[2005年3月]
機構の各事務所に設置されている16年度地域情報モニターへのアンケートを実施しました。その集計結果について紹介します。 |
1.はじめに
地域情報モニターは、各地域において消費者に提供されている砂糖に関連する情報を把握するとともに、消費者の砂糖の購入状況および砂糖に関する消費者の意識などを把握するため、平成13年度から開始した事業で、今年度においては86名の方々にご協力いただいております。具体的調査内容は、意識調査、購入量および購入価格調査、砂糖関連情報調査などをお願いしています。
モニターの構成 |
(1) 年齢
年齢 |
人数 |
構成比 |
30代以下 |
13 |
15.1% |
40代 |
27 |
31.4% |
50代 |
24 |
27.9% |
60代以上 |
22 |
25.6% |
合 計 |
86 |
100.0% |
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(2) 家族
家族構成 |
人数 |
構成比 |
1人 |
5 |
5.8% |
2人 |
23 |
26.7% |
3人 |
22 |
25.6% |
4人 |
25 |
29.1% |
5人 |
7 |
8.1% |
6人以上 |
4 |
4.7% |
合 計 |
86 |
100.0% |
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(3) 職業
職業 |
人数 |
構成比 |
主婦(無職) |
60 |
69.8% |
会社員 |
15 |
17.4% |
その他 |
11 |
12.8% |
合 計 |
86 |
100.0% |
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2.アンケート調査結果
【砂糖の消費量】
問1 |
現在、あなたの家庭での砂糖の年間消費量は年間どのくらいですか? |
平均1家族 8.15kg … |
30kgを超えているのは1家族のみで、昨年度調査の3家族から減少しているが、全体での1家族あたり平均は、昨年度の7.68kgから上昇した。 |
年代別に見てみると、50代以下で大きな差はないが、60代以上で10kgを超えるという結果となった。 |
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問2 |
5年前と比較してあなたの家庭における砂糖の消費量は変化しましたか? |
50代以下では「ほとんど変わらない」という回答が一番多かったが、60代以上において、同回答が14%と昨年度調査の62%から大幅な減少となり、「減った」、または「少し減った」という回答が31%→68%と倍増した。全体で見ると「減った」または「少し減った」という回答は38%→55%、「増えた」または「少し増えた」は16%→14%となり、減少傾向が強くなったといえる。 |
問3 |
問2で「減った」または「少し減った」と答えた方にお聞きします。それはなぜですか?(複数回答) |
「家庭で作る料理やお菓子に入れる砂糖の量が減った」「子供の独立など家族数の減少」という回答が多くみられた。その他の意見として、家族が糖尿病にかかったことなどが挙がった。 |
問4 |
問2で「増えた」または「少し増えた」と答えた方にお聞きします。それはなぜですか? |
「子供の成長とともにお菓子を作るようになった」「家庭でケーキやパンを作る機会が増えた」という意見が多かったが、「砂糖と虫歯に直接の因果関係がないと分かり、料理に砂糖を使うようになった」と回答したモニターもいた。 |
問5 |
あなたの家庭における砂糖消費量は季節によって変化しますか? |
全体で56%の人が、変化するという結果となった。
特に60代以上において変化するという回答が多く、82%という結果となった。 |
問6 |
問5で「変化する」と答えた方にお聞きします。砂糖の消費量が増える時期はいつですか? また、増える要因となる料理などは何ですか? |
50代以下では、圧倒的に「冬場に砂糖の消費量が増える」という回答が多くなった。用途としては、おせち料理、鍋物、すき焼き、ケーキ作りなどが多く挙がっている。また、60代では梅酒、果実酒、シロップ作りのため、夏場に多く使うようだ。地域的特長としては、春に「いかなごの釘煮」を作るという回答が、大阪〜神戸において複数みられたことが挙げられる。 |
