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砂糖類生産流通合理化等助成対象事業について(その2)

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


事業団から
[1999年9月]
 平成9年度から開始された砂糖類助成対象事業は、本年で3年目を迎える。助成対象事業は、「砂糖需要増進事業」、「砂糖生産流通合理化事業」、「甘味資源作物生産流通合理化事業」の3本の柱に分けられる。先月号では、「砂糖需要増進事業」の10年度実施結果及び11年度実施計画の概要について掲載した。今月号では、「砂糖生産流通合理化事業」について紹介する。

農産振興部



【1】 砂糖製造業における環境対策推進事業(補助金額:6千万円)
 1.ライムケーキ再資源化事業   2.ライムケーキ粒状化研究・開発事業
【2】鹿児島県分みつ糖事業者合理化推進事業(補助金額:2億3千万円)
【3】甘しゃ糖低コスト製造技術開発事業(補助金額:6千万円)
 1.製糖歩留り・品質向上技術開発事業   2.製糖工程分業方式技術開発事業
【4】ビート産業将来ビジョン策定事業(補助金額:2千3百万円)
 1.ビート産業等実態調査事業   2.将来ビジョン策定検討会開催事業
【5】砂糖供給構造合理化等推進事業(補助金額:2億5千万円)
 1.構造調整指針策定事業   2.流通合理化推進事業   3.技術開発等推進事業


【1】砂糖製造業における環境対策推進事業
(補助金額:6千万円)

(事業実施主体:社団法人北海道てん菜協会)
 この事業は、てん菜糖8工場の製造工程において発生するライムケーキ年間約28万トンについて、再資源化及び減量化の推進に向けた実地調査及び農地還元の実証事業を行うことにより、農地の生産性向上等を図るとともに、廃棄物の処理に要する経費の縮減に資することを目的とし、9年度からライムケーキ再資源化事業を実施し、10年度にはライムケーキ粒状化研究・開発事業を追加し事業を実施している。その概要は次のとおりである。

1.ライムケーキ再資源化事業

 ライムケーキ散布実演による利用方法の検討、啓蒙を目的とし、散布前後の土壌を測定する等、施用効果の実証及び実態調査を実施するとともに、ライムケーキ専用散布機の整備(9年度:14台、10年度:13台)及び性能確認の実証を目的とした条件整備が行われた。
 なお、11年度においても引き続き実施される予定であり、ライムケーキ専用散布機については10台導入される予定である。

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2.ライムケーキ粒状化研究・開発事業

 ライムケーキを散布しやすくするため、粒状化等、実用化に向けた各種研究開発が次のとおり実施されるとともに、粒状化ライムケーキの作条施用による散布効果調査が池田町において実施され、また、実証展示ほは、道内3ヵ所に設置された。

○ ドラム回転式造粒装置
 ライムケーキを予備乾燥後、造粒乾燥し、粒状化ライムケーキを50トン製造し、既存の肥料散布機械で散布試験を行ったところ良好であった。しかし、この方法で製造したライムケーキは柔らかく粉になりやすいため、粉が散布機械の羽根先に付着し、固化成長して目詰まりの原因となる可能性があった。

○ 回転円盤型造粒装置
 ライムケーキを成型造粒焼成し、粒状化生石灰を2トン製造し、既存の肥料散布機械で散布試験を行ったところ、作条施用が可能なことが明らかになった。

○ サイクロン型乾燥装置
 ライムケーキを乾燥造粒し、粒状化ライムケーキを30トン製造した。

 なお、ライムケーキ粒状化の研究開発は、10年度をもって完了し、11年度においては、粒状化ライムケーキの作条施用による散布効果調査及び実証展示ほを拡充し実施する予定である。


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【2】鹿児島県分みつ糖事業者合理化推進事業
(補助金額:2億3千万円)

(事業実施主体:財団法人甘味資源振興会)
 この事業は、近年、農業従事者の高齢化等による原料さとうきびの減少により経営の悪化を招いている鹿児島県分みつ糖事業者について、合理化計画の策定・推進及び合理化計画の実施に要する経費の措置を講ずることにより、事業者の合理化に資することを目的とし、9年度から実施しており、10年度においては合理化計画が策定され、施設の合理化等に要する資金の造成が行われた。
 なお、本事業は11年度においても引き続き実施される予定である。

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【3】甘しゃ糖低コスト製造技術開発事業
(補助金額:6千万円)

 この事業は、甘しゃ糖製造工程における転化酵素等の働きについての調査研究及びこれを抑制する手法等の開発を行うとともに、さとうきびの島間輸送及び製糖工場間における製糖工程の分業方式の経済性の検討及び技術的な開発等を行うことにより、甘しゃ糖の製造コストの低減等に資することを目的とし、10年度から製糖歩留り・品質向上技術開発事業と製糖工程分業方式技術開発事業の2本の事業が実施された。その概要は次のとおりである。
 なお、製糖工程分業方式技術開発事業は10年度をもって完了した。

