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砂糖・でん粉産業の公共性

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

今月の視点
[2005年1月]

【制度/政策】

九州大学 大学院農学研究院 教授   鈴木 宣弘
調査情報部長 加藤 信夫


日本農業の国際競争力強化と埋め難い生産性格差
国家安全保障
諸外国の状況−保護政策の特徴と説明責任
地域社会の存立−地域特産への配慮は不要か
輸入との競合関係−タイの主張と日本の現実との違い
おわりに


 WTO(世界貿易機関)の農産物貿易自由化交渉やFTA(自由貿易協定)締結交渉の進展、それらを念頭に置いた食料・農業・農村基本計画の見直し作業の中で、平成16年8月には砂糖及びでん粉検討会が設置され、平成17年の3月を目指して、さまざまな角度から砂糖及びでん粉政策について検討が行われている。このように、鹿児島や沖縄のさとうきび・かんしょ、北海道のてん菜・ばれいしょ、それらと結合した地域の砂糖・でん粉製造業をめぐる議論が盛んになっている。
 このような中、近年、国民への説明責任を果たすため、農業へのさまざまな財政支援策の必要性について根拠の開示が求められてきている。
 現在進行中の東南アジア諸国とのFTA交渉において、なぜ砂糖やでん粉の自由化が困難であるか、国内政策の見直しにおいても、なぜ財政支援の継続が必要であるかについて、関係者はもちろん、国民各階層、さらには、交渉相手国にも理解を得られるような根拠の提示が必要である。併せて、砂糖と酪農は、貿易自由化を強硬に主張する国も含めて、ほとんど例外なく保護政策が採られている。貿易交渉を有利に進める上でも、国民への根拠開示の点でも諸外国の保護政策の現状と公共性を整理することは重要と考える。
 筆者(鈴木、加藤)は、平成16年11月に北海道の斜里町にあるホクレンの中斜里製糖・でん粉工場などを調査する機会を得たことがきっかけとなって、国家安全保障(ナショナル・セキュリティ)と地域社会の存続の観点から、「砂糖とでん粉産業の公共性」について考察することとした。以下、その概略を紹介したい。
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日本農業の国際競争力強化と埋め難い生産性格差
 単純にいえば、わが国農業の生産性が飛躍的に向上すれば、国境での防波堤や農家への財政支援は必要なくなるから、それを目指すべきだという議論がある。
 確かに、わが国農業の競争力強化のための一番基本的な対応方向は、規模拡大によるコスト削減努力だと思われるが、その場合に、一つ認識しておくべきことは、この方向で最大限努力しても、狭い土地と高い労賃の下で、日本農業が米国や豪州、タイや中国と同じ生産コストを実現できるかというと、それは残念ながら幻想であろうという事実である。例えば、生産コストの内外格差は、さとうきびでは8〜9倍程度、北海道のてん菜でも2倍強、ばれいしょでん粉で2倍程度である。沖縄や鹿児島の島嶼のさとうきびに豪州並の生産コストの実現を託す人はさすがにいないであろう。
 一方、北海道といえども、これ以上の規模拡大とコスト削減の余地は大きくはない。例えば、すでに北海道の十勝や網走地域のてん菜およびばれいしょは、一戸平均の総耕地が30ha前後ある中で、三年輪作(網走)、四年輪作(十勝)の一環として7〜9haずつ作付けられている。てん菜の直播による生産コスト削減が提唱されているものの、直播比率はそれほど増加していない。これは、気候的に直播では被害を受けやすいことから、施設・機械装備に投資を行ってから移植栽培に移行し、品質向上を実現した過去の経緯からして、逆戻りは容易ではないという事情がある。
 日本農業にとっては、必ずしも規模拡大によるコスト削減ではない生き残り戦略の方が有効な場合があるかと思う。
 卑近な例だが、筆者(鈴木)が米国に滞在しているとき、家内は最初大きなスーパーへ行って、生鮮食品が安い、安いと喜んでいたが、あるとき、毎週火曜日に開かれているファーマーズ・マーケットの野菜や卵を買ってから、値段は3〜4倍もして、むしろ日本より高いくらいなのに、鮮度、味、日持ちが全然違うと言って、そこでばかり買うようになって、結局食費は米国に来ても安くはならなかった。これが日本人だということである。こうした需要に応える日本農業も重要であり、これは、アジアの発展とともに、そのような需要を国外にも開拓できる可能性につながる。ただし、とりわけ砂糖やでん粉という基礎食品では、「差別化」の余地は大きくない。
 従って、基本的には、最大限のコスト削減努力の一方で、「国産プレミアム」の拡大に最大限努力し、競争力を強化するということは必要ではあるが、それでも埋められない海外との格差をどうするかということである。残る格差のある程度を財政的に支援することを正当化するためには、農業の持つ「公共性」を提示する必要がある。
