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平成12年度食料・農業・農村白書の概要

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


農林水産省から
[2001年6月]

 去る4月10日、「平成12年度食料・農業・農村の動向に関する年次報告」(食料・農業・農村白書) が閣議決定を経て、国会に提出、公表されました。
 以下、平成12年度白書の概要について紹介します。

農林水産省大臣官房企画評価課 企画官 伊佐 寛


第I章 食料の安定供給確保
  1 我が国の食料消費・食生活   2 食料自給率と食料安全保障
  3 食料の安定供給を支える食品産業と安全・良質な食料の供給
  4 世界の食料需給の動向   5 WTO をめぐる動き
第II章 農業の持続的な発展
  1 農業の担い手と農業経営   2 農地の確保と有効利用
  3 農業の情報化と技術開発   4 農産物の生産と消費の動き
  5 農業の自然循環機能の発揮
第III章 農村の振興と農業の有する多面的機能の発揮


第I章 食料の安定供給確保

1 我が国の食料消費・食生活

(食料消費の現状)
 我が国の食生活は世界に類をみないほど大きく変化しました。量的にほぼ飽和水準に達する一方、生活スタイルの多様化等から「食」の外部化・サービス化、簡便化が進展しており、平成12年には食料消費支出の27%が「外食」や「中食(なかしょく)」等家庭外に向けられています。
 こうしたなか、消費者の食料や農業に関する知識・関心が低下するなど、「食」と「農」の距離が拡大しています。食料や農業、さらには自らの食生活への理解を深めることは、健康の維持のみならず、食文化の継承等の課題に関連しており、「食」と「農」の距離の縮小に向けた取組みが求められています (図1)。

図1 消費者意識の変化
グラフ
資料:(株)博報堂生活総合研究所「食と農業に関する意識調査」
注 1) 都市生活者を対象とする調査であり、調査対象は2、11年ともに400名である。
注 2) *印は11年に新設された項目である。

(我が国の食生活がかかえる課題)
 現代の我が国においては、質・量ともに豊かな食生活を享受することが可能となる一方、栄養素摂取の過不足やバランスの崩れ等が問題となっています。また、期限切れ食品等の廃棄、飲食店や家庭における食べ残し等、生産から消費に至る各段階で発生する「食料ロス」や児童生徒の朝食の「欠食」にみられるような子ども達の食習慣の乱れへの対応も資源の有効利用や子ども達の健康、食文化の継承等の観点から課題となっています (図2)。

図2 消費段階における食品ロス率
グラフ
資料:農林水産省「食品ロス統計調査」(12年8〜9月調査)
注 1) 世帯調査は、世帯員構成別に有意に抽出した1,000世帯を対象とし、調査客体の実測及び記帳に基づく自計申告調査である。
注 2) 世帯の食品ロス率=(廃棄重量+食べ残し重量+過剰除去重量)÷食品の使用重量×100
注 3) 「高齢者がいない」は、65歳以上の者がいない世帯、「高齢者がいる」は、65歳以上の者がいる世帯をいう。
注 4) 外食産業調査は、地方統計情報出張所職員の実測による760事業所を対象とした調査である。
注 5) 外食産業の食品ロス率=(食べ残しの重量+作り置きで廃棄した重量)÷サンプルとしたメニューの重量×100

(食生活指針の推進)
 食生活上の課題の解決には、国民一人ひとりの自らの食生活の見直しが必要です。このため、平成12年3月、文部省、厚生省、農林水産省は共同で、栄養バランスの改善や食生活におけるむだ・廃棄の減少等を内容とする10項目からなる「食生活指針」を策定しました。学校教育の場をはじめ、家庭、職場、地域等における国民運動的な取組みの推進を通じて、「食」や「農」に関する正しい知識や、適切な食生活の形成につながる実践的態度を身につけることが必要となっています。

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  我が国の食料自給率は、昭和40年度から平成11年度の間に73%から40% (供給熱量総合食料自給率) に大きく低下しました。これは、国民の食生活が多様化し、国内で自給可能な米の消費が減少する一方、畜産物や油脂類の消費の増加に伴い、これらの生産に必要な飼料穀物や大豆等の油糧種子の輸入が大幅に増加したことが大きな要因となっています。(図3)。
 平成12年3月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画において、食料自給率の目標 (供給熱量総合食料自給率で45%) が設定されました。食料自給率の向上に向けて、生産、消費両面から、関係者が一体となった取組みを行うことが重要です。
 また、凶作や輸入の途絶等の不測時においても国民が最低限度の食料供給を確保できるように、不測時における食料安全保障の確保が必要です。

