7月の市場は、上旬は、需給要因からすると依然地合いが弱い中、技術的要因やフィリピンの買い付け等により、現物価格、期近10月限価格とも低水準の価格ながらも前月から引き続き堅調に推移した。
中旬は、バカンスシーズンを迎えてファンド筋の動きが低調となったうえ、国際砂糖機関(ISO)が98/99年度の過剰生産量を5月時点の246万トンから344万トンに上方修正したこと、ブラジル及びタイが増産見通しなどの弱材料によって下落し、現物価格は5¢後半、期近10月限価格は5¢半ばとやや軟調に推移した。
下旬は、台湾、ドミニカ、シリア及びイランの買い付け、一部の農産物商品価格の上昇などの支援材料によってやや持ち直し、現物価格は6¢前半、期近10月限価格は5¢後半へと僅かながら上昇した。
このような状況の中で、現物価格は、最高値が1日の6.92¢、最安値が12日の5.74¢、月平均は前月に比べて0.56¢安の6.11¢となった。また、期近10月限価格は、最高値が1日の6.29¢、最安値が13日の5.31¢、月平均は前月に比べて0.22¢安の5.72¢となり、現物価格及び期近10月限価格とも前月より下落した。
市場関係者は、今後の市場における強材料になりそうなものとして、◇ブラジルは現在、自動車燃料用のアルコールの需給改善に取り組んでおり、その効果が出てくればアルコール向けさとうきび使用が増えるため、砂糖の生産は下方修正される、◇アジアではタイ及びパキスタン以外は全て輸入国であるが、それらの国々が昨年来の相場の下落によって当用買いに終始しているが、景気回復の効果が加われば今後買い付けが増えることが考えられる、◇欧州では99年産ビートが成育中であり、8月のビートテストまでは確かな予測はつかないが、現在のところEU、トルコ、ウクライナ及びロシアが減産になる見通しである、を挙げている。
また、今後の
