5月の市場は、ブラジル、タイ、オーストラリア、インド等におけるさとうきびの増産見込み、EU、ロシア、ウクライナにおけるてん菜作付面積の増加見込み等により世界的な供給過剰が予想されている一方で、キューバでのハリケーンの被害、オーストラリアでの病害、ブラジルでのエタノールの増産見込み等により産糖量が当初の予想より減少すると見られていること、ロシアの第2四半期の低関税輸入割当の輸入期限が6月末に迫っていること等の市場環境の中で、月初めに6セント台から始まった相場は、その後、7セント台を維持して推移する展開となった。
この結果、現物価格の最高値は16日の7.74セント、最安値は1日の6.72セント、月平均は前月に比べて0.22セント高い7.33セントとなった。また、定期相場は、7月限平均価格は5.64セント、10月限平均価格は5.54セント、1月限平均価格は5.65セント、3月限平均価格は5.81セントとなり、10月限は7月限に対して0.10セントの逆ザヤとなっている。
今後の市場動向に関しては、ブラジルを初めとする主要生産国の増産見込みにより世界的な供給過剰が予想され、国際相場は上値が重い値動きが続くと見られているが、さとうきびの記録的な増産が見込まれているブラジルにおいて、外貨の節約と国際砂糖価格の安定化を目的としたアルコール増産政策が進められようとされており、その動向が注目される。
