オーストラリアで干ばつの被害が出ているもののブラジル、タイ、EU等の増産により、長期的には世界の相場は低調傾向と見られているが、短期的には粗糖需給のひっ迫感が持たれいる。その結果、8月の市場は、7月と同様に8セントを挟んだ小幅な展開となり、現物価格の最高値は8日の8.11セント、最安値は19日の7.70セント、月平均は前月に比べて0.16セント低い7.86セントとなった。
一方、定期相場は、期近10月限は思惑筋の買いと業者筋による10月限から3月限への乗り換え絡みの買いにより一時6セント台をつけたものの、大方が5.7セントから6.0セントの狭いレンジ内にとどまった。この結果、期近10月限の平均価格は5.86セント、1月限月平均価格は5.85セント、3月限平均価格は5.85セント、5月限平均価格は5.68セント、7月限平均価格は5.45セントと、今後一年は先安傾向となっている。
8月は夏休みということもあり、現物、先物とも取引きは低調で値動きも少なくなる時期とされている。
今後の市場動向に関しては、オーストラリアやインドにおいて干ばつの被害が発生しているものの、ブラジルの増産に加え8月に行われたEUのビートテストの結果が良好だったことから、さらなる供給過剰を懸念する見方が支配的となっている。米国農務省(USDA)の砂糖担当アナリストは、砂糖の国際価格は02/03年度には平均6セント(01/02年度は平均7.3セント)まで下落するとの見方を示しており、また、E・D&F・マン社は、白糖及び粗糖の国際相場は今後数カ月間下落傾向が続くとの見方を示している。