【砂糖に対するイメージ】
問7 |
あなたは、砂糖に対してどのようなイメージを持っていますか?(複数回答) |
「砂糖を食べると心が和む」「疲れたときは砂糖の摂取が効果的」という項目は、各年代とも50%以上の人数に認識されている。「砂糖は脳のエネルギー源」という項目は、総合で63%と高目の数字が出ているが、30代以下の年代に限ると39%と低く、若い世代にあまり認識されていないと思われる。また、「砂糖を食べるとキレる」と考える人は全体で1名のみであったが、「砂糖を食べると太る」と思っている人は依然として48%もおり、砂糖についての正しい知識がまだまだ浸透していないことが分かる。 |
問8 |
あなたは、砂糖がさとうきびやてん菜から作られていることをご存知でしたか? |
どの年代も「両方とも知っている」と答えた人が最も多く、全体で71%となった。また「両方とも知らなかった」「てん菜のみ知っていた」と答えた人は、いずれも1%程度と少なかった。 |
【砂糖価格】
問9 |
現在、あなたは砂糖(上白糖)をいくら位で購入していますか? |
全体平均 157円/kg …40代の平均購入価格が最も高いという結果となった。 |
問10 |
あなたは現在の砂糖価格についてどのように思いますか? |
約7割の人が安いと思っている。そのほかの人の意見では「手頃」「普通だと思う」という回答が多く、それ以外だと「特売を見ると安いと思うが、それに慣れると通常価格を高いと思ってしまう」「上白糖は頻繁に特売が行われるのに、三温糖はほとんど特売がないので高いと思う」などの意見があった。 |
問11 |
砂糖の価格が下がればあなたの家庭での砂糖消費量が増えると思いますか? |
ほとんどの人が砂糖の価格が下がっても消費量は変わらないということは、価格の問題ではなく、知られていない機能や用途などを、新たな情報として提供していくことが必要と考えられる。 |
【食生活について】
問12 |
あなたの食生活についてお尋ねします。 |
(1) |
あなたは規則正しい食生活を送っていますか? |
「送っている」と答えた人が、全体で88%に達した。その中でも特に50代では96%とずば抜けて高い数値となった。なお、小数の「その他」には「曜日によって食事の時間帯が変化するが、それはそれなりに規則正しい」という回答も含まれている。 |
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(2) |
問12(1)で「規則正しい食生活を送っていない」と答えた方にお聞きします。その内容または要因を教えて下さい。(複数回答) |
規則正しい食生活をおくっていない人の多くは「食事の時間が不規則」と回答している。 |
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(3) |
今後、あなたの食生活において改善していきたいと思っていることはありますか?(複数回答) |
食塩や脂肪の摂取量を減らしたいという回答が最も多く、次に摂取カロリーに気をつけ過食にならないよう気をつけたい、ごはんを主食として多彩な副食を組み合わせた日本型食生活を心がけたいという回答が多かった。 |
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問13 |
あなたの食生活の内容、形態などは5年前と比較して変わったと思いますか? |
30代以下の人は8割近くの人が「変わった」と思っている。逆に60代以上の人は8割近くの人が「変わらない」と思っている。40〜50代は約半数ずつの回答という結果となった。 |
問14 |
問13で「変わった」と答えた方にお聞きします。どのように変わりましたか?(複数回答) |
変わったと答えた人の多くは、家族揃っての食事が減ったことを挙げている。40〜50代において多く見られるのは、おそらく子供が独立して家族の人数が減ったためと思われる。その他の意見としては、ほとんどが「洋食から和食に変化した」「揚げ物が減って野菜の煮物が増えた」という回答であった。 |
【加糖調製品について】
問15 |
あなたは、加糖調製品をご存知でしたか? |
全体の約65%の人が「知っていた」という回答。そのうち30代以下の人で「知っていた」と回答した人は30%しかいなかった。 |
