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お砂糖豆知識[2004年12月]

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最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識
[2004年12月]

オリゴ糖について (3)

日本甜菜製糖(株)総合研究所
主任研究員 名倉泰三
〜腸内の細菌と健康の話〜

<先進国で増えるアレルギー>
 厚生労働省の2004年の調査によると、国民の3人に1人が、皮膚のかゆみや鼻水などのアレルギー症状をもっていることが明らかになっています。1991年に行った調査とほぼ同様の結果で、多くの人が依然、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に悩む実態を裏付けています。この傾向は、日本だけでなく欧米などの先進国でも見られ、また大都市の住民に多い傾向にあります。
 増加する背景には、住宅の高気密化によるカビ・ダニの発生、ディーゼル車による大気汚染、ストレスの増加、食生活の変化などが考えられています。

<注目されるアレルギーと細菌の関係>
 もう一つの原因説として、乳幼児が感染症にかかることが少なくなったということに注目が集まっています。乳幼児期はまだ免疫系が発達途上で、細菌などの感染を受けることにより、徐々にバランスのとれた免疫系が完成していきます。しかし、衛生環境の整備や少子化が進んだ現在では、たとえば家族の中で感染症が拡がるようなことも少なくなり、未完成な免疫系が、様々なアレルギー物質に反応してしまうのではないかと考えられています。
 また、感染症をおこすような病原細菌だけでなく、腸内にいる細菌の働きも注目されています。北欧の研究調査では、アレルギーの子供、あるいは後にアレルギーになる子供の腸内細菌を調べたところ、この時期の子供では優勢なはずのビフィズス菌が少なく、大腸菌やクロストリディウムなどの有害菌が多いことが分かりました。日本の子供を対象にした調査でも、同様の傾向があることが報告されています。それならばと、腸内細菌を良くすることで、アレルギーを抑えようとする試みもなされ始めました。フィンランドで行われた大規模な臨床試験では、ヨーグルトに使われる乳酸菌を、出産前のお母さんと生まれた子供に飲んでもらい、アレルギーの発症率が低下したという成果が得られています。日本でも、乳酸菌を摂ることで、花粉症の症状が和らぐなどの効果が報告されています。また、甜菜から作られるオリゴ糖(ラフィノースやメリビオース)が子供や大人のアトピー性皮膚炎の症状を改善したという結果も得られています。
 ビフィズス菌や乳酸菌のような善玉菌、あるいは善玉菌を増やすオリゴ糖を摂取することで、免疫力を高めたり、免疫のバランスを整えたりする効果が、最近の基礎研究で分かってきました。これらの研究はまだ始まったばかりですが、乳酸菌やオリゴ糖を上手に活用することで、増加するアレルギーに歯止めをかけられる日も遠くないかもしれません。



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