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グアテマラの糖業事情と国際甘蔗糖技術者会議第25回大会の概要(2)

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

今月の視点
[2005年7月]

【今月の視点〔海外/糖業〕】

琉球大学農学部生物生産学科
沖縄県農業試験場農業機械研究室
  教授 上野 正実
室長 赤地  徹

1 はじめに
2 栽培、製糖・機械分野の研究発表
3 プレツアーで見たグアテマラのサトウキビ栽培作業体系(機械化を中心に)
4 おわりに

はじめに

 筆者(上野)にとっては久しぶりのISSCT(国際甘蔗糖技術者会議)であった。1992年にバンコックで開催された第20回大会には、沖縄を中心に日本から20名程度の参加者があったことが懐かしく思い出される。それ以降、毎回、わが国からの参加者がとぎれることはなかったものの、ほそぼそと続いてきたのが実状である。今回は6名の参加者があり、決して多いとは言えないが、遠隔地での開催で、年度末で製糖真っ盛りの多忙な時期であったことを考えると、なかなかの出席率と言えよう。内3名は30歳前後の若い研究者達であり心強い限りである。
 この大会に出席して驚いたことがいくつかある。その最たるものがプレコングレスツアーでみたサトウキビである。「天を突く」という形容詞があるが、まさしくそのような見事なサトウキビであった(写真1)。大型ハーベスタでさえすっぽりと隠れてしまう高さのキビは沖縄では未だに見たことがない。サトウキビの大きさもさることながら株出や新植の株もびっしりと勢いがよい。株揃いが良いうえに欠株もないので見るからに単収は高そうである。われわれのキビとの違いは何なのか?土壌や気候の違いはあるにしても、じっくりと考えてみる必要がありそうだ。前号では大会の様子と育種や分子生物学を中心に生物分野に関して報告されている。今回は農場プレコングレスツアーを中心に栽培や製糖などに関して強く印象に残った点を述べてみたい。

写真1 天を突くグアテマラのサトウキビ
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2 栽培、製糖・機械分野の研究発表

 1.研究発表の概要
 ISSCTは、大きく農学・農業工学分野、生物分野、製糖・機械分野および副産物の分野に分けられている。最近ではその他の分野として製糖会社のマネージメントの話題なども含まれるようになった。文字通りサトウキビに関する総合討論の場である。今回のグアテマラ大会における各分野の発表件数を表1に示す。これらの他にシンポジウムが毎日開催され、全体で集まって討議を行った。口頭発表の件数は会議の日程に比べるとそれほど多くはない。これは、1件当たり、発表時間20分、質疑応答10分、計30分とゆったりと時間がとってあるためである。発表は英語が基本であるが、今回は中南米からの出席者が多いこともあってスペイン語による発表もあった。ポスター発表は内容的には素晴らしいものが多かったが、会場の都合もあって予想したより少ない印象を受けた。


