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ブラジルの砂糖産業の概要について

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報

海外レポート
[2004年1月]

 ブラジルは世界最大の砂糖輸出国であり、国際市場におけるその役割は重要度を増してきています。また、さとうきびからは、砂糖だけでなく、エタノールも生産されており、砂糖生産量はエタノール需要の影響を受けて変動します。
 こうしたブラジルの砂糖産業の概要について、英国の調査会社LMC社からの報告をもとに、調査情報部でまとめたので紹介します。

調査情報部


生産状況
  需給バランス  製糖産業  精製糖産業  砂糖の流通
砂糖制度の概要
  砂糖制度の現状  さとうきび生産  砂糖生産
  農家と製糖業者の関係  貿易政策
  異性化糖及びその他の甘味料について
  アルコールの生産について  アルコールの価格と販売
  砂糖産業の現在の問題


生産状況

需給バランス
 近年、砂糖生産量は毎年2,000万トンを上回っている。うち国内消費量は1,000万トン弱で、輸出量が1,000万トンを上回っている。生産量が減少したのは、2000/01年度のみで、干ばつが発生し、中南部の収穫量が大きく減少したためである。ブラジルでは、砂糖の大部分が中・南部で生産されており、「クリスタル」と呼ばれている糖度99.3〜99.7、ICUMSA100〜150の品質の糖種が主に生産されている。これとは対照的に、北・北東部での砂糖の生産は、通常の粗糖が大部分を占め、クリスタル糖の比率は中・南部ほどではない。
 また、ブラジルのさとうきび栽培面積は全国で450万haに達している。中・南部だけでも360万haとなっており、今後も収穫地は拡大することが見込まれる。目立つ地域としては、Sáo Paulo州、Paraná州、Minas Geraris州、Mato Grosso州、Mato Grosso do Sul and Goiás州である。Sáo Paulo州の収穫面積が飛躍的に拡大し、約300万haにまで達している。ブラジル全土の耕地面積は、約5,500万haもあることから、さとうきびの収穫面積が締める割合は10%にしか過ぎず、末耕作地も8,000〜9,000万haあると見られている。

表1 砂糖の需給バランス (単位:1,000トン、粗糖換算)
表1
注:03/04年度のデータは予想数字
資料:UNICA、ISO、LMC予想
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製糖産業
 北・北東部では、工場数が急速に減少してきている。中・南部では減少のペースが比較的緩やかである。いずれの地域においても、合併等の再編合理化が進む傾向にあり、小規模製糖工場は廃止され、大規模工場が拡大を行なっている。そのため、稼動工場数が減少しているが、工場の平均規模は拡大する傾向にある。北・北東部と中・南部の工場を比較すると、中・南部の方が平均約30%規模が大きく、また製糖期間が長く、設備稼働率も高い。
 さとうきびからアルコールと砂糖を生産することは、工場操業日数を40日間延長させ、稼働率の向上にもつながると見られている。アルコールは、還元・非還元のいずれの砂糖からも生産できることから、アルコール生産向けのさとうきびの圧搾時期はショ糖の含有量の変化ではなく、ブリックスの変化をもとに判断する。このため、アルコールの生産は、ショ糖分の比較的低い、さとうきび圧搾機関の初めと終わりに集中する傾向がある。
 中・南部には、世界最大規模の工場がある。それは、Usina DeBarra、Usina Sao Marthinoなどである。これらの工場は、3万5,000トン/日を超える生産能力がある。この2つの工場以外にも、10工場が2万トン/日を超える圧搾能力を備えている。Sáo Paulo州は、中・南部の砂糖生産の3/4、アルコール生産の70%を占めている。これは、ブラジルの砂糖及びアルコール生産量の6割以上に相当している。
 北・北東部において生産量が多いのは、Alagoas州とPemambuco州である。Alagoas州では、この地域の砂糖の半分以上とアルコールの46%以上を、Pernambuco州では砂糖の33%、アルコールの29%を生産している。
 Sáo Pauloを中心とする中・南部は、さとうきび生産量と産糖量の比率(TC:TS)は、中・南部8.4に対し、北・北東部では10.7と中・南部地方の方が優れている。ショ糖の平均含有量は、中・南部では14.6%と北・北東部の12.4%よりも高い。

