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八重山地域におけるさとうきび生産の現状と課題 (2)

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

今月の視点
[2003年2月]

【―波照間島―】
 沖縄本島より南西に400kmに位置する八重山群島。その中心である石垣島からさらに南西へ63km、東経123度、北緯24度に位置する波照間島は、周囲14.8km、面積12.75平方kmの小さな島です。島は、お盆を伏せたような、ほぼ平らな形をし、有人島では日本最南端の島であり、黒糖が最も美味しいと評判の高い島でもある。さとうきびの栽培面積および収穫量は近年横ばいの状況にあり、生産農家の高齢化や担い手の不足により年々農家数が減少していく中で、島民あげての独自の収穫組織を作り上げ、維持し、さとうきびの生産に意欲を燃やしている島の現状と課題について取り組みを紹介する。

国際農業研究センター 沖縄支所 国際共同研究科長
勝田 義満


1 波照間島におけるさとうきび生産の現状
  (1) さとうきび生産の経緯  (2) 現在のさとうきび栽培
  (3) さとうきび栽培品種の変遷と品種構成
  (4) 波照間におけるさとうきび生産の各種取り組みと課題
まとめ


1 波照間島におけるさとうきび生産の現状

(1) さとうきび生産の経緯
 波照間島では、大正3(1914)年頃からさとうきびが栽培され、石垣島から栽培や製糖技術を導入し、砂糖製造を行うようになった。昭和36年に中型工場(波照間製糖(株))が設立されるまでは、集落を中心とした島内4カ所に砂糖を作る組を組織し、さとうきび栽培から製糖までを行っていた。当時、4カ所の製糖組合(美里、前原、名石(ないし)、冨嘉(ふか) )では、小型工場で1日に圧搾するさとうきびは15t程度であった。
 昭和37/38年期に中型工場(波照間製糖(株))が建設されて以来、島全体の農業はさとうきびの単作栽培に切替えられ、農業の近代化が強力に推し進められていった。当初は1日当り60tの圧搾で、38日間の操業を行い、2,270tほどのさとうきび処理量であった。その後、昭和48/49年期には19,299tの処理量で最高となり、この記録は現在でも破られていない。島の天候は厳しく、毎年のように台風と干ばつに悩まされ続けてきた。襲い来る自然災害に対して、速やかに有効な手段をどのように講ずるかでさとうきび栽培の明暗を分けた時期もあった。
 昭和46(1971)年の場合、長期干ばつの後、9月27日に台風が来襲した。被害は八重山群島一円に及び、各地に大きな爪跡を残した。波照間島においても、収穫の望めるさとうきびは皆無に近い状況で、収穫量は828t(前年度の5%)となり危機状態であった。波照間製糖(株)はその当時、来期の原料確保対策として3回にわたり、沖縄本島の大里村や石垣島等から多くの苗を取り寄せた。このようにして早急に確保した苗の量は、1万束以上にも及んだ。このときいち早く取り組んだ対応策により、例年の2.5倍の夏植を成し遂げている。さらに、春植にも力を注ぎ、災害の年の翌年は、他の島々に先駆けて早くも平年の収穫量まで回復した。さらにその後、島では株出しにも力を注ぎ増産体制を取ったため、昭和48/49年期の収穫量は史上最高となり、19,299tとなった。
 その後は安定的なさとうきび生産を行い、昭和62/63年期には17,047tを収穫した。ここ数年、10,000〜14,000t前後のさとうきびを収穫・処理し、横ばいの状態が続いている。今期(平成14/15年期)は、収穫面積が182haで、14,000t以上の収穫量が期待されている。また、産糖量においても、近年、高糖性品種の組合せ栽培により、14%以上の甘蔗糖度、歩留を常に確保していることは称賛に値する。
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(2) 現在のさとうきび栽培
波照間製糖(株)の工場全景
波照間製糖(株)の工場全景
 波照間島は収穫面積および収穫量とも横ばいの状況にはあるが、生産農家の高齢化や担い手の不足により年々生産農家が減少している中、島のさとうきび栽培面積は350haで、作付け延べ面積の75%を占めている。収穫面積は180ha前後の面積を維持しているが、毎年160haの植付を行っている状況が続いている。