2.バイオマス利用を中心とした糖業システムの変革
 シンポジウムには3つのセッションがあり、育種関係を除くと、“Re-engineering Sugar Industries”と“Green Cane Harvesting-Impact on Yield, Cane Quality and Environment”のセッションが持たれた。各セッションにおける話題はそれぞれ3題でいずれも興味深いものであった。その中のいくつかを中心に栽培や工程分野の発表内容を紹介したい。
 “Re-engineering”の適訳はわからないが、一昔前に流行った“Re-structuring”(リストラ)と類似している。システムの再編だけでなく、ものづくりや考え方、手法を含めたより本質的な変革を意味するものだろうか?砂糖産業の本質的な変革を目指すもので、著者らが日ごろ訴えている「構造改革」に近い。Re-engineeringはグアテマラ大会のスローガンとして使われ、それにぴったりの講演が“From Sugar Industries to a Renewable Biomass Industries”(糖業から再生可能なバイオマス産業へ)である。
 現在、世界全体で13億トン弱のサトウキビが栽培されているが、砂糖の国際相場が低迷しているためにいずれの国においても厳しい経営を強いられている。一方、地球温暖化問題への対策としてバイオマスの利用が国際的な課題として取り組まれている中にあって、もっとも利便性の高い有望なバイオマスとしてサトウキビが注目されている。この講演はモーリシャスの例について述べたものであるが、世界的な糖業界の動向を現すものである。関連して、オーストラリアからは“Re-Engineering Sugar Industries―A View from Australia”、グアテマラからは“Guatemala: From Zero to Major Exporter”が報告されている。グアテマラ糖業の概要については前号でも述べられているように、ものすごい勢いで成長している。
 沖縄・鹿児島両県におけるサトウキビ業界のバイオマス利用の取り組みは大きく立ち遅れているが、バイオマスの活用は世界各地で進められ、大きなうねりとなりつつある。サトウキビバイオマス利用に関しては、本誌2004年11月号にて、「さとうきびのバイオマス利用による産業構造の強化と環境保全(上野)」で述べたが、世界の動向は予想をはるかに上回るものであった。サトウキビのバイオマス利用の中心は、コージェネレーション(熱電併給)とアルコール化である。コージェネレーションはボイラと製糖プロセスの改善によって製糖工場をエネルギープラントとして再編するものである。温暖化対策への貢献だけでなく、売電によって製糖工場および農家の増収が期待されている。コージェネに関しては、ボイラおよびエネルギーシステムの改善、燃焼効率、プロセスエンジニアリングなどに関する研究が報告されている。
 アルコール化は、ブラジルを中心に以前より取り組まれてきたが、搾汁液と糖蜜からのふたつの方法で進められている。世界的には糖蜜をエタノール発酵させる技術が開発されている。わが国では平成16年度より環境省のE3プロジェクト(宮古島)が、また、「バイオマスタウン事業」の一環としてのエタノール変換プロジェクト(伊江村)が認定されている。前述のように、バイオマスの活用に関する動向は情報としては得ていたものの、このように大掛かりに進んでいることはこの大会に出席して初めて実感できた。その象徴が、バガスなどの副産物を現す用語が“By-Product”から“Co-Product”へと変わったことである。
 Re-engineeringはバイオマスのエネルギ利用だけでなく、工場・会社の合併・再編とそれに伴う労働資源の適正化、生産コストの低減、バイオマスの高付加価値化、機能性砂糖の開発など多岐にわたっている。オーガニック・シュガーだけでなく、ビタミンAを添加した砂糖など新しい製品が開発されている。さらに、土地保全やグリーンツーリズムなどにも及び、モーリシャスなどではサトウキビを中心に大きな動きが他分野を巻き込んで始まっている。まさしく糖業界の生き残りをかけた総合戦略と言える。

