〜黒砂糖と健康〜
黒砂糖の主成分は蔗糖。栄養面での働きはご飯やパン、油脂などと同様にエネルギー源として重要です。さらに、黒砂糖の大きな特徴は、ミネラルやビタミンを多く含むことです。さとうきびの汁に含まれる天然の栄養分が、そのまま凝縮されています。天然の総合栄養剤ともいえる点が、現代の自然食ブーム、健康食ブームの中で黒砂糖の人気を高めているようです。
カルシウムの補給に
一般に使われている白砂糖(上白)と黒砂糖の栄養を比較すると、ミネラル(無機質)、ビタミンの含有量の差が際立ちます。
ミネラルはカルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムなどが含まれ、中でもカルシウムは100g中に240mgと多く、これは牛乳1本(200cc)中の量に匹敵する量です。
カルシウムは歯や骨の土台となるもの。たくましく丈夫な体を作るうえで、成長期には特に必要であることは多くの人が知っていますが、お年寄りにも欠かせない栄養成分であることは、意外と知られていません。年をとると骨が折れやすくなり、寝たきり老人の原因のひとつに大腿骨の骨折があげられているくらいです。特に女性の場合、60歳を過ぎるとホルモンの関係でカルシウムの代謝が悪くなり、骨に蓄積されるより、骨から溶け出す量の方が多くなるといわれます。そのため骨がもろくなって、ちょっとしたことで骨折をおこしたり、また腰が曲がったりするのです。子供のおやつばかりでなく、お年寄りのお茶うけにも黒砂糖をおすすめします。
ビタミンB1が脳に活力を
ビタミンではB1、B2、ナイアシンなどが黒砂糖には含まれています。いずれも、体内の生理作用の潤滑油として大切なビタミン。なかでもB1は、ブドウ糖のエネルギー代謝の際に必要なビタミンです。不足するとイライラしたり、疲れやすくなり、ひどいときにはかっけを起こしたりします。自然の摂理でさとうきびのしぼり汁にはブドウ糖と一緒にビタミンB1も備わっているわけです。黒砂糖はビタミンB1つきのエネルギー源。
特に脳はブドウ糖消費量が多いといいます。受験勉強のお子さんの疲れをいやす夜食の甘みは、黒砂糖が効果を上げます。