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国家安全保障
 まず、食料自給と国家安全保障の関係については、米国ブッシュ大統領の近年の農家向け演説が示唆的である。Australian Financial Review誌によると、2001年1月に、「食料自給は国家安全保障の問題であり、それが常に保証されている米国はありがたい」(It's a national security interest to be self-sufficient in food. It's a luxury that you've always taken for granted here in this country.)、7月には、FFA(Future Farmers of America)会員に対して、「食料自給できない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」(Can you imagine a country that was unable to grow enough food to feed the people? It would be a nation that would be subject to international pressure. It would be a nation at risk)、さらに、2002年初めには、National Cattlemen's Beef Association 会員に対して、「食料自給は国家安全保障の問題であり、米国国民の健康を確保するために輸入食肉に頼らなくてよいのは何と有り難いことか」(It's in our national security interests that we be able to feed ourselves. Thank goodness, we don't have to rely on somebody else's meat to make sure our people are healthy and well-fed.)といった具合である。まるで日本を皮肉っているような内容である。
 欧米で酪農への保護が手厚い第一の理由は、「ナショナル・セキュリティ、つまり、牛乳を海外に依存したくないということだ」(コーネル大学K教授)といわれるように、欧米諸国では輸入が消費量の数パーセントに抑制されているのが乳製品である。
 米国が豪州とのFTAで砂糖のみを完全除外にしたように、砂糖は、国際的にも酪農と並んで最も手厚く保護されている部門である。その背景には、ナショナル・セキュリティの問題があり、砂糖の国民一人当たり摂取量が7kgを下回ると暴動などが発生し、社会不安に陥ることが世界的にデータで確認されているという。わが国の砂糖自給率は、すでに30%程度と低く、現在の国産供給はちょうど7kg程度なので、現状の国内生産水準を維持することがナショナル・セキュリティ上ぎりぎりの水準という論拠が成立するのではないかと思われる。
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諸外国の状況−保護政策の特徴と説明責任
 諸外国に目を向けると、世界最大の砂糖輸出国であるブラジル(WTO交渉におけるG20という輸出国グループの急先鋒)でさえも、砂糖は関税によって保護され、農家への所得支持やエタノールの補助金政策などを採っている。わが国がFTA交渉を行っている、アジアでの農産物自由貿易化の強行派であるタイでさえ、砂糖は支持価格、流通管理、所得支持、エタノール補助金など多数の保護政策が講じられている(注)
(注)米国の砂糖政策と砂糖産業について(平成16年9月農畜産業振興機構発行)
 このように、砂糖は輸入国、輸出国、先進国、開発途上国問わず、ほとんど例外なく何らかの保護政策が採られている。開発途上国においては、栽培が比較的容易なさとうきびは、農村開発(rural development)や農家所得上極めて重要な品目となっており、先進国においても砂糖は食生活上重要な食材であるとの認識の下、地域経済または地域農業の発展上重要な品目であることから、何らかの支援策が行われているのが実情である。
 EUは、生産割当枠による需給管理を行い、余剰分は生産者課徴金を活用した輸出補助制度により、国内の余剰砂糖を国際市場に排出するとともに、生産割当枠内のものは最低生産者価格により買い上げる政策を25年以上も変更することなく継続している。輸入砂糖についても、EUの植民地政策などを踏まえた関税割当によって管理するとともに、加糖調製品についても砂糖含有量に応じた関税水準をスライドさせる方式を採っている。このように、EUの砂糖政策は、基本的に財政支出が少なく、消費者への負担を強いている政策であり、国内価格は国際価格の2〜3倍となっている。