図3 供給熱量の構成の変化
グラフ
[昭和40年度:自給率73%]
供給熱量 2,459kcal/人・日
国産供給熱量 1,799kcal/人・日
[平成11年度:自給率40%]
供給熱量 2,619kcal/人・日
国産供給熱量 1,043kcal/人・日
資料:農林水産省「食料需給表」

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(食品産業)
 農業・食料関連産業は、国内総生産の1割強を占める産業分野です。このうち8割強を占める食品産業は、食料の安定供給を図っていくうえで、農業とともに重要な役割を担っており、また、両者は原料農産物の需要と供給を通じて相互に強く結び付いています。両者の連携は、原料農産物の安定供給、需要の拡大等、双方にメリットがあり、情報・ニーズを的確に合致させる仕組みづくり等連携推進の取組みが必要です。
 ところで、地球規模での環境問題に対する意識が高まるなか、食品産業の事業活動に伴う環境負荷の軽減に向けた取組みが重要となっています。こうしたなか、食品廃棄物の発生抑制や減量化等による最終処分量の減少を目的として、食品リサイクル法が平成12年6月に公布されました。また、同年4月から完全施行され対象事業者が大幅に拡大した容器包装リサイクル法の制度の普及・啓発、再商品化のための技術開発等が進められています。

(食品の安全性の確保と表示・規格制度の充実)
 平成12年6月の加工乳等に起因する大規模な食中毒事故の発生等により、食品の安全性に対する消費者の不安感が増大しています。食品の安全性に対する信頼回復に向けて、生産から消費に至る各段階を通じた一貫した衛生管理体制の確立が重要です。
 また、すべての生鮮食料品の原産地表示の義務付けや有機食品の検査認証制度の創設等を内容とする改正 JAS 法が平成12年6月に施行されました。この生鮮食料品の原産地表示については、なお一層の制度の普及・啓発と店舗に対する調査・改善指導が必要となっています。

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世界の穀物生産量の伸びは鈍化してきています。これまで穀物生産量の増加を主に支えてきた単収の増加率が縮小してきているほか、80年代以降は収穫面積の減少もみられます。今後、人口の増加、畜産物消費の拡大等穀物需要の増加が見込まれる一方、農用地の拡大の制約や環境問題の顕在化等種々の制約要因が明らかになってきており、世界の食料需給は中長期的には、ひっ迫する可能性があります (図4)。

図4 世界の穀物生産量の増加量率の要因別寄与度
グラフ
資料:FAO「FAOSTAT」
注 1) 穀物生産量の増加率は、穀物生産量の61〜63年、71〜73年、81〜83年、91〜93年、98〜2000年における3か年平均値から各期間の増加率を計算し、年率に換算したものである。
注 2) 「単収による増加要因」、「収穫面積増加(減少)による要因」とは、穀物生産量の増加率に対する寄与度である。

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WTO 農業交渉は、21世紀の世界の農産物貿易ルールの決定を通じて、世界の農政全体を方向付けるきわめて重要な交渉です。我が国はこの交渉を進めるに当たり、国民各界各層から寄せられた意見等を踏まえ、「WTO 農業交渉日本提案」を取りまとめました。
 この提案において「多様な農業の共存」を基本的目標とし、UR 合意の実施状況の検証、農業の多面的機能と食材安全保障の追求を基本的重要事項と位置付けています。

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第II章 農業の持続的な発展

1 農業の担い手と農業経営

(農業労働力)
 平成12年の農業就業人口は389万人 (昭和60年の約7割) で、65歳以上の者の占める割合が5割を超えるなど高齢化が進んでおり、農業労働力の中心を担ってきた「昭和一けた世代」のリタイアも進行しています。将来にわたり我が国農業生産の維持・増大を図るためには、担い手の確保・育成が重要かつ緊急の課題となっています (図5)。