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3.グリーン収穫に関する課題
 グリーン収穫に関するセッションではオーストラリア、USA、南アフリカからの報告があった。また一般セッションでも関連する講演が行われている。グリーン化は古くからの課題で、第20回大会前後から発表が始まっている。収穫前に圃場でサトウキビの枯葉を焼却するバーン収穫は、大気環境保全の面から法的に規制する国が増えつつある。最近になってバーン収穫からグリーン収穫への切り替えが大幅に進み、バーン収穫では見られなかったさまざまな問題が発生している。このため、ISSCTにおいても主要課題として取り上げられたものである。
 わが国では、南・北大東島と石垣島以外は最初からグリーン収穫による機械化が始まり、また、これらの地域でもバーン収穫が淘汰されて十数年が経過している。このため、いまさらと思うような内容も少なくない、すなわち、大半はこちらで20年ほど前に取り組んだ課題である。その当時、世界的にはバーン収穫の全盛時代であったためにほとんど注目されなかった。日本の研究や技術が大きく先行した事例として認識すべきであろう。グリーン収穫と併せて小型ハーベスタを中心とする小型機械化体系の技術は世界に発信できるものである。ただし、現状では価格や耐久性の面で改善点も多く、継続的な改善が求められる。小型体系における管理作業機の開発に関して、著者のひとり(赤地)によるポスター発表(“Development of a Multipurpose Cultivator for Use in Sugarcane”)には多くの質問があり、今後の方向性が示唆されていると思われる。
 グリーン収穫における関心事のひとつはトラッシュ(Trash)である。これは原料に混入した枯葉や梢頭部など糖の含有量が低いものを意味する。土砂なども含まれるが、サトウキビに由来するものをトラッシュ、それ以外を異物(Extraneous Matter)と区別する場合もある。原料へのトラッシュの混入は製糖工程や製品品質にさまざまな悪影響を引き起こしている。これに関しては、南・北大東島の機械化を中心に論じつくされた感もあるが、最近では機械収穫率の向上と機械化地域の広がりによって再び注目されるようになった。一方、コージェネの観点からはトラッシュはエネルギ資源である。収穫後、圃場に残ったトラッシュを収集してボイラ燃料として利用する研究も報告されていた。以前ではこのような試みはあり得ないことであり、時代の流れを感じさせられるテーマと言えよう。
 収穫後は圃場に大量の枯葉などが残留するが、分厚いじゅうたんのように敷き詰められるので“Trash Blanket”と呼ばれている。外国の研究者はネーミングがうまいなと感心させられる。この量は筆者らが南大東島で行った調査では10アール当たり2〜3トン(生重)にも達する。単収の高い地域ではより大量のトラッシュが残留することになる。この残渣によって、雑草の抑制、保水、エロージョン防止などの効果が現れる。その反面、株出萌芽率の低下や一時的な窒素飢餓など悪影響が起こることもある。加えて、残渣自体に肥料としての効果が期待されており、グリーン収穫においてはトラッシュ残渣の管理が興味の対象になっている。
 なお、トラッシュ率の査定法も注目され、わが国から報告された(平良)グロスケーンの細裂試料のトラッシュ率測定に近赤外分光法(NIR)を利用する研究には強い関心が寄せられた(“Measurement for Shredded Sugarcane Using NIR”)。トラッシュ以外には収穫ロスや生産コストなどに対する関心が高く、バーン収穫や手刈との比較研究が行われている。これらの研究では、英語圏を中心に、複数の国の研究者が共同研究でグリーン収穫の国別比較の研究を行っていることにも驚かされた。

4.その他の話題
 研究発表の内容は多岐にわたっており、実践的で時間をかけた息の長い研究が報告されている。そのひとつに「精密農業“Precision Agriculture”に関する研究がある。これは、圃場間および圃場内で発生するサトウキビの生育むらをできるだけ抑制し、増収とともに無駄な肥料や農薬を減らすことをねらいとし、IT(情報技術)を活用した栽培・営農技術である。生育むらや土壌成分の分布むらを地理情報システム(GIS)でマッピングし、それに合わせて施肥や農薬散布を行う。マッピングには人工衛星画像などを利用したリモートセンシング(RS)が利用されている。筆者(上野)らのグループもこれに関連して“Combined Applications of NIR, RS, and GIS for Sustainable Sugarcane”を発表した。この内容は、本誌2005年4月号に掲載された「NIRとGISを利用したサトウキビ営農支援情報システムの実用化・定着化(川満)」と関連する「デージファームプロジェクト」の一環である。類似の研究はいくつかの国で行われており、今後の展開が期待される。
 空気中の窒素をサトウキビが固定するという話は以前、研究仲間から聞いたことがあったが、すでに常識のように発表されていたのには驚いた。液肥の利用や土壌カリウムの動態、初期生育に関する研究も興味深いものであった。

3 プレツアーで見たグアテマラのサトウキビ栽培作業体系(機械化を中心に)

 大会に先立ちグアテマラの砂糖産業を紹介する3日間のプレツアーが開催された。分野別に3つのコースがあり筆者らは栽培や機械化を中心にした見学コースに参加した。4つの製糖企業が運営するプランテーションを訪問し、圃場での作業状況、工場での機械類のメンテナンスや研究エリアなどを見学した。ここでは、主に機械化の視点からグアテマラにおけるサトウキビ栽培作業体系について見聞したことを紹介したい。
 特徴や印象を初めに述べると、まず(1)耕起、砕土などの耕耘作業を除くほとんどの作業で人力による作業が残っている点があげられる。労働力の確保がそれほど大きな問題にはなっていない現状がうかがえる。特に収穫については、全体では十数%の機械化であり、ここ4〜5年の間に急激な進展を見せているパンタレオンプランテーションでも20%程度の機械収穫率であった。(2)耕起、砕土作業については、土壌が火山灰土系ということもあるだろうが、ディスクプラウやディスクハローなど欧米で一般的な大型の耕耘作業機が使用されている。ボトムプラウや日本で多用されているロータリ系の作業機は全く見られなかった。そのほか、(3)土壌保全を目的にした減耕起植付けが行われるようになっていること、(4)病害虫防除は天敵などを利用した生物学的防除が主流になりつつあること、(5)収穫期前期に航空機による登熟促進剤の散布が行なわれていること、さらに(6)圃場で使用する作業機や工場の機械類のメンテナンスを行うために各工場に機械整備センター(メカニカルショップ:写真2)が設置されていることなどが大きな特徴である。
 以下、ラ・ユニオンプランテーションで行われている作業体系について順を追って紹介する。

