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地域だより[2008年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[2008年2月]


那覇事務所


  • 平成19年度 沖縄県「防風林の日」関連行事について


  • 翔南製糖(株)が平成19/20年期の製糖操業を開始


  • 平成19年度 沖縄県「防風林の日」関連行事について

    1 はじめに
     沖縄県では、さとうきびの増産に向けた取組の一つとして『生産基盤の強化』を掲げているが、その中でも最も重要な取組が「防災農業確立のための普及・啓発活動」である。
     沖縄県は台風の常襲地帯であり、毎年強風や潮害によって農作物や施設が被害を受けており、その防止策として防風・防潮林の整備が重要となっている。
     そこで本稿では、「防風林の日」の取組について紹介し、沖縄県における防風・防潮林の重要性について紹介する。

    2「防風林の日」について
     防風・防潮林は、台風や季節風などの強風や潮害や飛砂などから農作物などを守る、農地への水の流入を防ぐ、農作物の水腐れや病害を防ぐなどの働きがあり、さらに景観の保全などにも役立っている。
     かつて沖縄県においては、琉球王府時代に整備した防風・防潮林が多数存在したが、戦後、住宅の修復や燃料材調達などのため乱伐されてしまい、その後の造林事業などにより防風・防潮林帯の再生が図られているが、まだまだ十分とはいえない状況である。
     台風などの自然災害から農作物を守る防風・防潮林の重要性の啓発と防災農業の推進を目的に、昨年、農業関係団体や関係機関で構成する県防災農業推進会議が発足し、毎年11月の第4木曜日を「防風林の日」と定め、防風・防潮林の育成に取り組む日とした。

    3 防風・防潮林の主な樹種(一例)
    樹種名 特  徴

    樹種

    方言名

    フクギ

    フクジイ

    恒久的な防風林として最も重要な樹種で、生育は比較的遅い。

    テリハボク

    ヤラブ

    海岸防風樹として適しているが、若干寒さに弱く、樹形が広がりやすい。

    アカテツ

    アマンギ

    潮風害に強く、海岸地域に生育する。生育は遅い。

    クロヨナ

    ウカバ

    潮風害に強く、海岸地域に生育する。樹形が広がりやすい。

    クサトベラ

    スーキ

    海岸前線部に生育し、潮風害に強い。肉厚な葉で、樹形はドーム型になる。


    4「防風林の日」関連行事
     平成19年11月22日(木)、沖縄県防災農業推進会議の主催で、宜野座村において防風林の日の関連行事として「沖縄県防災農業賞表彰式」、「防災農業推進講演会」、「植樹大会」が行われた。
     まず、宜野座村中央公民館において「沖縄県防災農業賞表彰式」と「防災農業推進講演会」が行われた。開会にあたり、主催者である沖縄県防災農業推進会議の大城会長は「防風・防潮林が地域の資源、財産であることを広く理解してもらい、地域をあげての植樹活動を定着させることが最も重要である」と述べた。

    大城会長

    (1)沖縄県防災農業賞表彰式

     沖縄県防災農業賞は、防風・防潮林の整備などを積極的に推進し、他の地域の模範となる取組を行っている集団もしくは個人について表彰を行い、その取り組みを讃えるとともに、全県的な取組への拡大に寄与することを趣旨としている。初年度となる今年の受賞者は以下の4団体で、それぞれ大城会長から表彰状の授与があった。

    • 美ぎ島(かぎすま)宮古グリーンネット(宮古島市)
    • 伊江西部かんすい組合(伊江村)
    • 宮良川地区「防風林の日」推進協議会(石垣市)
    • 竹富町土地改良区(竹富町)