 一方、米国の砂糖政策も、財政支出を伴わないように政策実施することが法律上求められており、政府による短期融資制度により最低生産者価格でさとうきびを買入れる制度、法律による製糖事業者への販売規制による流通管理、関税割当による輸入規制(加糖調製品を含む)による政策を行っている。米国もEU同様に消費者負担の下で成立している制度といえるため、消費者、砂糖ユーザーへの政策根拠の開示の要求は大きいものと推察される。ちなみに、わが国のさとうきびの最低生産者価格は20,300円/トンであるが、ルイジアナ州では2,648円/トンとわが国の約10分の1の水準なのに、実際に大都市のスーパーで売られていた砂糖の小売価格は、わが国の砂糖の特売価格と同程度という実態が物語っている。
 筆者(加藤)が平成16年6月に調査した米国の主要な砂糖生産州であるルイジアナ州では、さとうきび生産の地域経済への貢献度に関する関連統計を公表している。経済効果17億ドル、さとうきび生産者、製糖工場従事者数、精製糖工場従事者数、それ以外の関連産業従事者数という具合に雇用への貢献度(合計27,000人)などを公表し、これをFTA交渉の陳情にも活用している。米国の砂糖政策の市場歪曲性や消費者転嫁の小ささ(実際には大きい)をアピールするために、米国砂糖連盟という全米規模の砂糖関係団体においても、世界各国における補助金付き砂糖政策の実態、主要先進国との価格の比較などの詳細な情報を開示している。
 一方、わが国の砂糖政策は、最低生産者価格制(価格支持)を採用している点では米国、EUと同じであるが、国からの交付金と輸入糖から徴収した調整金を製糖事業者、精製糖事業者へ配分することによって、国内の砂糖生産振興を図っている。よって、財政依存度が国民(納税者)の目に触れやすい状況にあるといえる。ただし、国内外の需給管理面での規制は米国、EUより弱く、法律に基づく国内の需給管理(量的管理)はなく、砂糖については調整金の徴収はあるものの、加糖調製品も含めてすでに自由化品目であり、関税割当も行われていない。
 でん粉については、供給量の8割強が輸入とうもろこしを原料とするコーンスターチであり、国産のいも(かんしょ、ばれいしょ)でん粉は1割強となっている。でん粉の原料となるいもについては、関税割当制度の中で、国産いもでん粉を一定数量引き取らせることによって、1次税率(無税)でコーンスターチ用とうもろこしを輸入できる特権を輸入者に付与することにより、国産いもでん粉の需要を確保している(抱き合わせ制度)。その際の国産いもでん粉と輸入とうもろこしの比率は、1:12となっている。現在、かんしょでん粉の全量、ばれいしょでん粉の約半分がこの抱き合わせ制度により、買い上げられており、抱き合わせ制度の役割は極めて大きい。
 EUは現在砂糖制度の改革案を検討中であり、EU委員会は本年7月に最低生産者価格の引き下げ、生産とリンクしない農家への直接支払い制度の導入などの大胆な改革案を提示した。わが国では、前述のように砂糖及びでん粉検討会での議論が行われており、その過程で政策根拠に関する有益な情報が開示され、幅広い関係者による積極的な議論が展開されているところである。
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地域社会の存立−地域特産への配慮は不要か
 次に、地域社会存続にとっての農業の役割についてである。
 地域特産への配慮は不要という人には、例えば、一度久米島や網走地域を訪問してもらいたいと思う。そうすれば、ほとんどさとうきび以外考えられない条件とそれに結合した製糖工場が地域社会の存立を支えていることがよくわかる。あるいは、てん菜・ばれいしょ・小麦の輪作体系が広大な平原の辺り一面を覆い尽くし、それに結合した製糖工場やでん粉工場が地域経済を支えていることを実感できる。てん菜とばれいしょは輪作体系に不可欠な作目であり、砂糖とでん粉がまさにセットだということも実感できる。
 例えば、実際に現地を訪問するまでは、北海道における代替作物導入の可能性は南西諸島などと比べれば多少なりとも恵まれていると考えていたが、その認識は甘かったことを実感した。斜里町では、にんじん、たまねぎ、豆などを栽培しているとはいうものの、農家の庭先栽培程度なのか、実際、長時間車で走ってもこれらを見かけることはほとんどなかった。これらの導入にかかる設備投資の大きさ、価格の不安定さもネックになっているようである。また、でん粉用いもについてもここ5〜6年で2割程度面積が減少しており、てん菜の所得面での重要性はさらに増大している。
 これらの限界的地域では、他の代替的産業がほとんどなく、製造業とも結合しており、それがなくなれば地域社会そのものが消滅しかねない品目としてさとうきび、かんしょ、てん菜、ばれいしょなどが位置付けられる。そういう意味での「公共性」は国民にも理解を得られるはずである。
