[2002年9月]
最近、砂糖の使用量は減少傾向にあり、その要因の1つとして、消費者の砂糖に対する誤解などによる甘味離れが考えられています。平成11年9月に 「新たな甘味資源作物政策大綱」 が策定され、その中でも砂糖に対する誤解を払拭し、砂糖の需要の維持・拡大を図ることが重要な課題とされています。こうした中、消費者が砂糖に対して抱いている意識を年齢別に広く把握し、砂糖消費量減少の原因は、砂糖に対するマイナスイメージ(虫歯や肥満の原因など)や低甘味嗜好によるものか、外食等の増加や食事の洋風化に伴う食生活の変化によるものかを調査し、今後の消費拡大に向けた取り組みの参考とすることを目的に、平成13年度事業として消費科学連合会に委託して実施しました。
全国の消費科学連合会会員及び同協力員から無作為に抽出した1500人(有効回答数1,330人)を対象とし、そのうち女性が89.9%を占めています。以下その結果を抜粋して報告します。
(1) 回答者の性別および年代
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男 性 |
女 性 |
合 計 |
構成比 (%) |
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上 |
1
45
42
20
17
36
|
26
91
194
155
244
459
|
27
136
236
175
261
495
|
2.0
10.2
17.7
13.2
19.6
37.3
|
合 計 |
161 |
1,169 |
1,330 |
100 |
構成比 (%) |
12.1 |
87.9 |
100 |
|
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(2) 回答者の年代別家族構成
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1人 |
2人 |
3人 |
4人 |
5人 |
合計 |
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上 |
0
30
20
5
11
50
|
1
20
28
8
66
240
|
4
25
60
30
69
115
|
6
32
68
72
77
33
|
16
29
60
60
38
57
|
27
136
236
175
261
495
|
合 計 |
116 |
363 |
303 |
288 |
260 |
1330 |
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(3) アンケート調査結果
問1.あなたの食生活の変化について(5年前と比較して)。
「朝食を抜くようになった」が、全体で10.1%の回答であった。年代別にみると10代で22.2%、20代では39.0%と若い年代が高い割合であることがわかる。
さらに外食が多くなったかとの問に対しても、それぞれ51.9%、63.2%の方がイエスと回答している。特に夕食を外食で済ます割合が若い年代ほど多くなっている。また朝食を外食で済ます人の回答はすべての年代で低い。
また全体で5割近い人たちがデザートが増えたと回答している。しかしながら、甘いもの(手作り・既製品)が増えたと答えた人は3割程度である。年代別では甘いもの(既製品)が増えている人は10代から40代までの人に多く見られる。
また、和食から洋食へと移る人も2割を超えている。
表1 あなたの食生活の変化について(5年前と比較して)。 (複数回答) |
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注) 中食:レストランなどへ出かけて食事をする「外食」と家庭での手作り料理を「内食」の中間に相当するという意味を込めて、持ち帰り弁当、調理済み食品・惣菜など製造、販売する企業が自らの仕事を新しいジャンルとして呼んだ名称で “なかしょく” と読む。 |
問2.食事と健康の関係についてどのように考えていますか。
「食事は健康の基本」 「3食を規則正しく取ることが健康につながる」 といった回答がほとんどの回答者から得られており、食事の健康に対する重要性は認識されていると思われる。
10代の外食や中食は「栄養バランスが悪い」(63.0%)と思いながら、だからといって 「家庭料理が優れている」(22.2%)と思っている人が少ない。
また、家庭料理は栄養的に優れていると考えている人は年代が上がるほど高い割合である。
表2 食事と健康の関係についてどのように考えていますか。 (複数回答) |
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問3.栄養バランスを考え心がけていることがありますか。
「食材を偏らせない」(71.3%)を心がけている人がかなり多く、次いで主食をご飯にする、ビタミン・ミネラルを摂取できるように心すると続いている。
表3 栄養バランスを考え心がけていることがありますか。 (複数回答) |
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問4.間食(おやつ)についてどのように考えていますか。
「適度な糖分は脳の活性化を促す」 「身体的、精神的疲れを癒すもの」 といったプラスの効果の回答も多かったことから、間食(おやつ)に甘いものを出す意味は十分に理解されているように思われる。しかし次の問5で、「おやつに甘いものを用意する」 と答えた人は、13.1%ほどしかいない。
また10代では70.4%の人が 「間食は肥満のもとだ」 と考えているようだ。
表4 間食(おやつ)についてどのように考えていますか (複数回答) |
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問5.間食を用意するとき心掛けていることは何ですか。
小さなお子さんを持っているであろう30代は46.2%の人が、また40代も39.4%の人が 「ルールを決めて」 と回答した。
60代以上の人は 「栄養のバランスを考え手作りする」 が27.1%おり他の年代にはない特徴が見られる。また、10代、30代以上の人は 「甘いものは避けるようにする」 が2番目に多く、意識的に甘いものを避ける傾向も見られる。
表5 間食を用意するとき心掛けていることは何ですか (複数回答) |
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問6.砂糖についてどのようなイメージを持っていますか。
「疲労を回復する効果がある」 「甘いものは気分が和らぐ」 といった項目について6割以上の回答があったが、年代別にみてもまんべんなく高い回答が得られており砂糖のもつ効果は理解されていると思われる。
「砂糖を食べると虫歯になる」、の回答は10代では70.4%もあるように、年代が下がるほど高い割合になってくる。さらに 「砂糖を食べると糖尿病になる」 と回答した人も同様の傾向が出た。
表6 砂糖についてどのようなイメージを持っていますか (複数回答) |
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問7.家庭における砂糖の使用量は5年前と比較して変化があったか。
35.0%が 「減った」 と回答している。特に50代、60代以上でその割合が高い。増えたという回答はわずか8.0%であるが、30代、40代で割合が高くなっている。
表7 家庭における砂糖の使用量は5年前と比較して変化があったか |
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問8.使用量に変化が出た理由
家族数の減少および子供の成長に伴い減少したとしている。またコーヒーや紅茶に砂糖を入れなくなったことも挙げられていた。
増えた理由としては、手作りのお菓子や漬物が増えたことによると回答している。
問9.家庭での購入糖種に変化はあるか。
62.9%の人が 「特に変らない」 と回答しているが、30代以上の人は 「色のついたものに」 糖種が変化している傾向がみられる。
表8 家庭での購入糖種に変化はあるか (複数回答) |
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問11.甘味料としてどんなものを使用していますか。
87.3%の人が砂糖を挙げていた。同様に自然食品と考えられている蜂蜜、メープルシロップ(その他で回答)の回答も多かった。オリゴ糖については全体で19.5%であるが、10代では70.4%と非常に高いが、他の世代では低い。
表10 甘味料としてどんなものを使用していますか (複数回答) |
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