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最終更新日:2010年3月6日
食用以外のてん菜糖の利用について
〜LANAシュガースクラブを使用した乳幼児のスキンケア〜
平成21年7月20日(月)、札幌市中央区の札幌市資料館において、(株)アビサル・ジャパンの主催による講演会が一般消費者、医学関係者など約70名の参加のもと開催された。同講演会では広島国際大学看護学部看護学科研究チームの山口求(もとむ)教授、島谷智彦教授が「乳幼児スキンケアの必要性」と題した講演を行ったので、その概要を紹介する。
砂糖が保湿効果を有していることや、長期入院患者向けの床ずれの薬などにも使用されることは以前から知られている。一方、現代の乳幼児の4人に1人はアトピー性皮膚炎の患者であると言われている。乳幼児の皮膚はバリア機能が低く、角質層がうすいため皮膚表面が傷つきやすく、雑菌に感染しやすくなっている。また、冷暖房を使用している現代の住環境は、乳幼児にとって過度の湿度低下となり、乾燥肌になりやすくなっている。そのため、皮膚のかゆみや痛みを表現できない乳幼児は多くのストレスを受けている。アトピー性皮膚炎の治療には、ステロイド軟こうが使用される場合が多いが、長期間の使用によるステロイドの副作用が懸念されている状況となっている。
今回、広島国際大学看護学部の研究によって、(株)アビサル・ジャパン社のLANAシュガースクラブ(北海道産の砂糖大根(てん菜、図1)が主原料のてん菜糖を特殊製法により一粒一粒を植物性オイルでコーティングしたもの)が乳幼児のスキンケアに効果的であるかを保湿性(水分・弾力性)の面から、そして乳幼児に見られた掻き傷がシュガースクラブの使用により軽減するかの検証を行い、シュガースクラブを使用したスキンケアの有効性が実証されたことから、本年3月、日本小児看護学会第18回学術集会において発表された。
(図1)砂糖大根(てん菜)の模型 |
(図2)講演中の島谷智彦教授 |
(図3)講演中の山口求教授 |
山口教授は最後に、アトピー性皮膚炎の治療には、保湿効果があり植物性で安全な面からもシュガースクラブを用いるスキンケアは、徐々に理解され始めているが、それ以上に重要なことは、スキンケアによる乳幼児とのスキンシップが、子育てには一番大切だということを強調して、講演を締めくくった。
(角田)
【参考:シュガースクラブの特徴】