写真2 メカニカルショップ

1.植付け準備(圃場の準備)
(1) 芯土破砕
 サブソイラにより芯土破砕を行う。250PS級のトラクタを用い、耕深45cmで圧密の程度によって1〜2工程の処理を行う。作業能率は1.65ha/hr程度である。土壌へのささりがよくなるように放射線状の形状をしたブレードが使用されている。
(2) 耕起
 ディスクプラウにより1〜2工程の耕起作業を行う。ディスクプラウ(写真3)は81cmのディスクを16−24枚装着しており耕深は20cm程度である。300PS級のトラクタが使用される。作業能率は1.10−1.91ha/hrである。
(3) 整地
 ディスクハローにより1〜2工程の整地作業を実施する。61cmのディスクを64−66枚装着した最新の作業機を300PS級のトラクタで使用すると作業能率は2.3ha/hr程度になる。
(5) 作溝
 作溝作業は1.50〜1.75mの畦幅で170PS級の車輪トラクタで行う。最新のガイドマーカを備えた3連式作溝機を使うと1.5ha/hrまで作業能率が向上する。

写真3 農業機械の展示におけるディスクプラウ

2.苗準備
 植付けには全茎苗、長茎苗、1芽苗が用いられる。全茎苗は古くから行われてきた苗切り方式であり、現在は半自動植付機の苗として使用されている。長茎苗は最も広く普及している方式である。蔗茎を60cm程度に切断し30本づつ束ねる。1芽苗は1芽づつ5cm程度に専用のカッターで切断する。

3.植付け
 これまでは全茎苗を使うのが慣行で、1ha当たり12tの苗を使用し、植溝の底に全茎苗を置床し1m程度の長さに切断する。最近はより高精度、高効率を目標にした以下の3つの方法に代わってきている。
(1) 長茎苗による植付け
 畦の9〜12mおきに長茎苗1束(30本)を配置する。植溝1m当たり12芽を配すると、1ha当たり7.75tの苗が必要になる。現在は最も一般的な方法となっている。
(2) 減耕起植付け
 土壌保全に焦点をあてた減耕起植付け法が行われるようになった。15%程度のコスト低減にもつながるという。基本的には耕起作業を行わずに収穫から20日後に畦間に作溝作業を行い、上述の長茎苗と同じ方法で植付ける。前作の古株は植付けから5〜7日後にグリホサート系除草剤で枯死させる。
(3) 機械による半自動植付け
 まだ一般的ではないが、機械による植付け作業も行われるようになった。11人の植付作業チームで、80PS級のトラクタと半自動プランタを用いる。このシステムでは、5種類の作業(作溝、施肥、雑草防除、苗切断、覆土)を同時にこなす(写真4)。2連式のプランタの能率は6ha/dayであり、1ha当り8tの苗を使用する。栽植密度は1mの植溝に10〜13芽で、95%の発芽率が得られる。

写真4 反自動プランタによる植付けの実演

4.施肥
 施用量は土壌分析やサトウキビの栄養要求に基づいて予想収量、栽植密度、株出回数などを考慮しながら決定される。不整形な圃場、多礫圃場など機械が入りにくい圃場では、人力により施肥される。機械による作業は、130PS級のトラクタを用い、カルチベータにセットされた施肥機を使用する。