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1.製糖歩留り・品質向上技術開発事業

(事業実施主体:財団法人日本食品分析センター)
 機械による収穫は、手刈りと比べてトラッシュ等の除去が完全でないため、梢頭部等の夾雑物の混入量が多くなる。梢頭部には蔗汁中のショ糖を還元糖に転化する働きを持つ転化酵素が多く含まれており、製糖歩留りや品質に影響を及ぼす。このため、甘しゃ糖製造工程における転化酵素や転化糖の分布について、糖汁液、原料糖、廃糖蜜及び黒糖に含まれる主要な糖、有機酸、無機元素、遊離アミノ酸等の実態調査等6課題について詳細な調査及び基礎的な研究が実施された。
 これらの調査・研究の結果、さとうきび梢頭部に多く含まれるショ糖分解酵素の活性は、石炭混和直後から後の工程では消失していることが確認された。また、通常の工程でのショ糖含量に対する果糖及びぶどう糖の合計量比に大きな変動は認められなかったことから、製造工程においては、酵素の作用によりショ糖はほとんど分解されておらず、果糖及びぶどう糖の著しい生成はないと考えられた。
 したがって、ショ糖の分解が影響するとすれば、製造工程の搾汁以前の段階、すなわち、収穫後から搾汁までの間に問題があると推測された。
 一方、微生物は加熱により大半が死滅しているものの、混合汁中の生菌数が多く、これらの微生物の多くにおいてショ糖分解能だけでなく粘性物質の生成能が確認され、製糖歩留りの低下原因の1つである可能性も考えられた。
 しかしながら、製糖歩留りの低下について、これらの結果からは直接的な原因あるいは原因物質の究明には至らず、微生物的な要因を含めて、引き続き11年度においても実施される予定である。

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2.製糖工程分業方式技術開発事業

(事業実施主体:財団法人亜熱帯総合研究所、一部委託先:株式会社トロピカルテクノセンター)

ア 製糖工程分業方式の経済性の検討

(ア) さとうきびの島間輸送の検討
 さとうきび原料の島間輸送の可能性を探るため、現在でも島間輸送を行っている今帰仁村古宇利島、かつて島間輸送を行っていた本部町瀬底島、平良市池間島、下地町来間島について調査が行われた。なお、緊急的に島間輸送を行った竹富町小浜島についても参考のため調査が行われた。
 すべての島で共通だった点は、(1)原料搬入用トラックをフェリー輸送していること。(2)1回にトラック1台しか運搬できないため1日に複数回フェリーが往復すること。(3)工場側が搬入に当たって島の原料に何らかの有利な配慮を行っていることがあげられた。特に、(3)の工場側の配慮として、工場での計量を優先する、収穫終了を他の地区より早く設定する等が認められた。
 島間輸送を可能とするための条件としては、(1)原料搬入用トラックによるフェリー輸送(トラック単位での品質測定及び計量)(2)海上輸送時間が比較的短い(1日複数回往復可能)(3)製糖期における原料輸送を最優先とした輸送契約(重量単位の輸送契約、1回の輸送における原料輸送スペースの確保、往復回数を柔軟に対応)(4)工場側で島間輸送原料に対する配慮を行う(計量順序等)等があげられ、これらを考慮したうえで検討する必要があると認められた。
(イ) 分業方式による経済性の検討
 製糖工場で効用缶まで濃縮したシロップを他の工場に輸送するという想定で、コスト計算が行われた。

イ 製糖工程分業方式技術開発
 製糖工場間における製糖工程の分業方式の可能性について、シロップ段階における島間輸送を行うための貯蔵に関する試験が行われた。

(ア) 実験室で調製したシロップ(ラボシロップ)の貯蔵性に関する試験
 ほ場より採取したさとうきびを実験室レベルで圧搾し、得られた搾汁液からシロップを調製し、濃度と貯蔵温度を変えて貯蔵試験が行われた。その結果、シロップの濃度が高く、貯蔵温度が低いほど品質の劣化が小さいことが分かった。これは、微生物の繁殖が大きく影響していると思われ、シロップの濃度が高くなると浸透圧等の関係で微生物の繁殖が抑えられること、また、温度が高いほど微生物は繁殖しやすくなり、微生物の繁殖しやすい環境ではシロップの品質は、劣化しやすいことが判明した。
 これらの対策として、シロップを高温高圧蒸気で加熱滅菌処理を行えば、微生物の発生が抑えられるため品質の劣化が少なく、長期間シロップを貯蔵することが可能なこと、また、シロップのを酸性側やアルカリ性側に調整することで微生物の発生が抑えられるため品質の劣化も少なくなるとの試験結果が得られた。
(イ) 製糖工程中のシロップの貯蔵性に関する試験
 製糖工場から入手したシロップを用いて、シロップの濃度、貯蔵温度による貯蔵以外に窒素封入、油封入及びステンレス容器等による貯蔵試験が行われた。その結果、製糖工場シロップは、ラボシロップに比べて微生物の繁殖が少なく、ショ糖の損失も小さいことが分かった。これは、工場では高温でシロップを加熱しているため、微生物の繁殖が抑えられ、ショ糖が消失されなかったものと考えられた。このことにより貯蔵期間中、微生物汚染が防げるような環境であれば、1ヵ月間程度まで品質保持が可能との試験結果が得られた。


