[2004年8月]
当機構では、平成14年度から全国各事務所・出張所において「砂糖と食文化講座」を実施しています。講師の方による講演や砂糖工場の見学などを行い、参加者の方々に少しでも砂糖について理解してもらうことに努めました。また、講演終了後、「砂糖と食文化講座」参加者の方々へアンケートを実施しましたので平成15年度実施アンケート集計結果について紹介します。
企画調整部
1.はじめに
「砂糖と食文化講座」は、消費者等に対し、我が国の食文化の中での砂糖やその原料作物及び砂糖制度等に関する理解を深めてもらうことを趣旨とし、平成14年度から機構事務所主催または各地域の消費者センター等と機構事務所との共催により実施している。平成15年度は、17地域において開催し、参加者は共催団体等の会員及び一般公募による希望者とし、合計で869名の参加があった。講師並びに講演内容は、地域の特性を考慮した上で選定し、砂糖と健康及び砂糖の効用などの正しい知識の普及に即したテーマを選び、会場では、パンフレットの配布、パネル及び砂糖の原料作物であるてん菜、さとうきびの模型の展示を行い、砂糖やその原料作物をより理解しやすく、より身近なものに感じてもらう工夫をした。さらに精糖企業のご協力をいただき砂糖工場の見学なども行い、砂糖がどのようにして作られるかを見学してもらうことにより、「砂糖は漂白している」などといった砂糖に対する誤解を目で見て解くといったことも行った。また、「砂糖と食文化講座」のなかで参加者からの質疑応答により、消費者等の身近な問題や疑問に答えるコーナーも設けた。
講座終了後に参加者へアンケート調査を実施し、ここにアンケート調査の結果を取りまとめたので紹介する。
2.アンケート内容と考察
男 |
15.5% |
109人 |
女 |
84.5% |
592人 |
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10代 |
4.3% |
30人 |
20代 |
6.8% |
48人 |
30代 |
4.7% |
33人 |
40代 |
9.4% |
66人 |
50代 |
23.1% |
162人 |
60代 |
51.6% |
362人 |
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§1 性別 ・ §2 年齢構成
性別は、参加者の85%を女性が占め、参加者は、50歳以上の世代が太宗を占め、うち50歳以上が過半数を占めた。
有効回答率:81%(701/869)
§3 職業
参加者の66パーセントが主婦であった。
§4 以下12の砂糖に関する事項の中で、本講座に参加して「初めて知ったこと」と「以前から知っていたこと」を記入していただいた。(複数回答可)
いずれの設問においても「知っていた」が「初めて知った」を上回り、参加者が砂糖の基本的な知識を理解しているものと考えられる。特に (6) の「即効性のあるエネルギー源で、疲労回復に有効である」については、「知っていた」が「初めて知った」の7倍の約75%、(7) の「砂糖はてん菜やさとうきびを原料とした天然甘味料である」については「知っていた」が「初めて知った」の約5倍の約74%と高い認知度であった。
逆に (5) 及び (12) の設問については「知っていた」と「初めて知った」の割合が比較的接近している。
§5 講演内容について
講師の講演内容について
参加者の85%の方が「わかりやすい」という答えであった。対して「難しい」という方は全体の3で、「どちらでもない」は全体の6%程度であった。
参考度合い
参加者の9割の方が講演の内容が「参考になった」と回答し、「どちらでもない」が5%で、「参考にならない」と回答したのは1%しかなかった。
今後このような砂糖に関する講座があったら参加したいですか?
「砂糖のマイナス面ばかりを信じていたが、今日の講演を聴いて改めて認識不足だと勉強させられた」、「家族が糖尿病なので砂糖や甘いものを控えていたが、それが誤解であることを知った」、「健康と食生活との関係を改め考えさせられた」などそれまで自分の誤った知識を見直す意見が多かった。
3.まとめ
アンケートによる参加者の感想としては、砂糖に対する好意的な声が多く、講演内容については一定の評価が得られたと考える。しかしながら、§4でもとりあげているとおり、砂糖に対する誤解が依然として残っていることは明らかであり、とりわけ「はじめて知った」と「知っていた」の割合が接近している項目については、今後、様々な機会の場において、丁寧でわかりやすく、かつ重点的に消費者の方へ説明していくことが必要であると考える。
また、参加者の年齢層等について偏りが見られたので、今後はさらに幅広い年齢層に対して、砂糖やその原料作物等について消費者等の方々に正しい知識を持ってもらい、理解を深めてもらえるよう努めていきたいと考えている。