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海外市場の動き[2002年9月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[2002年9月]

[NY市場の動き]

【NY市場の動き】

 ブラジル、タイ等主要生産国の増産による供給過剰から国際相場は軟調傾向で推移するとの見方が支配的と言われている中で、
(1) タイからの粗糖の輸出量が、同国の白糖の生産が増加したことにより限定的になったと見られていること
(2) イラン、フィリピン等からの粗糖の買い付けが旺盛だったこと
等により、粗糖の現物需要がタイトになっている市場環境を反映し、7月の現物市場は、6月の7セントを割り込んだ相場から回復し、8セントを挟んで推移する相場展開となった。この結果、現物価格の最高値は3日の8.36セント、最安値は30日の7.60セント、月平均は前月に比べて0.95セント高い8.02セントとなった。
 また、定期市場は、国際相場が弱含みで推移するとの見通しの中で、株式市場からの資金流入と見られるファンド筋からの買いが入ったことにより、期近10月限は一次6セント台(23日、6.17セント)を回復する相場展開となった。この結果、期近10月限の平均価格は5.79セントとなり、また、1月限月平均価格は5.93セント、3月限平均価格は5.89セント、5月限平均価格は5.75セント、7月限平均価格は5.56セントと、向こう一年は先安傾向となっている。
 今後の市場動向に関してリヒト社は、7月8日に発表した世界の砂糖生産予想の中で、01/02年度の生産量が前年度から500万トン増加することに加え、02/03年度はブラジルと中国の記録的な増産により供給過剰になることから、今後の世界の市場価格は一層危機的状況になると見通している。
 また、市場関係者によると、世界最大の砂糖の輸出国であるブラジルは現在、さとうきびの記録的な増産の中で、通貨レアルの下落により砂糖の輸出に弾みが付けられると見られているが、同国の砂糖生産者は、国際相場が低迷していることから輸出には消極的であると言われている。同国ではアルコール政策のもとにさとうきびからエタノールを生産しているが、現在、砂糖市場の混乱を防ぐためにエタノール備蓄計画が進められていると言われ、砂糖とエタノールの市場を睨みつつ双方の生産にさとうきびを振り分けている同国の今後の動向が注目されるところである。
〔農産流通部〕