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菓子の輸出に向けた取り組みについて

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類情報ホームページ

[2009年1月]

【ユーザーから】
全日本菓子輸出工業協同組合連合会 事務局 主事 斎藤 哲也

 日本から海外へ向けた菓子の輸出は、グローバル化の進展とともに年々増加傾向にある。本稿では、財務省発表による貿易統計から見た菓子の輸出概況について述べるとともに、輸出促進に向けた全日本菓子輸出工業協同組合連合会の取り組み事例について紹介する。

1.日本からの菓子の輸出概況

①菓子の輸出実績について 〜増加傾向で推移する菓子の輸出〜

 財務省発表の貿易統計による、2004〜2008年までの直近5年間の日本からの輸出菓子について述べる。

 日本からの菓子輸出全体としては、2004年から、数量ベース、金額ベースともに順調に増加している。特に、2005年および2007年にはそれぞれ、数量ベースで対前年比12%増、11%増、金額ベースにおいてもそれぞれ17%、13%増と対前年比二桁の成長を示した。2008年に入っても1〜10月の統計では、数量ベースでは対前年比2%増、金額では同11%増と堅調に推移している。

〜2007年の品目別特徴(2004年対比)〜

(1)チョコレート
  2007年における輸出金額の構成比で最も高いチョコレート(3カテゴリーの合計)は、この4年間(2004年対比)で数量ベース67%増、金額ベース72%増の51億8千万円と極めて高い成長を見せている。

(2)キャンディー

 金額ベースで2位を占めるキャンディーは、毎年安定した成長を示し、数量ベースで23%増、金額ベースで26%増の38億4千万円となっている。

(3)あられ、せんべい等の米菓
  あられ・せんべいなどの米菓は、数量ベースで15%増、金額ベースで同31%増の29億8千万円となっている。

(4)その他
  スイートビスケットも良好で、数量ベースで42%の増加、金額では同57%増と大きく伸びている。また、チューインガムについては、数量ベースで39%増、金額ベースで54%増と大きな伸びを見せている。砂糖菓子は、2005年をピークにその減少傾向で推移し、2007年は数量ベースでは横ばい傾向で推移したものの、金額ベースでは7%の減である。

 このように、菓子の輸出が大きく増加している背景には、日本のお菓子のおいしさ、品質や安心・安全が、世界各国に受け入れられていると考える。

表1 日本からの菓子輸出実績
(単位:kg、千円、%)
資料: 財務省「貿易統計」
注1: 2008年は1〜10月までの合計
2: 1704.10-000、1704.90-000、1704.90-900、1806.20-000、1806.31-000、1806.32-000、1806.90-000、1905.31-000、1905.32-000、1905.40-000、1905.90-100の品番を合計した。

②菓子輸出の仕向先国

 次に菓子輸出の仕向国別に2007年を2004年と比較すると、2007年の仕向国別輸出実績の首位は香港、2位は台湾で、それぞれ2004年より輸出額が増加し、35億円を上回っている。両国とも、日本のお菓子が高く評価されている。第3位の米国は、5%増加し、安定した輸出先である。

 4位の韓国向けは、111%増と、大きく増加している。これは、2005年に輸入規制が緩和された効果などによるものと考えられる。

 5位のシンガポールは68%、6位の中国も87%の増である。中東での菓子の嗜好はヨーロッパの影響を受けているといわれ、日本のお菓子は評価されにくいと思われるが、その中でも、アラブ首長国連邦は同57%増と堅調である。

 チョコレートやビスケットの本場であるヨーロッパ向けは、他の地域と比較して輸出高は少なく、また輸出実績は2004年と比較して減少した。

表2 日本からの菓子輸出実績商品カテゴリー別
(金額ベース)
(単位:千円、%)
(数量ベース)
(単位:kg、%)
資料:財務省「貿易統計」
注:チョコレートは詰物あり、なし、その他を含む。
表3 日本からの菓子輸出実績仕向国別(金額ベース)
(単位:千円、%)
資料: 財務省「貿易統計」
注: 1704.10-000、1704.90-100、1704.90-900、1806.20-000、1806.31-000、1806.32-000、1806.90-000、1905.31-000、1905.32-000、1905.40-000、1905.90-100の品番を合計した。

2.JAPAN TACOMの概要

 全日本菓子輸出工業協同組合連合会(All Japan Trade Association of Confectionery Manufacturers、略称「JAPAN TACOM」)は、1959年(昭和34年)に菓子の輸出メーカーにより、輸出入貿易の健全な発展に寄与することを目的として設立された団体である。

 現在、東京、中部日本、西日本の3つの輸出菓子協同組合とその傘下の組合員企業の42社で構成されている。JAPAN TACOM傘下の42社の海外への輸出額は、日本の菓子輸出総額の20〜25%と推定される。

3.JAPAN TACOMの活動状況

 JAPAN TACOMは毎年海外での展示会を開催し、日本のお菓子のおいしさ、品質の良さを訴えてきた。昨年も中国上海市の菓子展に参加するなど、日本からの菓子の輸出促進に取り組んでいる。また、国内においても参加企業への啓発活動のために勉強会や工場視察を行っている。これらの取り組みについて、述べることとする。

