砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > お砂糖豆知識 > お砂糖豆知識[2002年7月]

お砂糖豆知識[2002年7月]

印刷ページ

最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識
[2002年7月]

さとうきびの栽培 1

沖縄県農業試験場

 さとうきびはイネ科の作物で、原産地は赤道近くのニューギニアといわています。さとうきびは寒さに弱く、暖かいところを好む作物であるため、日本国内では主に亜熱帯地域である鹿児島県の種子島以南と沖縄県で栽培されています。その他、四国でも和三盆糖という和菓子の原料糖を作るために、さとうきびが栽培されています。

1  耕地と整地
 さとうきびは根を深く張る作物で、土から養分水を根で吸収し、葉で光合成した炭水化物を使って、成長しながら糖分を茎に蓄積する作物です。葉の働きを活性化させるためには、根の活力高める必要があるため、酸性土壌等に対しては石灰資材を使用してphを6〜6.5に改良します。
排水の悪い畑では十分な排水対策を行います。耕起の深さはトラクターで40cm以上、パワーショベルで80cmを目安に深耕します。また地力増強のために堆きゅう肥の施用や緑肥作物(クロタラリヤ、富貴豆、下大豆等)を栽培し、その他の有機質の補給にも努めます。
ここまでの作業は植え付け2週間前までに終了しておくことが必要です。
○さとうきび植え付けポイント
 深耕、緑肥等有機資材による土作り
 適正深さ位置への植え付け
 適期植え付け(春植2〜3月、夏植8〜10月)
 優良種苗、適正品種の選択
耕起作業
大型トラクターによる耕起作業
深耕
超大型クローラートラクターによる深耕

2 植え付け
(1) 植え付け準備
 植溝は、根の張りを良くするとともにさとうきびを支え倒伏防止のために重要です。作溝作業はトラクター装着のリッジャー(作溝機)で行い、機械植え付けの場合は作溝と植え付けを同時に行うことができます。地下部の節数を増やし根群を活性化させるためには、適正な植溝が必要であり、極端に深くすると、降雨などで植溝が崩れて覆土が厚くなり発芽不良をおこすので、可能な限り植溝幅は広い方が良いのです。畦幅は手刈り収穫で120cm程度、ハーべスター収穫で130cm以上にします。
図1
(2) 種 苗
全茎さとうきび苗収穫機
全茎さとうきび苗収穫機
 種苗は発芽率や生育、分けつを介して収量に大きく影響するので、優良な苗を植え付ける必要があります。採苗園を作り、優良種苗の苗園の植え付け時期としては、春植え用苗で植え付け前年の6月、夏植用苗で植え付け前年の11月植が望まれます。栽植密度は品種や土壌型、肥沃土によって若干異なりますが、春植えで株間が25cmから30cm、夏植で30cmから40cmで植え付けます。また裁断式収穫機を利用して採苗する場合は3割から4割増しの本数を植え付けます。
図2、図3
プランター
切断苗植え付け用プランター
プランター
新型ロータリー装着型全茎側方プランター
砕土、畦立て、苗切断、施肥、農薬散布、覆土、槙圧、
除草剤散布の全ての作業が一行程でできる。

|ページのトップへ|


BACK ISSUES
「お砂糖豆知識」インデックスへ