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地域だより[2008年6月]

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最終更新日:2010年3月6日

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[2008年6月]




伊是名島におけるさとうきびの収穫作業

 

那覇事務所 緒方 芳明



はじめに

  さとうきびの収穫作業に関して、近年ハーベスタによる収穫が推進されているところである。しかしながら、沖縄県においては、小規模零細農家や小規模なほ場が多いため、沖縄県全体では30%台の低水準で、収穫作業の大半を手刈りで行われている地域も多い。そのような中、とりわけ高齢者にとって過酷な収穫作業の負担軽減に一役買っている草刈機を使用した収穫作業が普及している伊是名村で、その収穫作業を実際に体験したので報告する。

伊是名村におけるさとうきび生産の概要

  伊是名村は、沖縄本島北部の北西海上に位置する離島村で、農業産出額のうち、さとうきびの割合は約7割を占める。村内における農業従事者のほとんどがさとうきびを栽培しており、生産者数は約270人である。農地の基盤整備はおおむね完了しており、また国営地下ダムの整備や末端のかんがい整備も平成25年の完了を目指してすすめられている。
平成19/20年期のさとうきび生産量は、天候に恵まれたことなどにより前年比約20%増の19,680トンと豊作となった。
作型は、夏植えが2割強、春植えが2割弱、株出しが6割となっているが、かんがい設備の確立と、作型の春植え・株出し推進による単収と生産効率の向上による増産を目指している。

さとうきび収穫の形態

  伊是名村におけるハーベスタによる収穫処理量の割合は、5年前の約5%から、現在では沖縄県の平均を上回る約34%まで着実に上昇し、小型ハーベスタ8台、中型ハーベスタ1台の計9台が稼働している。

小型ハーベスタの収穫作業


  一方、平成5/6年期に他の地域に先駆け、農業構造改善事業で製糖工場に脱葉施設が設置されたことにより、手刈り収穫のうち99%以上が梢頭部のみを切り落とした状態の無脱葉収穫が行われており、収穫作業の負担軽減が図られている。

無脱葉収穫のさとうきび
脱葉・裁断されたさとうきび


  同村において草刈機による収穫作業が行われ始めたのも無脱葉収穫が始まったのと同時期で、さとうきび生産と畜産経営を兼ねていた農家が、牧草を収穫するために所有していた草刈機をさとうきびの刈り倒しに活用したのが始まりのようである。現在では手刈り収穫を行うほとんどのさとうきび農家で行われている。

草刈機による収穫作業

  筆者は、製糖工場職員らと共に、製糖工場前にあるほ場を所有する高齢者の収穫作業をお手伝いさせていただいた。
  使用した草刈り機は、伊是名村で広く普及しているタイプのもので、両肩にベルトを掛けて、両手でハンドルを握りながら操作する。

操作法の指導を受ける筆者
使用した草刈機


  草刈機を始動すると、カッターが勢いよく回り、さとうきびを刈り倒し始める。1日で一人4トン程度を収穫することが可能で、斧を使用する通常の刈り倒しによる収穫に比べ、単位時間当たり2〜4培の収穫量を得ることが可能になるという。この作業は、長時間作業を継続していてもあまり疲労を感じない。
さとうきびの収穫は、茎の高刈りを避け、地際を切断することが大切であるという。草刈機を使用する場合、地際から茎がまっすぐ上に伸び、周囲に雑草や枯葉が少ない場合には、容易に刈り倒せる。反面、さとうきびの倒伏、雑草、枯葉が多い場合は、地際で茎を切断することが難しく、作業に慣れが必要であるが、熟練者の場合は、スムーズな収穫作業が可能である。

熟練者の刈り倒し

多様な選択肢のある収穫形態へ

  通常の手刈りによる収穫作業の場合、その労働時間はさとうきび栽培管理の約半分を占めるとも言われており、とりわけ高齢者にとっては、ハーベスタが入れないほ場などの場合、離農するきっかけになることが多い。
  今回紹介した草刈機は、農業機械としては比較的安価で容易に導入が可能である。
  この草刈り機の値段は6〜7万円、出力は3〜4馬力で、カッターの交換頻度は使用条件により異なるが、約100トンの収穫に対して2〜4回程度の交換が必要で、カッター1枚当たりの値段は2,000円〜3,000円程度である。
  従来から行われている手刈り収穫やハーベスタ、手刈収穫班の活用に加え、今回紹介した草刈り機による収穫などの中から、生産者やほ場の条件と照らし合わせ、最も適した形態をうまく組み合わせ、効率的に行うことが今後のさとうきび増産に欠かせない。草刈機による刈り倒し作業は、伊是名村以外の地域においても、手刈り収穫に負担を感じている生産者にとって選択肢のひとつと成り得よう。








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