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海外市場の動き[2000年3月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[2000年3月]

[NY市場の動き]

【NY市場の動き】

 1月の市場は、支援材料がいくつかあったものの過去5年間に積み上がった余剰供給量を相殺するまでには至らないとの見方が市場を支配し、さらに、圧迫材料を受けて、ファンド筋と生産者筋の売りに続落し、昨年4月に記録した86年以来13年振りの安値水準である4セント台も視野に入るほど軟調に推移した。支援材料としては、(1)世界最大の生産及び輸出国であるブラジルが内需の強さとさとうきびの収穫高が減ったことを背景に2000/01年度の輸出量を減少させる可能性がある、(2)中国が昨年12月に降霜の被害を受け、砂糖生産が減少し輸入する可能性がある、等があった。また、圧迫材料としては、(1) 買い付けが低調なことから世界の砂糖在庫は毎月50万トン程度積み上がっている、(2) 今年のロシアの買い付けは大幅に減少する見込みである、(3) 2000年問題で需要が前倒しされた、(4) 増産が予想されるタイ及びキューバが収穫期に入る、等があった。
 86年と現在の需給バランスを比較すると、86年当時は4年連続の供給不足が始まった時期であるが、現在は6年連続の供給過剰という環境にあり、その違いは歴然としており、現在の方が悪い状況となっている。
 このような状況の中で、現物価格は、最高値が3日の6.20セント、最安値が24日の5.38セント、月平均は前月に比べて0.36セント安の5.64セントとなった。また、期近3月限価格は、最高値が3日の6.10セント、最安値が24日の5.29セント、月平均は前月に比べて0.39セント安の5.56セントとなり、現物価格及び期近3月限価格とも前月に引き続き下落した。
 今後の市場動向に関して、国際砂糖機関(ISO)は、今年の世界の砂糖生産見通しは、ブラジル、中国及びトルコ等で減産が見込まれるものの、EU、インド、タイ、オーストラリア及びキューバで増産が見込まれ、減産幅より増産幅の方が大きいことから、今年の砂糖相場は、上半期中には価格の回復が困難と予測している。
 また、ソロモン・スミス・バーニー社は、これまではロシアの買い付けが砂糖の国際相場を下支えしていたが、今年は同国のビート収穫量が予想を上回っていることから、輸入量は低い水準にとどまる可能性があると見込まれ、砂糖相場にとって深刻な問題であるとの見方を示した。
 一方、市場関係者は、F.O.リヒト社が世界最大の砂糖生産国であるブラジルが2000/01年度は減産すると予測していることに加え、その他主要生産国の減産及びアジアの需要回復を背景に、昨年13年振りに落ち込んだ砂糖相場は今年後半には上向くのではないかと予測している。
〔輸入農産部〕

N.Y.NO.11の推移(現物相場・月平均)
NY11の推移(現物相場・月平均)