 作型は、夏植88%、春植2%、株出10%で、品種は農林9号(Ni9)を中心に、農林8号(NiF8)、波照間1号(H−1)等が栽培されている。春植の面積は昭和57/58年期の3,798a(20%)を境に年々減少し、最近では全体の1〜2%程度である。夏植は昭和50/51年期には2,607a(11%)にまで減少したが、その後増え続け、最近では16,000a(90%弱)で、ほぼ夏植単作の状態が続いている。また、株出の面積は昭和49/50年期には20,354a(80%)あったが、今日では2,000a(10%)にまで減少し、夏植と逆転してしまった(表1)。特に春植が少ないのは、収穫形態が刈取組織(組、ユイマール)で行われているため、収穫優先となり、春植に回る余裕がないためである。また、春植栽培されたさとうきびは種苗用として利用される。
 さとうきびの生産量および品質は気象条件に大きく左右されるため、単収アップのために点滴灌漑施設を有効に利用し始めている。収穫に際しては、ブリックスの高い圃場から刈取りを行うなど工夫が見られる。この体制は工場設立以来実施されており、このことが高糖度の原料搬入を可能にし、強いては高品質黒糖の生産に結びついているといっても過言ではない。
表1 波照間島におけるさとうきび生産の推移
波照間島におけるさとうきび生産の推移
波照間島におけるさとうきび生産の推移
注)1 BX or 甘蔗糖度欄は、平成6/7年期以降は甘蔗糖度、それ以前はブリックス
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(3) さとうきび栽培品種の変遷と品種構成
1) 主な栽培品種
 現在、波照間島で栽培されている主な品種は、農林9号(Ni9)、農林8号(NiF8)、波照間1号(H−1)で、この3品種が全体の90%を占めている。3品種の主な特性として、次のようなことがあげられる。
(1) 農林9号は、多収・高糖性で高品質である。可製糖量が春植、夏植、株出の3作型で高い。黒穂病をはじめ他の病害に弱いが、風折抵抗性が強い。波照間島では50%近く栽培され、株出栽培に利用されるのはこの品種である。しかし、黒穂病の蔓延が心配されるため、農林15号に切り換える計画がある。
(2) 農林8号は、早期高糖性で高品質である。甘蔗糖度が春植、夏植、株出の3作型とも高く、黒穂病をはじめ病害に強い。風折抵抗性も強い。波照間島では20%弱の栽培で、年内操業(12月)の初期から収穫される。
(3) 波照間1号は、中大茎種で早熟高糖性品種である。茎数が少なく、1茎重が重い。病害に強く、風折抵抗性にも強い。波照間島では、初期生育が旺盛で、干ばつに強いため人気がある。

2) 栽培品種の変遷
 平成元/2年期以降、波照間島で栽培されている品種の推移を見ると、12品種程度があげられるが、主要な栽培品種は上述した3品種に絞られてきている。10年前まではNCo310が50%以上の栽培面積を占めていたが、その後主要3品種に替わり、減少し、現在では4%程度である。農林9号は平成6/7年期より栽培が始まり、最近急激に面積が増え、50%程度を占め、増加し続けている。農林8号は、平成9/10年期より栽培されており、一時期20%を超える面積を占めていたが、その後漸減している。近年、最も多く栽培された波照間1号は、品質取引後に急激に増加し、平成9/10年期の52%をピークに年々減少し、現在29%程度に収まっている。早熟高糖性品種で、波照間島の土壌に適しているため栽培しやすく、現在でも人気がある(表2)。その他の品種では、農林10号、13号が若干栽培されている。さらに農林15号が前期より導入され、苗用として1.6haで緊急増殖中であり、農林9号の黒穂病対策として期待されている。
農林9号(Ni9)の生育
波照間島でも人気の高い品種:
農林9号(Ni9)の生育
収穫中の農林8号(NiF8)
中型ハーベスターで収穫中の
農林8号(NiF8)
波照間1合(H-1)の生育
栽培面積が一時よりも減少してきたが、まだ
人気の高い品種:波照間1合(H-1)の生育
農林13号:Ni13
新しい品種の導入も積極的に行われている
(農林13号:Ni13)
表2 波照間島における品種別収穫面積の構成比(%)と推移
表2 波照間島における品種別収穫面積の構成比(%)と推移
注) 数値の単位は%、14/15年期は平成14年12月1日現在の見込み値である。