表2 さとうきびの生産額及び産糖量等の推移
表2
資料: UNICA、IBGE、LMC予想

表3 中・南部地域
表3
資料: UNICA、IBGE、LMC予想

表4 北・北東部地域
表4
資料: UNICA、IBGE、LMC予想
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精製糖産業
 国内の製糖工場で生産される砂糖の大部分は、低品質の白糖であるクリスタルと呼ばれるものである。クリスタルであっても、大量出荷されるものは、国内出荷であるか輸出であるかを問わず粗糖に分類される。粗糖は、消費される前に精製されることを前提に出荷されている。
 精製糖の生産量は、複合型精製糖工場と専業の精製糖工場の合計で230万トンである。工場数は、複合型が12工場、専業が4工場で、専業工場は全て中・南部に位置している。

砂糖の流通
 国内の家庭における砂糖消費量は、毎年約60%となっている。残りは業務用となっているが、この中で飲料部門での消費量が目立っている。また、1人当たりの砂糖消費量は、55kg以上と多くなっている。一部の工場では、業務用のみの生産しか行なっていない。業務用砂糖については、包装形態は、ユーザーの要望に応える形で出荷されている。輸出用の場合は、50kg用のポリエチレン製袋あるいは1トン用の袋で出荷される。市場の小売においては、一般的に500g用の小売用袋に袋詰めした形で出荷されている。

表5 砂糖の用途別消費量 (単位:1,000トン、粗糖換算)
表5
資料:LMC予想
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砂糖制度の概要

砂糖制度の現状
 ブラジルの砂糖産業は、Proalcool(プロアルコール)政策に基づいて行なわれている。これは、1975年にさとうきびから精算される燃料用アルコールの使用促進を目的につくられた政策である。また、70年代半ばの世界的なエネルギー危機を背景に、ガソリンの代替燃料としてアルコールを使用する目的に加え、原油輸入を抑制し、貿易収支の改善を図るブラジル政府の意向も反映している。 この政策は、砂糖産業の規模、構造、生産コストに大きな影響を与えた。特に中・南部のSáo Paulo周辺を中心とするさとうきび収穫地では、Proalcool政策導入後、さとうきびの生産が大幅に上昇した。
 しかし、政府によるさとうきび政策の方針が変更された。さとうきび、砂糖、アルコールに対する政府の価格統制が撤廃され、価格は市場原理に委ねられるようになった。ブラジル政府の管理下にあるのは、ガソリン中の無水アルコールの混合比率のみとなった。また、アルコールの生産量規制も撤廃された。アルコール生産量は、国内の自動車保有台数に応じた燃料用アルコールの生産量を確保するために規制されていたが、価格と同様に、市場原理に委ねられるようになった。

さとうきび生産
 政府は、さとうきびの生産調整を行なっていない。また、農家はさとうきびを納める製糖工場を自由に選択することができる。実際には、中・南部、北・北東部ともに、多くの農家は製糖工場の所有地または借地においてさとうきびを栽培しており、農家自身が所有する土地で生産されるさとうきびは全体の30%に過ぎない。
 さとうきび生産地域は、中・南部及び北・北東部の2つに分けられる。中・南部では生産コストが比較的小さく、栽培条件にも恵まれている。また、経済的にも中・南部の方が北・北東部より豊かなことから、政府は地域経済政策・社会政策として175.07レアル/トンの生産助成金を農家に支払う等、北・北東部のさとうきび産業への助成をより多く行なってきた。現在は、生産助成金は支払われておらず、経済状況の悪化に伴い、近年、北・北東部のさとうきび産業は停滞している。最近10年間のブラジルのさとうきびの生産量の伸びは、中・南部の生産増によるものがほとんどである。中・南部の生産量は、90年代始めには1億7,000〜8,000万トンだったが、03/04年度には2億9,500万トンにまで達すると予想されている。

