3月に入ってからのNY市場の砂糖定期相場(5月限)は、16〜17セントのもみ合いが続いたが、月末になって再び騰勢の兆しを示す動きとなった。
1日に16.79セントでスタートした3月の先物相場(5月限)は、3日に17セントを突破したものの、8日には再び17セントを割り込み、中旬から下旬にかけては17セントを挟む攻防が続いた。しかし、29日には18セントを突破し、再び騰勢の兆しを示す動きとなったが、結局、31日は17.90セントで3月の取引を終了した。
一方、3月の現物相場も、定期相場(5月限)と同様の動きで推移した。
1日に17.77セントでスタートした3月の現物取引は、6日には18セントを突破したものの、8日には再び18セントを割り込み、中旬から下旬にかけては17セント台での取引が続いた。しかし、27日には再び18セント台を、翌28日には19セント台を突破し、再び騰勢の兆しを示す動きとなり、31日は19.02セントで3月の取引を終了した
なお、3月の現物の平均価格は、2月より4.9%下落し、18.00セントとなった。
このように、3月に入ってからの定期、現物相場は、一時的に安定した値動きであったが、世界の砂糖需給がひっ迫基調を強めている状況に変化はない。
世界の砂糖需給は、世界最大のサトウキビ生産国のブラジルでエタノール製造用にサトウキビを仕向ける割合が増加していることや、経済発展の著しい中国やインドなどアジア諸国を中心に砂糖消費が増大していることなどから、消費量が生産量を上回る状況が続いている。
また、EUでは今年7月から施行される砂糖制度改革に合意しており、これにより砂糖の生産割当枠が削減され、EUからの砂糖供給量は大幅に低下する見通しとなっている。
〔特産流通部〕