3) さとうきび栽培における品種構成
 波照間島では、さとうきびの品種構成から見ると、1品種に偏よる傾向にあり、人気のある品種が栽培面積を拡大している。特に最近では農林9号が50%近くを占めており、1品種の持つ短所が大きく、生育被害にならないかが心配される。この島では株出栽培面積が10%程度と少ないため、病害(黒穂病、さび病、葉焼病等)の蔓延は少ないが、このまま1品種の栽培面積が増え続けると危険な状態になることもあるため早急に対策をとる必要があると考えられる。
基本的な品種構成は、収穫期間が3〜4ヶ月の長期にわたるために、数品種を早生品種から中、晩生品種へと収穫を移していくことが重要である。波照間島では、早生品種として農林8号、波照間1号の2品種で5割の面積を、あとの5割を農林9号が占めている。農林9号を少し減らし、他の2品種または中・晩生品種をあと1品種程度増やしていくことが必要と考える。島では、収穫初期に農林8号、波照間1号、中期〜後期に農林9号を収穫適期に刈取れるようにするため、ブリックス調査を綿密に行い、高い圃場から収穫搬入する指導体制を取っている。
さとうきび栽培農家は、新しい品種には敏感で興味があり、積極的に試験栽培し、栽培適地であるかを見極めながら広く栽培していこうという姿勢がある。さらに、台風、干ばつ、病害虫抵抗性をもつ品種をバランス良く栽培し、被害回避に備えるべきであろう。
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(4) 波照間におけるさとうきび生産の各種取り組みと課題
1) 各地域における取り組み
 波照間島の地域は、北、南、前、名石、冨嘉の5集落を基に地区割りされ、それぞれの集落の農家戸数は16〜27戸で、若干の大小はあるもののほぼ同じような規模である。地区別の生産量を平成13/14年期でみると、島の全域でさとうきびが栽培されている(表3)。現在、土地改良はほぼ完了し、農家に活気がみられる。現在の平均単収は6.7tで、南集落、前集落が若干低いものの5集落とも大きな差は見られない。
 各集落では生産農家の高齢化に伴い、毎年植え付けが厳しい状況にあり、今後収穫面積を増やすため土壌病害虫(とくにハリガネムシ)等の被害を減少させ、発芽率を高め、株出面積を増やし労力の軽減を図っていくことが必要とされる。
表3 平成13/14年期における波照間島各地区のさとうきび生産量
地区 夏植 春植 株出
面 積
( a )
単 収
( kg )
生産量
( kg )
面 積
( a )
単 収
( kg )
生産量
( kg )
面 積
( a )
単 収
( kg )
生産量
( kg )
北集落
南集落
前集落
名石集落
冨嘉集落
その他
4,817
2,333
2,514
4,704
2,505
-
7,296
6,796
6,704
6,822
7,232
-
3,514,546
1,585,414
1,685,317
3,209,159
1,811,590
-
63
29
12
54
60
-
3,967
5,040
5,029
5,034
4,238
-
24,994
14,617
6,035
27,184
25,428
-
362
367
399
558
273
9
3,911
3,538
4,106
4,968
4,982
2,753
141,573
129,853
163,822
277,225
136,010
2,478
合 計 16,873 6,997 11,806,026 218 4,507 98,258 1,968 4,324 850,961
地区 合計 農 家
戸 数
(戸)
一戸当り
生産量
(kg)
面 積
( a )
単 収
( kg )
生産量
( kg )
平均甘蔗糖度
(%)
北集落
南集落
前集落
名石集落
冨嘉集落
その他
5,242
2,729
2,925
5,316
2,838
9
7,022
6,339
6,342
6,609
6,952
2,753
3,681,113
1,729,884
1,855,174
3,513,568
11,973,028
2,478
15.6
15.8
15.8
15.8
15.5
17.3
27
16
25
23
17
1
136,338
108,118
71,207
152,764
116,860
-
合 計 19,059 6,693 12,755,245 15.6 109 117,021

