葉たばこ その他 計
3,364 2,515 2,247 2,013 1,417 4,411 15,967

(2) 奄美大島 単位:100万円
  順位
暦年  
1 2 3 4 5    
平成5年 さとうきび 豚 たんかん バナナ 肉用牛 その他 計
613 392 390 356 161 2,555 4,467
平成6年 さとうきび たんかん バナナ 豚 ポンカン その他 計
588 315 270 245 173 2,668 4,259
平成7年 さとうきび たんかん バナナ 鉢物類 豚 その他 計
665 370 291 227 187 2,907 4,647
平成8年 さとうきび たんかん 鉢物類 肉用牛 ポンカン その他 計
620 268 225 208 189 2,718 4,228
平成9年 さとうきび 鉢物類 たんかん ポンカン 肉用牛 その他 計
678 456 363 222 169 2,212 4,100

(3) 喜界島 単位:100万円
  順位
暦年  
1 2 3 4 5    
平成5年 さとうきび 肉用牛 きく 露地メロン バナナ その他 計
1,625 175 148 117 43 400 2,508
平成6年 さとうきび 肉用牛 きく 露地メロン バナナ その他 計
1,521 177 154 54 42 375 2,323
平成7年 さとうきび 肉用牛 きく 露地メロン そらまめ その他 計
1,633 202 152 116 49 403 2,555
平成8年 さとうきび 肉用牛 きく 露地メロン そらまめ その他 計
1,529 213 190 109 43 387 2,471
平成9年 さとうきび きく 肉用牛 露地メロン そらまめ その他 計
1,538 224 220 88 32 292 2,394



 大型で非常に強い台風18号は、9月22日夜から23日にかけて鹿児島県南西諸島を暴風域に巻き込みながら東シナ海を北上し、九州北部に向かった。同地域における台風18号によるさとうきびの被害は倒伏や葉部損傷などに留まらず、登熱の遅れや製糖期の歩留まり低下が心配されている。
表は各島におけるさとうきびの被害状況である。

表:台風18号による被害状況
表:台風18号による被害状況

|札幌事務所|東京事務所|名古屋事務所|
|大阪事務所|福岡事務所|那覇事務所|


那覇事務所


平成11年事業年度製糖歩留り・品質向上技術開発に関する検討会(第1回)の開催
台風18号によるさとうきび被害状況(沖縄県)


 9月17日(金)に那覇市の自治会館において、(財)日本食品分析センター主催の平成11年度製糖歩留り・品質向上技術開発に関する検討会(第1回)が開催され、沖縄県、鹿児島県、製糖業者、糖業関係団体及び有識者等の関係者多数が出席した。
 これは同センターが実施している「平成11事業年度甘しゃ糖低コスト製造技術開発事業」の一環として開催されたものであり、平成11年度は、さとうきび収穫後における転化酵素の経時変化の分析を行うとともに、甘しゃ糖製造工程における歩留り低下及び品質劣化の要因と考えられる非糖成分(しょ糖の結晶化阻害物質等)の分析等を行うことにより甘しゃ糖の製造コストの低減を図ることを目的としている。全体計画の概要は次のとおりである。

製糖歩留り・品質向上技術開発に関する全体計画(概要)
1.さとうきび収穫後の搾汁液成分変化の調査
 さとうきびの茎部を恒温器内で保存し、搾汁液について成分分析・調査を行う。
2.廃糖蜜の成分調査
 結晶化阻害物質を検索する目的で、廃糖蜜中に多く含まれるであろう多糖類を分析する。
3.多糖類の検索
(1) 微生物が生成する多糖類の調査・研究
 平成10年度にさとうきび等から分離された粘性物質生産能を有する微生物を培養し、得られた粘性物質の成分の検索を行う。
(2) 製造工程中の多糖類の動態調査・研究
 混合汁、シラップ及び工程に混在する不溶性物質(スライム)中に含まれる多糖類の成分の検索を試みる。
4.非糖分の除去
(1) 混合汁の清澄化に関する検討
 清澄工程での多糖類等の沈殿化について検討する。実験室で調製した搾汁液を用い、石灰処理を行う際に、多糖類等の除去に有効と考えられる物質を石灰と一緒に加えて処理し、その添加効果を調べる。
(2) 製糖実験
 実験室レベルでの製糖実験により、非糖成分の結晶化阻害等について検討する。
5.酵素処理に関する検討
 種々の酵素を用いて搾汁液、シラップ、2番糖蜜の粘性に関する調査を行う。


 9月19日に那覇市の南460kmの海上で発生したごく小型の弱い台風18号は、20日から21日にかけて宮古島の南海上で停滞して発達し大型の強い台風となった。22日には更に勢力を強め大型の非常に強い台風となって、渡名喜島と粟国島が台風の目に入る形で沖縄本島と久米島の間をゆっくりと北上した。このため、9月20日から22日にかけて沖縄県の広い地域が暴風域に入り、県内各地でさとうきびをはじめ農作物に大きな被害をもたらした。
 沖縄県農林水産部が台風18号によるさとうきびの被害状況を調査(9月24日現在・速報値)したところによると、台風被害による沖縄県のさとうきびの減収量は、37千トンと8月1日現在における生産見込み数量940千トン(沖縄県農林水産部調査)の約4%の減収が見込まれている。地域別には、被害の少なかった南北大東島を除いて県内の広い地域が被害を受けており、とりわけ台風18号の進路となった沖縄本島、久米島、伊江島、伊是名島等の被害が大きいものと見込まれている。
 さとうきびは、9月中旬頃からしだいに糖分を蓄積する登熱期へと移って行くが、台風18号がもたらした被害は、さとうきびの倒伏や折損、葉の損傷等があり、さらに塩害等による葉の枯死も予想されたことから、品質の低下が懸念されるところである。
 一方、台風18号が通過して1ヵ月近くが経過した10月なかばの状況は、多くの糖業関係者の見方によれば、一部久米島等の回復は思わしくないものの、他の地域は塩害による被害の程度は小さようであり、損傷した葉の下から新しい葉が出てくるなど概ね順調に回復に向かっているとのことであり、今後の更なる回復が期待されている。

台風18号の気象情報メモ
●9月22日に那覇で記録した最大瞬間風速58.9m/sは、那覇での歴代第3位
●9月22日に那覇で記録した日降水量411.5mmは、那覇での歴代第3位

|札幌事務所|東京事務所|名古屋事務所|
|大阪事務所|福岡事務所|那覇事務所|



BACK ISSUES
「地域だより」インデックスへ


砂糖のトップへ|ALICのページへ|