    〈団体の活動の概要〉

    •  宮古島市の「美ぎ島宮古グリーンネット」は、平成15年の台風14号の襲来を契機とした地域の防風・防潮林に対する意識の高まりを背景にボランティアグループとして平成17年6月に設立された組織で、一般市民を含めた762会員を抱える住民参加型の組織となっている。既に11回の活動実績があり、1万本近い苗木の植栽と下草刈り(※植え付けた苗が一定の高さになるまでの間、周囲の雑草や雑木を刈り取り、生長を助けるための作業)などの育樹作業を行っており、その運営費用を外部に依存せず、構成メンバーの会費によって賄っている。
    •  伊江村の「伊江西部かんすい組合」は、県の土地改良事業で整備した土地改良区内で耕作している142名の農家で構成され、防風林帯ばかりでなく、農道、排水路および灌がい施設の維持管理といった活動を行っている。この組織の注目すべきところは、その歴史の長さにあり、昭和55年に組合を設立して以来、現在まで途切れることなく活動を継続している。近年は、環境への配慮と、地域の活動として拡大する意味から、近隣の子ども会や老人会などと一緒になってグリーンベルトの植栽にも積極的に取り組んでいる。
    •  石垣市の「宮良川地区「防風林の日」推進協議会」は、昭和62年に独自に「防風林の日」を定めて設立された組織である。設立以来継続している「防風林の日」の維持管理作業は、昨年までで20回を重ね、活動への参加人数は5,500人を数えるなど、地域に定着した取組を行っている。さらに今年度からは八重山森林組合との間で「防風林帯の間伐にかかる協定」を締結し、防風林帯の再整備に必要なモクマオの伐採を森林組合が実施し、その見返りとして森林組合は伐採したモクマオを木炭の原料として利用するというユニークな取組が行われている。
    •  竹富町の「竹富町土地改良区」は、平成15年6月に波照間全域、西表東部の大原、大富、豊原、それに西表西部の上原地区が統合して新設された組織で、組合員数238名で複数の島から構成されている県内でも有数の広域に活動を行う組織である。統合以前から、それぞれの地区において年2回の維持管理活動が行われており、その活動は統合後においても継続されており、現在に至る。子供たちにも積極的に参加を呼びかけ、地域全体の取組として活動しており、今後は環境にやさしい農業実現のためのグリーベルト設置も積極的に推進している。

     4団体に共通して言えるのは、地域と一体となった取組を展開していること、その活動の拡大に前向きであること、また、現在の活動状況から判断しても将来的にも取組の継続が十分見込めることである。
     受賞者を代表して、美ぎ島宮古グリーンネットの砂川事務局長があいさつし、「これからも積極的な活動を行い、防風・防潮によって島を守り、宮古島のさとうきびが毎年30万トン収穫できるように頑張っていきたい」と抱負を述べた。

    受賞の様子
    受賞した4集団の代表者

    護得久部長
    赤嶺課長による講評

    (2)防災農業推進講演会

     続いて、「防風林の重要性と防災農業確立に向けて」というテーマの下、①琉球大学農学部農林経営講座の仲間教授の「沖縄の防風林の意義と課題−歴史の中から考える−」、②沖縄県農業研究センター農業システム開発班の玉城研究員の「防風林を活用しましょう−防風林により台風被害が軽減できた事例−」の2講演が行われた。
     講演に先立ち、冒頭のあいさつで沖縄県農林水産部の護得久部長は、「この講演会を通じ、防風・防潮林の大切さについて改めて理解していただき、地域の資源、財産作りとして根付くことを願う」と述べた。
     仲間教授の講演では、琉球王国を代表する政治家の一人である蔡温(さいおん)の抱護理論を基に、現状で問題となっている早生樹種(モクマオなど)の選定を改め、長期的な視点で防風林を育成することの重要性について説明が行われた。その中では、防風林の効果によってさとうきびの増収の事例があることやフクギの適性について、また、蔡温の時代に防風林の整備が成功した要因が植樹後の管理の重要性を認識してそれを徹底したことであることから、関連法の整備による管理の必要性などにも言及し、それらにより防風・防潮の効果、景観の保全、生物の多様性など、島の自然環境に適応した防風・防潮林作りが可能であることを講演した。
     また、玉城研究員の講演では、過去の台風来襲において、防風林が台風被害の回避に役立ったと考えられる事例とその防風施設の防風効果について、シミュレーション結果を用いた紹介が行われた。脆弱なパイプハウスが台風被害を回避できた事例では、それを囲む防風林の風上側の風速とパイプハウス付近の風速とをシミュレーションにより比較し、防風・防潮林の効果を検証した。
     講演会の後、沖縄県農林水産部営農支援課から、沖縄県における台風とその対策について、県が作成した冊子を基に各作物別の台風の事前対策と事後対策などについて説明が行われた。さとうきびに関しては、早期植付で茎長を確保すること、耐風性の品種に更新することによる茎の折損防止や分げつ茎数を増やすことによる圃場への流水防止、排水性の向上による土砂の流亡防止・茎の倒伏防止、さらに事後対策としては散水による除塩や土寄せによる樹勢の回復、補植による茎数の確保などが挙げられた。