表6 製糖工場の技術的能力指標 (1998/99−2002/03)
表6
資料: UNICA
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砂糖生産
 砂糖とアルコールについて、政府は生産量及び輸出量の規制を行なっていない。含水アルコールの価格が1998年に自由化されて以来、砂糖とアルコールの生産量は、市場原理に依存しており、砂糖とアルコールに価格差が生じたときには、製糖業者自らが有利な方を選択できるようになっている。
 砂糖の国内市場供給についても、政府による規制は行なっておらず、年間を通じて、砂糖の安定供給を確保するための仕組みも存在しない。そのため資金力のない製糖業者は、収穫期の間に国内市場へ砂糖を販売せざるを得ない。また、価格も輸出価格にまで引き下げられる傾向にある。
 収穫期以外の時期には、砂糖の国内供給量が減少するため、国内市場における砂糖価格は上昇する傾向にあり、この時期には輸入価格に関税を加えた価格とほぼ同水準にまで価格が高騰する。しかし価格高騰の恩恵を受けることができるのは、在庫を貯蔵できるだけの資金力のある製糖業者のみである。
 ブラジル産砂糖に最も高い値が付くのは、アメリカの砂糖輸入割当に対して販売したときである。北・北東部の製糖業者は、アメリカの最低関税率適用される割合のうち、14%を与えられており、これは、15〜16万トンに相当し、北・北東部からの輸出量の10%未満にすぎない。中・南部からの輸出は、アメリカの輸入割当の対象外となっている。

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農家と製糖業者の関係
 砂糖とアルコールの販売から得た総収益を収益分配制度に従って分配することで、農家は総収益の一定割合を受け取っている。1998年にさとうきびと含水アルコールの価格が自由化され、98/99年度にはかつての固定価格制に代わって、現在のさとうきび代金支払方式が中・南部で導入された。この方式は、99/2000年度に北・北東部にも適用された。
 砂糖の収益計算は、クリスタル糖の収益をもとに行なわれる。また、品質に関係なく、あらゆる砂糖がクリスタル糖扱いで計算される。そのため精糖による付加価値は、農家の収益には反映されない。
 個人経営農家への支払いは、さとうきびのATRをもとに行なわれる。ATRとは、さとうきびから生産できる糖分の合計値を表す単位である。従って、さとうきびから砂糖として生産された糖分とアルコールとして生産した糖分の両方を考慮して、農家にさとうきび代金が支払われる。農家は、さとうきびのATR値に応じた収入を受け取る。北・北東部では砂糖、アルコールとも、ATR値が一律60%に設定されている。中・南部では砂糖が57%、アルコールが61%となっている。このように、さとうきびの価格は、全製品の販売価格を加重平均したものを、農家へのATR分配比率で表す形になっている。
 中・南部では、Consecanaと呼ばれる委員会がこの制度を管理運営している。さとうきび生産者に農家の団体(サンパウロさとうきび生産者協会=Orplana)と製糖業者の団体(Sáo Pauloさとうきび製糖者協会=Unica)からそれぞれ同人数の委員を選出し、この委員会を構成している。

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貿易政策
 WTO協定では、関税率を粗糖55%、白糖85%から、ともに35%まで引き下げることを合意していた。現在関税率は粗糖、白糖ともに16%とこの水準を下回っている。EUの砂糖政策について、2002年11月に行なわれたブラジルとEUの会談において、互いに解決の糸口が見出せなかったため、2003年7月、ブラジルはEUの砂糖産業に対する不満をWTOに訴え、正式な調査を依頼する意向を表明した。ブラジルは、「EUは砂糖輸出業者への助成を通じて、実質的に砂糖の国際価格を引き下げている」と主張している。