①JAPAN TACOMのあゆみ

〜海外における菓子展示会の開催〜

 1980(昭和55)年頃より、日本からの菓子輸出の拡大を目指し、海外で日本のお菓子の美味しさ、そして品質の良さを分かっていただこうと、海外での展示会開催の気運が盛り上がり、昭和57年(1982年)にJAPAN TACOMとして、シンガポールの Hotel & Food Asia1982に出展し、初めての海外の食品展に参加した。

 それ以降、ほとんど毎年海外でのお菓子展の開催、あるいは食品展へ参加をしている。過去10年間を振り返ってみても、台湾(台北)3回、中国(汕頭、福州、上海2回)計4回、米国(サンフランシスコ)2回、シンガポールと香港各1回の延べ11回の海外展示会を開催、または参加している。

〜市場のグローバル化と海外マーケティング〜

 2007年および2008年は、上海で開催された中国の菓子展「Sweets China」に組合員企業17社が参加した。

 「Sweets China」では、中国の輸入商社や、百貨店、輸入食品専門店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど流通業界と商談を行うことができた。また、アジア諸国の消費者へも、日本のお菓子のおいしさ、品質、そして安心・安全をアピールした。さらには、中国以外の国々、特にアジア諸国からこの菓子展に参加した輸入商社とのビジネスの成約に至った例もあった。

 中国経済は、ここ十数年の間、二桁成長を続け、特に上海を中心とする沿岸部の成長には著しいものがある。これらの地域では、中高所得者層が増え、彼らの可処分所得は加速度的に伸びており、購買力が増している。

 現在は、米国のサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機の影響を受け、購買力が停滞してはいるものの、中長期的には日本の菓子メーカーにとって、有望な市場であることに変わりはない。今後も中国の菓子市場が成熟するにつれ、アジアの消費者のおいしさへの追求は今後さらにすすむと考え、ビジネスチャンスも大きいと考えている。

②海外生産について

 JAPAN TACOMの組合員企業の海外生産をみると、4社が中国に生産拠点を構えている。A社は1996年に広東省汕頭でキャンディーの生産、B社は、1996年より同じく広東省汕頭でビスケットの生産を開始した。続く、1997年にC社が安徽省で柿の種の生産を始めている。最近では、2007年に上海省の杭州にマシュマロの生産工場を立ち上げたD社もある。

 このように、各社とも生産コストの優位性と中国国内の市場性、中国からの輸出を念頭において、生産拠点を中国に構えている。

③商品開発におけるマーケティング

 JAPAN TACOMの組合員企業の商品は、米菓、飴、ビスケット、マシュマロ、スナック菓子、その他と種々様々であり、高水準のおいしさ、品質、安心・安全性を誇っている。売れる商品は、次の2つの商品に大きく分類できる。①伝統あるロングセラー商品、②時代にあった商品=「ヒット商品」

 新商品の開発は、一朝一夕にはできない。歴史と伝統のある定番商品を作り続けてゆくことが第一義ではあるが、各組合員企業の商品企画・研究開発担当者は常に時代の動きと要請を確認し、それを自社商品にどのように取り入れるかを熟慮しながら、新規商品の開発を日夜続けている。新商品が市場で一度受け入れられれば、その企業にとっては、単にその商品のみならず、その他の商品も含めて企業全体に勢いがつくことになる。

 そのように、常に新商品の企画の努力を怠らず、前向きに開発を進めてゆくことで、市場に刺激を与え続けるのが菓子メーカーの使命である。

 今では、時代の趨勢(すうせい)として世界的にカロリーオフや糖質低減のような健康志向・品質志向の傾向がある。加えて、食の安心・安全を訴える商品開発が今後の日本の菓子業界の発展の原動力となるといえる。

 海外市場の動向を取り入れたマーケティングを行い、よりよい商品開発に資する活動を行っている。

④東京TACOMの工場見学と勉強会

 JAPAN TACOMの傘下である東京輸出菓子工業協同組合(略称:東京TACOM)は、13社の組合員で構成されている。

 最近では、毎年各組合員の工場を訪問する工場見学会を開催し、生産技術の向上と、組合員相互の親睦を深めている。また、特に海外の国情・経済事情・業界事情に明るい専門家を独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)などから講師として招き、年に数回勉強会を開催し、組合員各人の自己啓発にも励んでいる。

⑤今後の展開

〜情報管理とネットワーク時代〜

 現在は高度IT社会である。JAPAN TACOMを始め、組合員各企業のホームページの充実、特に海外輸出の促進を図るには、海外からのアクセス件数を増やすなどの企業努力が必要である。企業情報・商品情報などを、早いタイミングで英語での公開をすることも、企業イメージ・認知度の高揚につながると考えられる。

 Webを通してお客様と組合員企業が、あるいは組合員相互につながる情報の共有化に向けた取り組みを行っていきたい。

4.おわりに

 上述のように、JAPAN TACOMは工場見学、国際的な専門家による海外市場の勉強会、輸出商社との懇談会など積極的な活動を通じて、日本の「おいしい、品質のよい、安心・安全」な菓子を創り出し、向上させてまいる所存である。

 今後とも日本からの菓子輸出の拡大を目指し、海外展示会開催による日本の菓子のグローバル化に対応するとともに、日本の食品の「安心・安全」を海外に広めるべく努力していきたい。

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