    講演会の講師陣(仲間教授・玉城研究員)
    講演会の様子

    (3)植樹大会

     続いて、宜野座村惣慶区土地改良区内に会場を移し、「植樹大会」が行われた。
     冒頭のあいさつにおいて、宜野座村の東村長は、「依然として台風の被害は甚大である。防風・防潮林の保全は、基盤整備、水質保全の観点からも急務であると認識しており、保全事業も行っている。地域と連携をとって取り組んで行きたい」と述べ、来賓あいさつとして当機構の関川副理事長は、「防災は農業の基本であり、防災を念頭とした沖縄県の農業の足腰の強さを感じる。台風から農地を守り発展させる整備を求められている。増産プロジェクトの実施などを通じ、これからも末永く発展し、豊かな沖縄の農業が展開されることを望む」と述べた。
     次に、農家代表である宜野座村土地改良区の平田理事長の発声のもと、ガンバロー三唱が行われ、来年度への引継ぎセレモニーとして宜野座村長から来年度開催予定地である宮古島市の伊志嶺市長へ苗木の引渡しが行われた。
     その後、さとうきびなどの圃場脇に記念植樹として、大城会長、護得久部長、東村長、平田理事長、関川副理事長がそれぞれ植樹を行い、関係者と参加農家の手によってフクギ400本、コバナサンダンカ400本の合計800本の植樹が行われた。

    関川副理事長のあいさつ
    宮古島市へ苗木の引渡し

    記念植樹
    植樹された苗木

    5 おわりに
     台風の最前線地域であり、毎年台風の被害を受けている沖縄県において、防災は重要かつ急務な課題である。しかし、防風・防潮林は一朝一夕には効果が得られるわけではなく、植樹後の管理も非常に重要である。そのためには地域の理解と協力が不可欠であり、「防風林の日」のような取組を通じ、防風・防潮林の重要性について農家をはじめとした地域住民へより一層の周知を図る地道な活動が求められている。日本をはじめとする東アジア地域に襲来する台風も近年大型化する傾向が見られると言われている昨今において、今後の防風・防潮林の重要性は益々高まるだろう。さらに、このような継続した活動の成果が、さとうきびをはじめとした農作物の増産に繋がることを期待している。(新田)



    翔南製糖(株)が平成19/20年期の製糖操業を開始

     平成19年12月22日(土)、翔南製糖(株)において平成19/20年期の製糖が開始された。
    沖縄県では、製糖工場の操業開始は、さとうきびの収穫期を迎え冬が到来したという風物詩になっている。
    同社では、収穫サイクルの早期化により単収を上げるべく、近年では12月中の操業開始を実施しており、今期は沖縄県内で宮古製糖(株)伊良部工場の12月13日に次いで、大東糖業(株)と並ぶ県内2番目の操業開始となった。同社は3月16日までの間、24時間稼動による操業を予定している。今後、沖縄県下では、他社の工場においても順次操業を開始し、本格的な製糖シーズンを迎える。
     当日は、さとうきび搬入開始式が行われ、許田浩資社長が、「天候に恵まれ、増産が見込まれている。今期も安全な操業を行うとともに、生産者や運搬人をはじめ、関係者の方々と共に力を合わせていきたい」とのあいさつを行い、続いて過年度運搬従事者表彰と安全祈願の献酒が行われた。
     沖縄本島・北中城以南の同社管内の当期のさとうきびは、7月に台風の被害があったものの、その後の気象に恵まれ降雨が適度にあり、比較的順調に生育し、品質面においても良好となっている。同社の早期操業による適期植え付け管理作業の取組も相まって、さとうきび生産量・単収のいずれも前期を上回る見込みで、当期さとうきび生産見込みは前期比約5,000トン増の132,000トン、産糖量は約500トン増の15,500トンとなっている。
     沖縄県における今期のさとうきび生産量は、分蜜糖向けは748,000トン程度を見込んでおり、含蜜糖向けを含めると4年ぶりに800,000トン台に達することが見込まれており、さとうきび・糖業関係者の期待が高まっている。 (緒方)

    資料:日本分蜜糖工業会



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    運搬従事者の表彰

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