6月の市場は、ブラジルのアルコール政策によりガソリンへのエタノール混合率が引き上げられ、その分の砂糖生産量が抑制されるとの支援材料がある一方、
(1) 主要生産国の生産増による世界的な供給過剰が予想されていること、
(2) ロシアの低関税輸入割当分の輸入が6月末で終了すること、
(3) 世界最大の輸出国であるブラジルの通貨レアルがアルゼンチン通貨ペソに連動して下落していること、
(4) 28日に納会を迎える期近7月限に買い玉の手仕舞いが予想されること
等の弱材料が支配的となった市場環境の中で、月初めから漸次下落し、月半ばには7セントを割り込む展開となった。この結果、現物価格の最高値は3日の7.55セント、最安値は24日の6.67セント、月平均は前月に比べて0.27セント安い7.07セントとなった。
また、定期相場は、21日の期近7月限の終値(4.99セント)が当月限りの終値としては2000年3月2日(4.96セント)以来、約2年3ヵ月ぶりに4セント台の安値となった。28日の納会値はスプレッド買いにより5.91セントまで上昇して終了した。この結果、期近7月限の平均価格は5.40セント、10月限月平均価格は5.25セント、1月限平均価格は5.40セント、3月限平均価格は5.56セントとなったが、依然として10月限は7月限に対して0.15セントの逆ザヤとなっている。
今後の市場動向に関しては、ブラジル、タイ、オーストラリア、EU等主要生産国の増産により供給過剰が見込まれているものの、
(1) ブラジルのアルコール政策により世界市場への供給調整が図られると見られていること、
(2) 中国政府の備蓄在庫が不足に陥っていること
等から、当面、国際相場は6〜7セント台で推移すると見られている