問16 |
問15で「知っていた」と答えた方にお聞きします。あなたは、どのような加糖調製品をご存知でしたか?(複数回答) |
ココア調製品は全体で約86%、コーヒー調製品、加糖あんは60%以上の人が「知っていた」と回答した。ソルビトール調製品は約20%と認知度は低かった。 |
問17 |
あなたは、国内で製造されるあんの原料として輸入品の小豆やいんげん豆が使用されていることを知っていましたか? |
若い年代ほど知らない傾向が顕著にみられる。 |
問18 |
加糖あんを原材料とする商品には、原材料の原産国について明確に表示をすべきと思われますか? |
全体の78%の人が、原料の原産国を表示すべきと考えていることがわかる。表示しなくても良いと考えている人は1名しかいなかった。 |
【その他】
問19 |
あなたの砂糖に対する日頃の思い、疑問点などについてご自由にお書き下さい。 (健康・料理・糖種・包装形態・容量・表示・その他) |
一度に1kg入りを使い切ることはないので、ジッパー付きの袋にして再保存できるようにするか、または500g入りの袋を作って欲しい。
せめて原料の原産国は袋に表示するべきではないか。
パッケージに一口メモ・レシピなどを添付してほしい。
特売価格を見ると、いったい本当の値段はいくらなのか分からなくなる。
飲料やお菓子類の加工品は、どのくらい使用しているか分かるように表示すべきだ。
砂糖は糖尿病の原因ではないということでしたが、なぜ医者は糖を控えるよう言うのでしょう?個人病院では特に注意するよう指示されますが、医師会などでの指導がなされていないのでしょうか?
適量の摂取は体に良いということを、包装にわかりやすく表示・印刷すれば、少しずつでも消費者の意識に浸透していくと思います。
三温糖に、わざわざカラメルで着色しているものがあるのはショックでした。
砂糖よりダイエット甘味料(羅漢糖、ステビアなど)を買うことが多かったのですが、今後は砂糖本来の力に着目し、日常の食事でも砂糖を摂るようにしたいと思います。
砂糖にもいろいろな種類や使い方があると知った。そういう情報の載ったレシピがあると便利。自分で試してみたいと思うので、種類別に少量の詰め合わせを販売して欲しい。
ジュース類の多さに目をみはりますが、それに含まれている糖類の種類を知ったら、飲みすぎによる害があるのではないでしょうか?国を挙げて「ペットボトル症候群」に対して警告をしてほしいと思います。乳幼児からジュースを飲ませている母親を見ると、子供がかわいそうになります。
店により販売価格が大きく違い、スーパーの特売が一番安いが、品質に違いはあるのだろうか?
一日の摂取量はどのくらいであれば摂りすぎにならないでしょうか?個人差はあると思いますが、ガイドラインのようなものがあれば、と思います。
砂糖は糖分を摂取できる優れた食品だと思います。ただ、飽食の日本で砂糖だけを特別に摂取する必要もないような気もします。
付加価値のついた砂糖の開発をあまり耳にしない。塩には1,000円/kgのものがあるというのに。
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3.まとめ
このアンケートは、砂糖と健康、食生活の中における砂糖の位置付け、砂糖の価格などに関する意識について行った。地域情報モニターはいろいろな年代、家族構成および各地域に存在しており、さまざまな角度から砂糖に対する認識などについて調べることができた。
5年前と比較して砂糖の消費量は落ち込んでいるという回答が多かったが、その原因として甘いものを避ける傾向にあり、家庭で作る料理やお菓子に入れる砂糖の量が減ったという回答が多かった。
また約半数の人が、砂糖を食べると太るというイメージを持っており、その中で30代以下においては7割以上の人がそう感じていることから、特に若年層において、砂糖についての正しい知識が浸透してないように思われる。
しかしながら、砂糖の効用についての回答は誤ったイメージの回答より多いことから、全体的には砂糖について良いイメージを持っている人が多いといえよう。
今回のアンケートによって、砂糖に対して正しい知識が身についたとする地域情報モニターが多数おり、消費者に対する砂糖についての正しい知識の普及という面で一定の効果があったのではないかと考える。