2) 生産組織
 収穫作業においては、刈取組(ユイマール)が16組あり、収穫には刈取組単位で作業を行う体系が現在も続いており、農業生産法人等の組織は設立されていない。
 昭和37/38年期より波照間製糖鰍ェ操業を始めてから、さとうきびの生産量も急激に増加していく中で、当時、各集落には3〜4組の刈取組が組織され、それぞれの組は交替で組長を選出し、製糖会社からの連絡事項等はすべて組長を介して刈取組員に伝えられた。収穫作業には刈取組員全員が参加するが、それを結い(ユイマール)のように刈取労力を持って返す方法をとらず、組の話し合いによって刈取賃金を査定し給付する制度を作った。その分の刈取賃金は、畑主の収入から差し引かれ、刈取組を組織した当初の頃(本土復帰前)の刈取賃金は、時給で男が15〜20セント、女が11〜12セント程度で非常に低賃金であった。
 本土復帰後も、刈取賃金は各組によって若干の格差はあるものの、低賃金で推移していった。その理由は、賃金を高くすれば畑主のさとうきびの原料代金がその分少なくなると言う配慮に基づいて執られた処置であった。
 近年では、各集落の組人数の減少により刈取労力不足が生じ、組外から応援を必要とする刈取組も出てきた。このため賃金形態にも変化が生じ、基準が設けられるようになった。平成14/15年期の場合、時給男650円、女550円を標準額とし、組長および他の刈取組からの応援に対しては基準額に150円を加算すると言う形態を取っている。また、夏植前には肥料・農薬・緑肥種子・結束縄等の生産資材の購入から、組の経理や運営等を組長が中心に担当している。これらの共同購入は離島が故の生産農家に対する細かい配慮のもとに行われている。
 波照間島の糖業は、このように一見近代的な労働形態に移行したように見えながら、実質的には、集落という地域集団組織と、親族を中心とした血縁集団組織によって形成されるユイマールの慣行が、内容を変質させた形で島の経済生活の基盤を支えている。八重山群島の中でも他地域との農作業組織の形態が最も異なる点がここにある。
 現在、各集落に3ないし4の刈取組があり、合計16の組が組織され収穫を中心として運営されている。各組は6人から18人で構成され、収穫作業を効率よく計画的に行っている。他の離島のように援農隊と称して島外、県外から収穫作業人員を入れることはほとんどない。収穫量も少ないところで404t、多いところで1,571tである(表4)。
 しかし近年、収穫面積および収穫量とも横ばいの状況にはあるが、生産農家の高齢化や担い手の不足により年々生産農家が減少していることを考えると、今後は農業後継者の育成、農作業の受委託システム、機械化一貫作業体型の確立、生産の集団化等の推進が急務と考えられる。
 また、今後も遊休地の所有者との連帯を密にし、農地の集積を図り、さらに現刈取組組織を強化していくことも視野に入れ、法人組織化を進めていくことも必要になってきており、生産者の高齢化、後継者問題を考えた場合、これから効率的な生産組織の設立が重要な問題となってくると思われる。
表4 波照間島における組別収穫量(平成13/14年期)
集落名 組名 組員数
(人)
収穫処理量
(kg)
集落別収穫
処理量(kg)
北1 17 1,199,034 3,381,113
北2 10 741,035
北3 17 1,279,969
北4 8 461,075
南1 6 456,982 1,729,884
南2 6 407,047
南3 16 865,855
前1 15 724,538 1,855,174
前2 15 726,602
前3 7 404,034
名石 名石1 13 856,392 3,513,568
名石2 12 1,086,317
名石3 18 1,570,859
冨嘉 冨嘉1 7 541,617 1,973,028
冨嘉2 13 827,655
冨嘉3 8 603,456
その他   2,478 2,478
防風林の育成
島の北東側では防風林の育成が進んでいる
(波照間島空港付近)
さとうきびの収穫作業
収穫組によるさとうきびの収穫作業

