前回はさとうきび苗を植え付けるポイントとして土作り、根群を活性化させるための適正な植溝、作型別種苗確保時期などを紹介しました。今回は生育時における栽培ポイントを紹介します。
(1) 補植・芽堀
さとうきび苗の植え付け直後に土壌が乾燥している時は灌水を行い、降雨によって畦が崩れ、苗が深く埋まったら軽い中耕を行い発芽を促すことが大切です。
夏植えは植え付け後2〜3週間後、春植えは4週間後に補植を行うことによって、有効茎数が確保され、安定多収につながります。
(2) 施肥方法
基肥は土壌と十分混和させておき、追肥は株から5〜10cm程度離してその後覆土します。配合肥料を用いるときは、窒素を基準にして施用量を求めます。最終施肥は7月までに行い、遅れると品質低下を招くので注意が必要です。
ア) ジャーガル地域
基盤整備等によりクチヤ(母岩)が作土に出たときは、生産力が低下するので、堆きゅう肥等で地力増進に努めます。
イ) 島尻マージ地域
保水力が弱いため降雨による窒素の流亡が多く、被覆肥料(コーティング肥料)の使用が望まれます。
ウ)国頭マージ地域
酸性土壌のため、過燐酸石灰やBMようりん等の燐酸資材を基肥として、土壌中の有効態燐酸含有量を高める必要があります。また土壌腐食が非常に少ないので堆きゅう肥の連用に努めます。
エ) 牛糞堆肥、豚糞堆肥、鶏糞堆肥等は多量な養分を含んでいるので、施用する際は化学肥料を減肥する必要があります。
(3) 培土の時期と方法
ア)培土の効果
培土することで地下節数が増えるため、根数が増加して生育が促進されます。この結果、倒伏が防止され枯死茎が少なくなり、生葉数が多く維持されるので品質や収量が高くなります。また雑草の発生も抑制されます。
イ)培土時期
培土は早すぎると分けつが抑制され、遅すぎると茎や根に損傷を与えるので、適期管理が大切です。