異性化糖及びその他の甘味料について
 ブラジルでは異性化糖は生産されていない。輸入も極めて少なく、年間わずか数十トン程度となっている。これは、ブラジルでは砂糖産業の規模が大きく、生産コストも非常に低いため、異性化糖が砂糖に対抗できないからである。
 また、異性化糖に比べて代替甘味料の使用も少なく、サッカリンとブドウ糖、デキストロース以外では生産量はわずかとなっている。
 ブラジルの飲料市場は、世界第4位の規模を誇っているが、低カロリー飲料はあまり普及していない。1997年に成立した法案では、炭酸飲料に人工甘味料を混合することは認められておらず、特に同飲料の使用が増加しないためと見られる。

表7  甘味料消費量 (単位:1,000トン、白糖換算)
表7
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アルコールの生産について
 アルコールは、さとうきび及び糖みつから生産されており、含水及び無水アルコールに分かれている。
 生産されるアルコールのほぼ全てが、燃料として国内で使用される。含水アルコールはアルコール専用車の燃料に使用されているが、アルコール専用車の生産台数減少に伴い需要は低下傾向にあり、生産量については、97/98年度の97億リットルから、01/02年度には51億リットルへ低下した。02/03年度には56億リットルと増加の見込みとなっている。
 無水アルコールは、ガソリンに混合され、エンジンのある通常の自動車の燃料に使用される。ガソリンへの混合率は20〜26%であり、無水アルコールの生産量は、自動車の販売増に伴って増加している。

アルコールの価格と販売
 997年5月に無水アルコールの価格が自由化されて以来、アルコールの販売に対して厳格な管理が行なわれている。
 含水アルコールは、1997年以降も価格管理が継続し、生産者・購入者ともに、含水アルコールの価格を目安に、無水アルコールの価格を決めていた。
 含水のアルコールの価格自由化については、膨大な在庫となり、価格が暴落する懸念があったため、政府は1998年5月に予定していた価格自由化を先送りした。しかし、1992年2月に自由化が正式に決まり、自由化により含水アルコールは、政府の公示価格の最大30%引きで取引された。
 中・南部では、98/99年度のアルコールの価格は、低価格で推移したものの、さとうきびの収穫量が多かったため、アルコールの生産は低下しなかった。この結果、中・南部では、アルコールは、過剰在庫を抱えた状態が継続した。そこで、中・南部の250もの生産者が「ブラジル・アルコール」(BA)という会社を設立した。この会社の目的は、国内市場から約12億リットルのアルコールを回収することと、99/2000年度生産分のアルコールをBolsa Brasileira de Alcool(BBA)市場に供給することであった。BBAは、中・南部のアルコール生産量の約85%を販売していたため、燃料販売業者に対して強い発言力を持っていた。BBAの働きは、同時期に生じた原油価格はの上昇に伴う、国内でのガソリン価格の上昇とともに効果を示し、含水アルコールの平均価格は上昇した。
 また、政府は、1999年5月、民間企業の活動支援策として99/2000年度にアルコールを年間20億リットル購入すると発表した。
 これによって、国内アルコール市場へのさらなる支援を図るとしていたが、実際に政府が購入したのはわずか4億リットルであった。
 BBAの活動により、これだけで含水性アルコールの平均価格上昇につながった。この時期は、原油の国際価格の上昇に伴い、国内ガソリン価格が上昇した。このことが、BBAにとってアルコール価格の引き上げを容易にさせたのである。
 BBAは、2000年にいくつかの小規模販売組織に分割され、ブラジル政府は、単独で砂糖及びアルコール産業への介入を行なうことになった。以後も政府は、ガソリン中のアルコール混合率を需給状況に応じて20〜26%に設定することで調整している。市場へのアルコール供給量に応じて、この混合率はここ数年の間に何度も変更されてきた。02/03年には、アルコール産業は、市場から在庫を回収する組織の設立を試みたものの、成果は上がらなかった。また、03/04年度には、アルコールが不足したため、在庫確保を目的に、ブラジル政府は500レアルの資金助成を行なった。毎年、収穫期以外の時期にアルコールの価格が上昇するため、この時期を乗り切るだけの十分な在庫を確保しようとの試みであった。
 2000/01年度には、原油価格の上昇、さとうきびの減産、アルコール在庫の減少により、アルコールの価格は高騰した。これに対し政府は、政策を転換し、アルコール価格を抑制するため、燃料中の無水アルコールの必須混合率を20%まで引き下げた他、国内市場へのアルコール供給を補うため、在庫の買い上げと売却を行なった。