3) 収穫機械化の遅れ
 波照間島の収穫作業は、手刈、刈取機、ハーベスターの3タイプに分けられる。手刈は最も多く、刈取機やハーベスターの導入により若干減少してきているが、それでも現在70%弱を占め、刈取組により行われている。刈取機(TK−5)による収穫は、15%程度を占め、単収が8t以上のさとうきびになると機械の構造上刈取りが困難となるため、刈取能力の高い機械の早期開発が望まれる。中型ハーベスターは現在2台導入され、稼働している。ハーベスターの処理量は全体の16%程度である(表5)。2台のハーベスターでは20%程度の原料処理が可能であるが、収穫期に雨天が多く稼働率が低い状況にあり、少々の雨天でも稼働し、地域に適応した機械の導入に力を入れていく必要がある。今後は、ハーベスター向きの品種改良に取り組み、トラッシュを低減していくことが必要とされている。
 ハーベスター収穫では、単収の極端に低い圃場か、またはとくに高い圃場を収穫する傾向にある。これは、単収の高いさとうきびは人力での収穫が難しく、7t程度の単収のさとうきび原料が最も手刈り収穫しやすいからである。また逆に、単収の低い圃場では作業効率が非常に悪いため、ハーベスターに任される。
 さらに、収穫期は連続して作業を行うため、1週間に1日程度は刈取組を休ませるためにもハーベスターの活躍する場面が出来てきており、製糖会社が計画的に配分している。
表5 波照間島における収穫形態の推移
年期 手 刈 刈取機
収穫原料
(t)
収穫面積
(ha)
割 合
(%)
収穫原料
(t)
収穫面積
(ha)
割 合
(%)
7/8
8/9
9/10
10/11
11/12
12/13
13/14
11,879
6,697
10,667
8,743
11,352
8,462
8,719
147
458
457
405
119
126
125
90.4
79.9
78.8
67.1
78.4
70.8
68.3
1,257
1,688
1,804
1,987
1,434
1,776
2,038
16
31
24
35
31
32
34
9.6
20.1
13.3
15.2
9.9
14.9
15.7
年期 ハーベスター 合 計
収穫原料
(t)
収穫面積
(ha)
割 合
(%)
トラッシュ
(%)
収穫原料
(t)
収穫面積
(ha)
割 合
(%)
トラッシュ
(%)
7/8
8/9
9/10
10/11
11/12
12/13
13/14


