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第6次改定日本人の栄養所要量−食事摂取基準−について

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


今月の視点
[1999年10月]

厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課生活習慣病対策室
栄養調査係長  河野 美穂


はじめに
第6次改定日本人の栄養所要量の主な変更点
エネルギー及び各栄養素について
  エネルギー所要量   脂質所要量   たんぱく質所要量
  ビタミン摂取基準   無機質(ミネラル)
「食事摂取基準」の活用について


はじめに

 日本人の栄養所要量は、健康人を対象として国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために標準となるエネルギー及び各栄養素の摂取量を示すものである。健康増進施策、栄養改善施策等の基本となるものであり、栄養指導、給食計画等の基準として幅広く利用されている。
 今回の改定では、国際的動向を踏まえ、「食事摂取基準」という新たな考え方を導入した。すなわち従来の栄養所要量の策定に当たっては、栄養欠乏症の予防を主眼としてきたが、今回は過剰摂取への対応もできる限り考慮し、策定を行った。
 なお、現在使用している栄養所要量は、平成7年度から11年度の間使用するものであり、今回は平成12年度から16年度の間使用するものとして改定した。

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第6次改定日本人の栄養所要量の主な変更点

図 食事摂取基準
食事摂取基準
1)新たな設定数値の導入
 栄養欠乏症を予防する観点から、特定の年齢層や性別集団の必要量を測定し、その集団における50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量を「平均必要量」とした。「栄養所要量」は、特定の年齢層や性別集団のほとんどの人(97〜98%)が1日の必要量を満たすのに十分な摂取量であり、原則として「平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」で表される。また、平均必要量を算定するのに十分な科学的知見が得られない場合は、特定の集団においてある一定の栄養状態を維持するのに十分な量を所要量として用いることとした。
 一方、エネルギーや脂肪等過剰摂取と関連の深い生活習慣病の増加、栄養補助食品の利用など国民の食生活が多様化している現状にあっては、過剰摂取による健康障害を予防する観点からの検討も必要となってきた。今回の策定では、特定の集団においてほとんどすべての人に健康上悪影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量を「許容上限摂取量」とした。これらの数値を総称して「食事摂取基準」とした。

2)策定栄養素の種類の拡大
 ビタミン、ミネラルについては、国際的により多くの項目の策定がなされている現状や、最新の科学的知見を踏まえ、新たな項目を追加した。
−策定項目−
 エネルギー、食物繊維、脂質、たんぱく質
(ビタミン)
 ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6葉酸ビタミンB12ビオチンパントテン酸、ビタミンC
(無機質)
カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、ヨウ素マンガンセレン亜鉛クロムモリブデン
色文字は新規項目。

3)年齢区分の変更  年齢区分は、新たに下記の区分とした。

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エネルギー及び各栄養素について

エネルギー所要量
1)基礎代謝の概念の明確化と算定方法の変更
 基礎代謝の概念は、現在国際的に必ずしも明確に規定されている状況ではないので、今回策定に当たり、暫定的に次のように定義することとした。「基礎代謝(Basal Metabolism: BM)は、身体的、精神的な安静の状態において算出する最小のエネルギー代謝量であり、生きていくために必要な最小のエネルギー代謝量とする。」この状態は、睡眠中に観察されるものである。
 エネルギー所要量は、従来、基礎代謝量、生活活動に必要な活動代謝量及び食事の摂取によって亢進するエネルギー量(特異動的作用)の総和として求めてきたが、今回の策定では、基礎代謝量に対する生活活動強度の倍率で示すことにした。
 
2)新たな生活活動強度の区分の設定
 生活活動強度の区分は、国民の生活活動が低下していることから、I(低い)、II(やや低い)、III(適度)、IV(高い)、の新しい4段階とし、生活活動レベルの低い状況にも対応できるようにした。なお、生活活動強度II(やや低い)は、現在国民の大部分が該当するものであるが、国民が健康人として望ましいエネルギー消費をし、活発な生活行動をする場合を生活活動強度III(適度)とし、国民の望ましい目標とした。

3)糖質(炭水化物)  近年、脂質エネルギー比率が増加傾向にあるのに対し、糖質エネルギー比率は減少傾向にあり、昭和50年の63.1%から平成9年では57.4%にまで減少し、特に穀類エネルギー比の減少が著しく、昭和50年の49.2%から、平成9年では40.6%にまで減少している。
 糖質(炭水化物)を含む食品は、利用しやすいエネルギーを提供するとともに、他の栄養素の重要な供給源でもある。また、血糖の恒常性の維持、一定のエネルギー比率を保つ食事が体脂肪蓄積の可能性を低減するとの報告がみられることなどから、今回の糖質の摂取量は、総エネルギーの少なくとも50%以上とすることが望ましいとされた。
 