図5 年齢階層別にみた農業労働力の推移(販売農家)
グラフ
グラフ
資料:農林水産省「農林業センサス」

(経営安定対策の実施)
 農家経済の低迷が続くなかで、価格の低落や変動幅の増大が経営に及ぼす影響を緩和する観点から、近年、品目別の経営安定対策の導入が進んでいます。
 しかし、農業労働力の減少、高齢化が進展するなか、意欲ある農業者の主体的な経営努力を助長させる観点から、経営政策全体の見直しが必要となっています (図6)。

図6 水稲作付面積規模別にみた稲作収入の推移及び
稲作経営安定対策補てん金の所得への影響
グラフ
資料:農林水産省「農業経営統計調査」(農業経営動向統計、農業経営部門別統計)
注 1) 稲作部門の販売収入が農産物総販売金額の80%以上を占める販売農家を母集団としている。
注 2) 農業所得は、農業粗収益から農業経営費を引いて算出している。
注 3) 農業所得及び農外所得の合計は、「農業経営統計調査」(農業経営動向統計)の組替え集計の数値を用いており、稲作所得とは母集団が異なる。
注 4) 10年の稲作収入には、10年度に措置された「新しい米政策確立円滑化対策」の補てん金を含む。

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 転用や耕作放棄による農地の減少が続き、耕地面積は昭和36年の609万haから平成12年には483万haまで減少しています。また、耕地利用率は、11年には94.4%となっています (図7)。
 優良な農地の確保と有効利用に向け、計画的な土地利用の確保や農業生産基盤の整備、育成すべき農業経営への利用集積の推進、中山間地域等における生産条件の不利の補正による耕作放棄の防止等を行っていくことが重要です。

図7 品目別作付面積と耕地利用率の推移(田畑計)
グラフ
資料:農林水産省「耕地及び作付面積調査」
注 1) 稲は水陸稲(子実用)合計面積である。
注 2) 麦類(6麦子実)のうち、7年以降については青刈り用等を含む。
注 3) 野菜には、えんどう、そらまめ、大豆、いんげん、とうもろこしの未成熟を含み、また、ばれいしょも含む。
注 4) 飼肥料作物には、青刈り作物も含む。なお、6年以前には麦類の青刈り用も含む。

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 情報通信技術を活用することで、生産や販売のさまざまな面で、生産者に多様な可能性が広がっています (図8)。
 また、食料・農業・農村基本計画に基づき、農業経営の発展や需要に即した農業生産の推進等生産現場を支える研究開発や、イネゲノム解析など革新的技術に関する研究開発が進められています。特に遺伝子組換え農産物の実用化の推進に当たっては、最新の科学的知見に基づく安全性の評価・確認及び国民的理解を深めることが重要です (図9)。

図8 生産者を中心にした農業分野における情報通信技術の活用の展望
グラフ
グラフ


図9 遺伝子組換え食品に対する消費者意識の推移
グラフ
資料:東京都生活消費者モニター・アンケート「遺伝子組換え食品」

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(米の需給動向と「平成12年緊急総合米対策」)
 近年の米需給は、大幅な緩和基調で推移しています。この結果、平成12年10月末の国産米在庫量は、適正備蓄水準の上限 (200万トン) を超過する280万トン程度となり、11、12年の自主流通米価格も低調に推移しました。こうした状況をうけ、12年には緊急に米の需給と稲作経営の安定を図る観点から、持越在庫水準の早期適正化、13年産米の生産調整の拡大、稲作経営安定対策についての臨時特例措置等を柱とする「平成12年緊急総合米対策」が決定されました。

(畜産における飼料自給力の強化)
 近年、畜産物の需給は安定的に推移しています。こうしたなか、平成12年に、輸入粗飼料が侵入源と疑われる家畜伝染病「口蹄疫こうていえき」が、国内で確認されました。稲わら等の輸入が増加しているなか、安全な粗飼料確保による経営の安定化、食料自給率の向上には、国産稲わらの飼料利用等自給飼料生産の促進が重要です (図10、図11)。

図10 稲わら等の輸入量の推移 図11 国産稲わらの利用状況
(平成11年度)
グラフ グラフ
資料:財務省「日本貿易統計」
注:飼料用途以外の稲わら、麦わら、そばがらを含む。
資料:農林水産省調べ