1,066
2,302
1,692
1,714
1,998


15
13
23
31
32


7.9
17.7
11.7
14.3
16.0


12.3
11.0
11.0
11.5
10.5
13,136
8,385
13,537
13,032
14,478
11,953
12,755
163
156
166
174
173
189
191
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
0.9
0.9
1.9
2.8
2.2
2.6
2.6
表6 波照間島におけるさとうきび生産農家の規模別分布
生産量
年期
30t未満 30t〜
  49t
50t〜
  99t
100t〜
  149t
150t〜
  199t
200t〜
  249t
250t〜
  299t
300t以上 合  計
農家戸数
元/2
2/3
3/4
4/5
5/6
10
24
48
20
22
23
31
34
12
19
65
73
54
66
53
34
26
14
30
31
20
6
3
15
13
10
-
1
7
5
3
-
-
2
-
-
-
-
-
-
165
160
154
152
143
6/7
7/8
8/9
9/10
10/11
26
11
20
8
11
27
16
21
8
14
56
38
49
42
35
19
32
22
30
25
7
18
4
14
18
1
3
1
8
8
-
5
-
4
2
-
1
-
2
3
136
124
117
116
116
11/12
12/13
13/14
3
11
14
10
10
5
27
26
32
41
35
26
13
15
14
10
6
14
5
2
2
3
2
2
112
107
109

4) 製糖工場の取組み
 ハーベスター原料のトラッシュ除去については、製糖工場独自で作った脱葉装置と人手により行っているが、原料処理能力が小さく、コスト面で多くの課題を残しており、含蜜糖工場に適した高性能の小型集中脱葉装置(処理能力50t/日)の開発が急がれる。また、原料ストックヤードについては、雨天など天候によっては品質の劣化を招くため、屋根付きヤードの設置が望まれる。
 ハーベスターの導入前には、原料不足になると製糖会社の職員は農家圃場のさとうきび収穫に出かけていたが、現在、ハーベスターで原料を調整しているため原料不足がほとんどなくなり、原料の計画的な搬入が行われるようになった。

5) 畑地潅漑の現状
 波照間島の土地改良は計画した面整備を平成13年度に100%完了し、現在、県営かんがい排水事業に取り組んでいる。この事業では、送水管のほかに貯水池とファームポンドも同時に作られており、波照間地区は平成12年度、底名地区は平成13年度に完了し、前田原、毛原の両地区は整備中で、豊波、高那地区は計画中である。平成21年度の完成を目指して実施中であり、これが完成すると、10年に1度の干ばつにあっても耐えうる灌水量、貯水量を確保できるそうである。島の中心部の小高い白原地区に設置された波照間ファームポンド(貯水量1,340t)は現在すでに農業用水を供給している。灌水方法としては、スプリンクラー灌漑ではなく、水の有効利用を考えた節水型の点滴灌漑が計画されている。
 島の耕地面積は限られているため、県営かんがい排水事業の完了後には、さとうきび栽培の効率的な土地利用を行うために、春植─株出体系を増やしていき、夏植単作型から脱却し、収穫面積を増やしていくことが、さらに生産量を確保するうえでの重要な課題になると思われる。
底名1合貯水池
底名1合貯水池(3,000m2
今期は雨が多く、満水の状態である。
さとうきびの収穫作業
島の中央部 小高いところに設置された
波照間島ファームポンド(1,340トン)。
手前には取水場(コイン式)も付設されている。
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3.まとめ

 収穫面積および収穫量とも横ばいの状況にはあるが、生産農家の高齢化や担い手の不足により年々生産農家が減少しており、今後は農業後継者の育成、農作業の受委託システム、機械化一貫作業体型の確立、生産の集団化等の推進が急務と考えられる。
 また、品質取引に伴い、それに対応する品質、生産性の向上を図る上から栽培技術の確立、優良種苗の供給等の総合的な施策の展開が求められている。

 以上、今回は波照間島でのさとうきび生産の現状と課題についてみてきた。この島はさとうきび生産者の高齢化が他の島に比べ進んでいるものの、刈取組組織の強化、経営の計画的を図り、今後の取り組みに期待したいと思う。
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「今月の視点」 
2003年2月 
砂糖についての大学生・母親アンケートから
 滋賀大学名誉教授 金城学院大学非常勤講師 岡部 昭二

八重山地域におけるさとうきび生産の現状と課題 (2) ―波照間島―
 国際農業研究センター 沖縄支所 国際共同研究科長 勝田 義満

甜菜酒(ビート酒)をつくる
 北海道立食品加工研究センター 副所長 清水 條資

お砂糖雑感 全国和菓子協会 専務理事 藪 光生


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