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海外市場の動き[1999年3月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[1999年3月]

[NY 砂糖市場の動き]


【NY 砂糖市場の動き】

 年初は、(1)ロシアの要輸入量は300〜350万トンと見込まれ、また、1月1日から6月30日まで低率関税(粗糖1%)が採られるため、今後、ブラジル、キューバから毎月50〜60万トンの買い付けが予想される、(2)中国が小規模な製糖所を閉鎖するとともに、1999年の生産能力を30万トン引き下げる方針である、(3)イランが3万トンの買い付けを行った、(4)韓国、イラクが買い入札を行う予定でいる、(5)オーストラリアでの成育期の降雨過多による生産減、また、タイでの干ばつによる生産減によって、アジア地域における供給不足の懸念がある、等が支援材料となって反発し、現物価格は、6日に1月の最高値である9.40¢へ、期近3月限価格は、7日に1月の最高値である8.80¢へと急騰した。
 しかしながら、13日、ブラジルが変動相場制へ移行(事実上の通貨切り下げ)を発表したことから、一転して軟調な展開となり、15日にはブラジルの変動相場制への移行を受けて、ファンド筋と思惑筋の活発な売りによって、現物価格は8.94¢へ、期近3月限価格は8.42¢へ反落した。トレーダー筋によると、ブラジルの通貨下落が砂糖相場のどのような展開につながるか、今後数週間は関心が集まるだろうと指摘していた。
 さらに、キング牧師誕生日の休場を含む3連休明け後は、(1)砂糖はドル建ての商品であるため、ブラジルにとっては通貨切り下げにより輸出が一層魅力的になった、(2)ブラジルの経済状況が悪化すれば、本来国内の燃料用に回されていたさとうきびが外貨獲得のために砂糖生産に向けられる懸念がある、(3)通貨レアルが変動相場制へ移行してから約41%下落している、等ブラジルの経済状況の悪化が弱材料となり、ファンド筋の大量の売りによって、22日の現物価格は、7.66¢と昨年10月以来の7¢台へ、また、期近3月限価格も7.10¢と7¢台前半へと急落した。
 その後も、世界最大の輸出国であるブラジルの経済、金融危機が圧迫材料となって引き続き軟調に推移し、27日には現物価格、期近3月限価格とも、1月の再安値である7.04¢、6.65¢を記録した。特に、期近3月限価格は、13日にブラジル通貨レアルが変動相場制へ移行して以来、22.64%下落した結果、11年振りの安値水準である6.60¢目前となった。
 今後の動向について、市場関係者筋は、ブラジル通貨がさらに下落すれば、最大200万トンのブラジル産粗糖が市場に流出する可能性があり、軟調な市場を一段と弱める可能性があると予測している。
 このように、1月は高低価格差が現物価格で2.36¢、期近3月限価格で2.15¢とかつてない広いレンジの中で推移し、ロシアを要因として上げて、ブラジルを要因として下げるといった大波乱の展開となった。しかしながら、現物価格の月平均値は、前月に比べて0.14¢安の8.45¢、また、期近3月限価格の月平均値は、前月に比べて0.04¢安の7.96¢となり、前月平均値より僅かに下げるにとどまった。
〔輸入農産部〕
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