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(廃棄物循環利用システムの構築)
 産業廃棄物の約2割が農業分野から発生しており、その大半は、年間約9千万トン排出される家畜排せつ物と推察されています。家畜排せつ物は再生利用可能な有機性資源として重要で、その適正な管理を行うため、全国で処理施設の整備が進められています。また、発酵過程で発生するメタンガスを使った発電 (バイオマス発電) の試みもみられます。

(環境保全型農業の推進)
 平成12年現在、約50万戸の農家が化学肥料・農薬の低減やたい肥投入による土づくりに取り組んでいます。環境保全型農業 による農産物は、価格面で有利な反面、収穫量が不安定だったり、労力がかかるなどの問題があります。このため行政では、11年に施行された持続農業法の推進等を通じて、環境と調和のとれた農業生産を推進するための支援を進めています。

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第V章 農村の振興と農業の有する多面的機能の発揮

1 農村の現状

 農村では人口が継続的に減少しています。特に中山間地域では、人口の流出などの社会減だけでなく出生者数を死亡者数が上回る自然減も生じ、過疎化が問題となっています。さらに、農村では人口の高齢化や少子化も進行しています。


2 農業の有する多面的機能

 農村で農業が行われることにより、食料の生産・供給のほか多岐にわたる機能が発揮されています。このような多面的機能は国民生活・国民経済の安定にとって重要な役割を果たしており、将来にわたり維持していくためには、農業生産活動という人為的な作用を継続していくことが必要です (図12)。

図12 農業の有する多面的機能に関する国民の意識
(農業の食料生産・供給以外の役割について)
グラフ

(多面的機能を有する農業を残す手法)
グラフ
資料:総理府「農産物貿易に関する世論調査」(12年7月調査)
注 1) 全国の20歳以上の者5,000人を対象とし、回収率は71.4%(3,570人)である。
注 2) 図中の「都市地域」及び「農村地域」は、調査上便宜的に区分した回答者の住居地域を示し、前者は7年国勢調査区のうち市部の人口集中地区、後者は同調査区のうち市部及び群部の非人口集中地区である。
注 3) (2)は、(1)において「役割を果たしていると思う」、「どちらかというと役割を果たしていると思う」と答えた2,308人を対象とした設問である。
注 4) (3)は、多面的機能を有する農業について、「ぜひとも残していきたい」、「できれば残していきたい」と答えた3,311人(92.7%)を対象とした設問である。

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3 農村の総合的な振興

(農村の地域特性とニーズに応じた振興のあり方)
 農業生産に加え、地域住民の生活の場でもある農村の振興は重要な課題です。住みよい農村とするためには、生活環境や生産基盤の整備が必要ですが、その際には、景観や自然環境の保全などに十分配慮する必要があります。

(農村の活性化に向けた取組み)
 都市と農村との間の人・物・情報の交流が、農村活性化の新しい契機として広がる傾向にあり、両者の関係を深めていくことが重要となっています。
 また、農業生産に加工・流通や都市農村交流までを加えたアグリビジネスの展開、いわゆる六次産業化が、農村における就業機会の創出に効果を発揮しています (図13)。

図13 都市からの移住者の希望する職業と今後必要な農村の雇用創出対策
グラフ グラフ
資料:国土庁「UJIターンに関する意識調査」(12年2月)、農林水産省「担い手の状況と都市交流、情報化を通じた農村活性化に関する調査」(12年11月調査)
注 1) 国土庁調査(左図)は、民間企業の主催した首都圏在住のUJIターン希望者を対象とするフェアに参加した者へのアンケート調査であり、総回収数は1,304件である。
注 2) 農林水産省調査(右図)は、全国の3,229市町村を対象に実施した調査であり回収数は2,094(64.8%)である。

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4 都市と農村との交流等の促進

 国民の農業体験に関する意識の変化、農村志向の進展に伴い、グリーン・ツーリズム等の都市と農村との交流が活発化しています。
 このような交流を積極的に進め、農村の活性化などに結び付けていくためには、都市住民の意識やニーズを踏まえた取組みの推進が必要です。
 また、子ども達の自然体験は、豊かな心を育み、人格形成にも大きな効果があるものとして教育の面からも注目されています。農業体験は貴重な自然体験となるほか、子ども達の農業に対する理解を促す観点からも重要な取組みで、各地で実施されています。

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