5.灌漑
(1) 移動式灌漑システム
 スプリンクラを使った灌漑システム。1基のスプリンクラで、1秒間に12.5〜14.0lの灌漑水を半径45mのエリアに散水できる。ポンプユニットを動かさないでスプリンクラの場所を移動することができ、最も普及(71%)している方法であるが、大きな動力や労力を要するため最も高い運転コストとなっている。
(2) センターピボット(回転)式灌漑システム
 長い直線状のパイプがゆっくり回転しながら灌漑するシステム(写真5)であり、3年前から導入が始まった。低い運転コストと散水効率により移動式システムなどに置き換わる方法として期待されている。

写真5 センターピボット式潅漑システム

6.雑草防除
 主に4種類の雑草(Itch grass,Bermuda grass,Nut grass,Johnson grass)が防除対象であり、手作業、機械、除草剤による防除が行われている。
(1) 手作業による防除(抜き取り)
 手で雑草を根とともに抜き取るか、もしくは地際部からナタで切断し圃場外に持ち出して種子が広がらないように焼却する。圃場外持ち出しの能率は3.0〜8.5hr/ha、抜き取りの能率は2.1〜7.7hr/haである。
(2) 機械による防除
 機械による雑草防除は100PS級のトラクタで行われ、61cmのディスク4枚を備えた4基のディスクハローを使用する。草丈や土壌状態によるが、8〜11km/hrの作業速度で能率は0.6〜1.2ha/hr程度である。
(3) 除草剤散布作業
 (1)10人1組の背負い式スプレーヤによる作業では、能率1〜2ha/day、散布量160−286l/ha。
 (2)90PS級のトラクタを用い、80−120l/haを散布する。作業速度は6〜8km/hr、作業能率は0.25ha/hr。
 (3)モーターサイクル(ヤマハ製)による防除作業では80l/haを散布する。作業速度11〜12km/hr、作業能率0.25ha/hr。
 (4)飛行機を使った航空防除では、100〜120ha/hrを散布することができる。散布量は19−26l/haである。

7.病害虫防除
 グアテマラで最も重大な防除対象となる病害虫は、Froghopper(アワフキムシ)、Stem Borers(センコウ虫)、野鼠そして主に3種類の土壌害虫である。
 これらの防除には、従来の薬剤による防除に代わって菌類や天敵などを利用した生物学的防除が用いられるようになってきている。また野鼠の防除には猛禽類を利用した方法などが行われている。アワフキムシを防除するための菌類(Metarhizium)の散布には航空機が使用されることもある。また各製糖企業は、これらの天敵を研究・生産するラボを独自で保有している。

8.登熟促進
 グアテマラでは、1988年以降サトウキビの登熟促進剤としてグリホサート系の除草剤などが広く使用されてきた。ラ・ユニオンプランテーションでは、1993年には全体の67%で使用されるようになった。登熟促進剤は飛行機やヘリコプターでGPSのサポートを受けながら散布される(写真6)。散布量は11〜27l/haである。

写真6 航空機による登熱促進剤の撒布

9.収穫
 機械収穫は95−96製糖年期から始まっており、比較的新しい。さい断式収穫機(ハーベスタ)を使用し、枯葉を焼却した後収穫するバーン方式とそのままの状態で収穫するグリーン方式がある(表2)。パンタレオンプランテーションでは13台の収穫機(Cameco及びAustoft製)が動いている(写真7)。03−04製糖年期には機械収穫率が20%まで増大した。

写真7 ハーベスタによる収穫実演
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4 おわりに
 ISSCTグアテマラ大会の概要を2回に亘って紹介した。ここで述べたもの以外にも非常に興味深い内容の講演・ポスター発表が多いが、紙面の関係でその一部を述べるに止まった。これを読んでいただいた皆さんの参考になることを期待している。この大会では、世界はまさに休む間もなく動いているということが実感できた。グアテマラは遠く、スケジュール調整に苦労したが、それを補って余りある成果が得られたと考えている。次回の大会にも発表することを目標にがんばっていきたい。

〈引用文献〉
Proceedings of Pre Congress Tours, XXV Congress ISSCT 28 to 30 January 2005, The XXV ISSCT Congress Organizing Committee, 2005
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