4)食物繊維  日本人における1日当たりの食物繊維の摂取目標値は、成人で20〜25g(1000kcal摂取当たり10g目標)と推算された。

生活活動強度別 エネルギー所要量(kcal/日)
年齢区分
(歳)
生 活 活 動 強 度
I(低い) II(やや低い) III(適度) IV(高い)
0〜(月) 110〜120kcal/kg
6〜(月) 100kcal/kg
1〜2
3〜5
6〜8
9〜11
12〜14
15〜17
18〜29
30〜49
50〜69
70以上





2,100
2,000
1,950
1,750
1,600





1,700
1,550
1,500
1,450
1,300
1,050
1,350
1,650
1,950
2,200
2,400
2,300
2,250
2,000
1,850
1,050
1,300
1,500
1,750
2,000
1,950
1,800
1,750
1,650
1,500
1,200
1,550
1,900
2,250
2,550
2,750
2,650
2,550
2,300
2,050
1,200
1,500
1,700
2,050
2,300
2,200
2,050
2,000
1,900
1,700





3,050
2,950
2,850
2,550





2,500
2,300
2,200
2,100
妊婦 +350kcal
授乳婦 +600kcal

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脂質所要量
 脂肪エネルギー比率の増加にともなって、動脈硬化性心疾患の発症率や乳癌、大腸癌による死亡率の増加が認められていることから、成人の脂肪エネルギー比率は20〜25%を適正とした。
 また、食品には異なった種類の脂肪酸が含まれており、脂肪酸には飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸があり、脂質の摂取に際しては、これらの脂肪酸のバランスをとることも大切であり、これらの望ましい摂取割合の目安をおおむね3:4:3とした。

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たんぱく質所要量
 たんぱく質所要量は、基本的には従来の方法に従い算定され、所要量は18〜49歳の男性で70、女性で55である。おな、たんぱく質の過剰摂取については、カルシウム尿中排泄増加による骨粗しょう症の危険性、腎障害の可能性などが指摘されているが、現時点では論拠に乏しいことから許容上限摂取量は設定しなかった。

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ビタミン摂取基準
 従来のビタミン所要量は、最小必要量と飽和量により算出されたり、最小必要量に安全量を加えて策定してきた。この方法は、ビタミン欠乏症の予防には十分な役割を果たしてきた。
 しかしながら、最近のビタミン研究の進歩によりビタミンには、補酵素作用、代謝調節作用の他に、抗酸化作用、細胞間情報伝達作用等のみられることが判明してきた。そのためビタミンの摂取は、単に、ビタミン欠乏症を予防するばかりでなく健康の保持・増進、疾病の予防に寄与することが注目されている。
 今回は、13種類のビタミンについて、所要量を策定した。新たに策定したのは、ビタミンK、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸の6種類であり、これらは主として補酵素作用や代謝調節作用等をもたらすものである。
 許容上限摂取量は、各種研究データより副作用非発現量(No Observed Adverse Effect Level:NOAEL)、もしくは、最低副作用発現量(Lowest Observed Adverse Effect Level:LOAEL)が求められるものについて設定した。今回、許容上限摂取量を策定したのは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸である。
 たとえば、過剰症として頭蓋内圧亢進症や筋肉痛などを起こすおそれのあるビタミンAについては、成人の許容上限摂取量を1,500μgレチノール当量(5,000IU)とした。

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無機質(ミネラル)
 人体構成の元素のうち、炭素、水素、酸素、窒素を除く元素を総称して無機質(ミネラル)という。これらは人体の構成成分としてだけでなく、生命活動に必要な各種生理作用などと密接に関連している。それゆえ、ミネラルの適切な摂取は、健康の保持・増進、疾病の予防に重要な役割を発揮することになる。
 今回は13種類のミネラルについて、所要量を策定した。新たに策定したのは、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデンの7種類であり、これらは主として酵素作用や代謝作用等に関与するものである。
 ビタミンと同様、許容上限摂取量の検討を行い、今回許容上限摂取量を策定したのは、カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデンである。たとえば、過剰症として結石や高カルシウム血症を起こすおそれのあるカルシウムについては、成人の許容上限摂取量を2,500mgとした。また、ナトリウム(食塩)については、高血圧予防の観点から、15歳以上では1日10g未満とすることが望ましいとされた。

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「食事摂取基準」の活用について

 今回「食事摂取基準」という新たな考え方を導入し、栄養対策は栄養欠乏から過剰対策へと大きく転換した。「食事摂取基準」は国民の健康・栄養状態を望ましい方向に位置づけるためのひとつの指標であり、今後の栄養対策の方向性に大きく関わるものである。今回の改定を踏まえ、さらに国民向けのわかりやすいメッセージとして「食生活指針」の改定に取り組むこととしており、これらの活用が、国民の健康保持、さらには生活習慣病予防対策の推進の上で大きな役割を果たすものと考えている。

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「今月の視点」 
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