表8 エタノール生産量 (単位:100万キロリットル)
表8
資料: UNICA

表9 さとうきび工場の技術的能力指標
表9
資料: UNICA

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砂糖産業の現在の問題
 ブラジルの砂糖産業が直面している問題は、さとうきびの収穫量の増加に対し、砂糖とアルコールの販売が伸びないことである。現在、ブラジルのさとうきび生産は収益産業であるが、このまま収穫増が続けば、砂糖とアルコールの価格低下につながるものと考えられる。世界の砂糖輸出量の約40%をブラジルが占めているため、同国の砂糖輸出量は、砂糖の国際価格を左右することになる。当面は、収穫量が消費の伸びを上回る率で増加し、砂糖とアルコールの価格も安値が続くことが予想されている。
 ブラジルでは、生産コストが低いため、砂糖の国際市場に占める割合は、今後も拡大を続けていくものと見られる。同国が、産業を維持するためには、砂糖保護政策国への働きかけを継続していく必要がある。
 最近まで、国内では、アルコールの需要増が期待できないと見られていた。それは、アルコール専用自動車の保有台数の減少に伴い、含水アルコールの需要が減少したためである。しかし、多種燃料適応型自動車が開発されたことにより、ガソリンとアルコールの混合比率の調節が可能となり、アルコールの需要量の増加の可能性が高くなってきた。ガソリンとアルコールのどちらでも使用が可能となれば、消費者がガソリンとアルコールの価格を比較して選ぶことができ、アルコールの国内価格にも影響を与える可能性がある。また、多種燃料適応型自動車の普及が進めば、ガソリンとアルコールの価格動向が非常に密接な関係となる。これまでに自動車メーカー4社がこのタイプの自動車を発売しており、売れ行きも好調のようである。2〜3年以内には、販売される自動車の大半がこのタイプのエンジンを搭載しているという見方もある。
 アルコールの輸出について、ブラジルは期待を寄せている。しかし、現状では、燃料用アルコールの輸出入が皆無に近いことや業務用アルコール市場も成長性に乏しいことから、困難であるという見方が強まっている。現在、輸出先として日本が注目されている。日本は、京都議定書に基づいて燃料用アルコールの使用を検討しており、ガソリン中のアルコール混合比率を3%引き上げ、最終的には10%にまで引き上げるものと見られる。その場合、年間約60リットルの需要増が予想されている。
 2003年7月、EUに対する訴えをWTOへ通報し、正式な調査を依頼する意向を表明した。その内容は、「EUは砂糖輸出業者への助成を通じて、実質的に砂糖の国際価格を引き下げている」というものである。2002年11月に行なわれたブラジルとEUの会談では解決できなかったためである。
 また、1998年にアルコールとさとうきびの価格が自由化されたことにより、収穫計画や輸出割当の公示がなくなり、砂糖とアルコールの価格及び生産量は、市場原理に委ねられることになった。しかし、政府と砂糖団体は、価格操作を目的とするアルコール市場への介入を現在も依然として行なっている。また、政府は砂糖の輸出に対する課税権も所有している。
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