3月の市場は、月前半から月半ばにかけては、(1)インドが砂糖の輸入関税を引き上げたこと、(2)中国がさとうきび生産地域で降霜の被害を受けたものの、大量の在庫を抱えていることから、輸入する可能性が低いこと、等の弱材料と、(1)ロシアが4月29日から粗糖関税を現行の5%に10%上乗せする特別関税の導入を告示したが、これを前に駆け込み買い付けを行っている、(2)アジア及び中東諸国などからの散発的な買いが入ったこと、等の強材料から狭いレンジの中で揉み合う展開となった。
しかしながら、月後半は、(1)ブラジルはさとうきびの主要生産地域である中南部の砂糖生産高の減産幅がこれまでの予想を上回る可能性がある、(2)タイがさとうきびの買い上げ価格をめぐって製糖会社と農家の間でトラブルがあったことから、砂糖の生産高を下方修正する可能性がある、(3)オーストラリアもさとうきびの主要生産地域であるクィーンズランド州でサイクロンによる洪水被害が予想外に大きかったことから、砂糖の生産高を下方修正する可能性がある、等の強材料を受けて現物価格及び期近5月限価格とも反発し、上昇傾向となって推移した。
最近の市場動向に関して、市場関係者筋は、需給バランスは依然として供給過剰であるが、短期的な軟調地合いと長期的な堅調地合いの分岐点にさしかかっている状況となっていると指摘した。
このような状況の中で、現物価格は、最高値が31日の6.23セント、最安値が6日の5.26セント、月平均は前月に比べて0.02セント安の5.49セントとなった。また、期近5月限価格は、最高値が31日の5.90セント、最安値が2日の4.96セント、月平均は前月に比べて0.01セント安の5.24セントとなり、現物価格及び期近5月限価格とも小幅ながらも前月に引き続き下落した。
今後の市場動向に関して、トレーダー筋は、(1)中国がサッカリンの使用規制を厳しく行っていることによって、サッカリン5,000トン (砂糖換算175万トン) が砂糖へ転換され、先行き砂糖の消費はさらに伸びて行くと予想される、(2)ブラジルと EU で減産が見込まれる、(3)アジア地域で需要の回復が見込まれる、等が支援材料となって市場は反発局面を迎える可能性が高いと予測している。