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【4】ビート産業将来ビジョン策定事業
(補助金額:2千3百万円)

(事業実施主体:社団法人北海道てん菜協会)
 この事業は、北海道の畑作農業・地域経済において重要な役割を担っているビート産業の健全な発展を図るため、ビート産業を巡る現状と今後の課題について調査研究を行うとともに、その結果を踏まえ、ビート産業の将来ビジョンを策定することにより、ビート産業の合理化に資することを目的とし、ビート産業等実態調査と将来ビジョン策定検討会開催の2本の事業が実施された。その概要は次のとおりである。
 なお、本事業は10年度をもって完了した。

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1.ビート産業等実態調査事業

 日本のビート産業を巡る現状について把握するとともに、ヨーロッパの現状と比較することにより問題点を解明し将来ビジョンの検討に資すること等を目的として以下の項目について調査が行われた。
ア 畑作農業とてん菜生産の実態
イ てん菜糖の生産と砂糖流通の実態
ウ 直播栽培によるてん菜の生産コストの実態
エ 国産糖の生産・販売コストの実態
オ イギリス及びドイツにおけるてん菜の生産コスト、てん菜糖の製造販売コストの実態及びてん菜関連政策の現状

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2.将来ビジョン策定検討会開催事業

 調査結果をもとに、てん菜糖の製造・流通業者、生産者団体、有識者等を構成員とする検討会が計6回開催され、ビート産業(ビート生産及びビート糖製造・販売)を巡る現状と課題、今後の北海道畑作農業におけるビート生産の位置付け、ビートの生産コスト及びビート糖の製造・販売コストの今後の目標の方向について、検討が重ねられ現状と今後の方向を取りまとめた将来ビジョンが策定された。

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【5】砂糖供給構造合理化等推進事業
(補助金額:2億5千万円)

(事業実施主体:社団法人糖業協会)
 この事業は、精製糖業界を中心とする砂糖の供給構造について、地域別に将来のあり方を検討するとともに、物流コスト低減に向けた実験事業の実施及び精製糖製造コストの低減に向けた技術開発等を行うことにより、砂糖価格の低下を図り、砂糖の内外価格差の縮小に資することを目的とし、10年度から構造調整指針策定、流通合理化推進及び技術開発等推進の3本の事業が実施された。その概要は次のとおりである。

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1.構造調整指針策定事業

 精製糖業界の再編を促す観点から、構造再編によるコスト削減効果のシミュレーション等が行われた。
 なお、本事業は10年度をもって完了した。

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2.流通合理化推進事業

ア 砂糖物流合理化推進事業
 輸送形態・数量等物流全般に関する実施調査及び物流に関する意識調査、輸送施設、配送・保管の共同施設等先進的な事例の調査等が行われた。
 なお、これらの各種調査等に基づき、11年度においては特殊車両(バルク車、ローリー車)による共同運行をシステム化するための実証実験が行われる予定である。

イ ビート原料糖フレコン輸送化推進事業
 ビート原料糖の輸送を紙袋からフレコンに切り替えた場合の費用対効果について実験事業が行われた。
 本事業は10年度をもって完了した。

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3.技術開発等推進事業

ア 精製糖業における糖液洗浄・処理に関する新技術研究開発
洗糖蜜や振り蜜中のショ糖分をクロマト分離法で効率的に回収する技術を開発するための実験事業が行われた。
 11年度においては、10年度に行われた基礎研究に加えて実験室レベルからパイロットスケール(小規模工場レベル)に拡大して研究開発等が行われる予定である。

イ 環境に配慮した包装資材に関する調査研究
 砂糖の包装資材について、省資源と環境負荷低減の方策を探索することを目的とし、精糖企業へのアンケート調査による包装容器の実態把握等が行われた。
 なお、本事業は10年度をもって完了した。

ウ 精製糖の品質保証管理システムの開発
 近年、ユーザー及び一般消費者から食品の残留農薬等の汚染物質に対する品質保証が求められてきている。このため、各種砂糖の安全性をより明確化するため、食品衛生法に基づく規制対象残留農薬について調査し、分析法マニュアルの作成が行われた。
 11年度においては、10年度に作成した残留農薬分析法マニュアルに基づき、実際に、各種砂糖製品、原料糖の順次分析が行われる予定である。

エ 効率的な砂糖製品の輸送システムの開発
 本事業は11年度技術開発等推進事業の新規事業であり、精製糖工場における維持管理費の削減、機器更新による設備投資額の低減、輸送ラインの効率化、製品の品質の向上・安定化等を図る観点から、他業界で一部実用化されている輸送技術を基本として、各種砂糖の性状に合致した砂糖の空気輸送システムの実用化に向けての問題点を明らかにするとともに、従来の輸送システムとのコスト比較を行い、空気輸送システムの技術が確立される予定である。

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「事業団から」
1999年9月
砂糖類生産流通合理化等助成対象事業について(その2)
 農産振興部

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