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海外市場の動き[2000年9月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[2000年9月]

[NY砂糖市場の動き]

【NY 砂糖市場の動き】

 7月の市場は、(1) ブラジルが干ばつ及び降霜の被害による減産で、輸出量の大幅な減少が見込まれること、(2) オーストラリアが天候不順によって減産見込みであること、(3) 白糖の最大輸出元であるEUが作付面積の減少によって減産見込みであること、(4) 現物の取引が活発なこと、(5) アジア及び中東諸国が景気回復に伴って順調に消費が伸びており積極的な買い付けの動きが出始めていること等の良好なファンダメンタルズ(需給要因)を背景に業者筋及び投機筋等の活発な買いによって続伸し、現物価格は一時11セント台を記録、また、期近10月限価格は11セント台に迫るなど、2年5カ月振りの高値を更新し、前月に引き続き上昇基調で推移した。
 現在の市場状況について、国際砂糖機関(ISO)のエコノミストは、需給関係とテクニカル要因が相まって、相場の上昇基調が維持されているが、依然として1990年代の平均水準を下回っていると指摘している。
 このような状況の中で、現物価格は、最高値が28日の11.31セント、最安値が10日の9.06セント、月平均は前月に比べて1.46セント高の10.18セントとなった。また、期近10月限価格は最高値が28日の10.89セント、最安値が10日の8.66セント、月平均は前月に比べて1.29セント高の9.74セントとなった。現物価格及び期近10月限価格とも高低差が2セント以上の大きなレンジの中で推移した。

NY11推移(現物相場・月平均)
NY11推移(現物相場・月平均)

 今後の市場動向に関して、トレーダー筋は、強材料になりそうなものとして、(1) ブラジルは価格低迷による生産意欲の低下に加え、断続的な干ばつの被害によって7年ぶりの減産となり、輸出量も5年前の水準に逆戻りとなる見込みである、(2) EUはビートの作付面積を年々減少させ、単収アップでカバーしてきたが、今年も作付面積の減少によって減産が見込まれる、(3) タイはさとうきびに「いもち病」が発生し、関係者が警戒を強めていることから、その影響が心配される、(4) オーストラリアは今年2月末のサイクロンの被害によって減産となり、輸出量の減少が見込まれる。一方、弱材料になりそうなものとして、(1) インドは同国の消費量の6カ月分近い在庫を抱えており、さらに価格が上昇すれば余剰玉を輸出する可能性が高い、(2) ロシアは来年から導入される輸入割当制度により、輸入量が今年の406万トンから365万トンに圧縮される見通しである、(3) さとうきびの生産コストは概ね8セント台であるが、現在の相場水準は生産コストを上回っていることから、来年へ向けて増産ムードが広がる懸念がある等を挙げ、ファンダメンタルズが相場上昇を支えるほど十分に強いのか、相場が反落に転じてしまうのか、今後の動きを予測するのは実に難しいとの見方を示している。
〔農産流通部〕
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