 その点は数字でも明確に提示できる。まず、北海道のてん菜については、平成7年の「北海道産業連関表」を用いた北海道農政部の推計によると、741億円のてん菜生産が最終的には2,848億円の付加価値を生み出すと試算されており、てん菜生産と砂糖製造を合わせた北海道経済への波及倍率は3.84倍と大きい。
 次に、ばれいしょ生産については、172億円のでん粉製造用ばれいしょ生産が最終的には1,231億円の付加価値を生み出すと試算されており、でん粉製造用ばれいしょ生産とでん粉製造を合わせた北海道経済への波及倍率は7.15倍とさらに大きい。
 沖縄のさとうきび生産についても、さとうきび生産と砂糖製造を合わせた沖縄県経済への波及倍率は4.30倍と大きいことが、沖縄県により試算されている。
 また、鹿児島県のさとうきび生産については、鹿児島県により3.97倍と試算されており、てん菜、さとうきびともに約4倍という大きな地域経済波及効果となっている。
 ただし、北海道のてん菜、ばれいしょについての地域経済への波及効果の計算は、過大推定になっている点に留意する必要がある。それは、てん菜については、てん菜生産と砂糖製造のそれぞれの波及効果を別々に試算したものを、単純に合計しているため、二重計上になっている部分が存在するからである。同様のことは、ばれいしょとでん粉製造についてもいえる。
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輸入との競合関係−タイの主張と日本の現実との違い
 しかし、そもそも、もし国産の砂糖やでん粉と輸入品との代替性が極めて小さいというなら、上記の議論は必要なくなる。実は、タイの主張はそうなのである。
 筆者(鈴木)は、2004年9月に、タイのバンコクでのピサン首席交渉官を含むタイ政府関係者やタイ産業界の人々を中心としたFTAセミナーで日本の立場を説明した際、コメンテーターを務めてくれたタイのCPグループ社長が、コメも砂糖もでん粉も鶏肉も、日本は日本の生産者にとってセンシティブなのではなく、特に大事な輸入先の米国にとってセンシティブなため、タイへ枠の設置・拡大などの有利な条件提示を拒んでいるのだ、タイからの輸入が増加しても米国(砂糖については豪州など)から日本への輸入が減少するだけで日本の農家には被害はないと厳しく主張された。
 とりわけ、でん粉については、タピオカでん粉は米国からのでん粉用トウモロコシと入れ換わるだけだと指摘された。しかし、ホクレンの中斜里でん粉工場でお聞きした話では、同工場の重要な取引先だった麺類製造メーカー2社が最近全面的にタピオカに切り換えたため、取引がなくなったということであった。すなわち、タピオカはわが国の即席麺に十分に利用できるということである。
 さらに、いわゆる固有用途(7〜8万トンの実需)と呼ばれるエビせんべい、ボーロ(子供菓子)、医薬品向け、水産練り製品、片栗粉など向けについても、例えば、エビせんべい向けがタピオカに切り換わりつつあるとの指摘があった。このように、すでにタピオカが国産用途を浸食しつつある事態が進行していることが明らかになっている。従って、タイの枠を拡大しても日本農家には影響はないという主張は誤りである。
 ただし、輪作体系のもう一つの柱である小麦については最も顕著だが、ユーザーのニーズに合う品質を適正な価格で供給できないと、国際原材料農産物の買い手を失ってしまうことになる。例えば、北海道産小麦でも豪州産小麦(ASW)の色やねばりにはとても及ばないといわれる。ラーメンについては、来年からコーデックス規格(JAS規格より緩い)の安い海外品が輸入されることになっているため、ますます国産原材料農産物にも安さと品質が求められるようになる。こうしたニーズに対応できないと、結局「空洞化」してしまう危険性があることも忘れてはならない。
 そもそもFTAでは、原料農産物の関税撤廃を阻止できても、それを原材料とする最終製品の関税は基本的にゼロになる。これは、割高な国産原材料農産物を使うメーカーを窮地に追い込みかねない。乳製品の例だが、カナダはNAFTA(北米自由貿易協定)において、米国に対して牛乳・乳製品の除外に成功したが、冷凍ピザやお菓子といった乳製品を使った最終製品がゼロ関税になったため、ピザの例でいうと、高いカナダ産のモツレラ・チーズの需要がなくなってしまった。そこで、カナダ政府は、モツレラ・チーズの生産メーカーの要請に応えて、二次加工用のチーズ向け生乳について、特別に安い(米国並み)価格帯をつくった。つまり、輸入代替用途に仕向けられる生乳について酪農家は低価格を受け取ることになった。他の原料農産物についても、日本でもこうした可能性があることを念頭に置かねばならない。ユーザーや消費者にソッポを向かれては、国産の存立基盤が失われる。
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おわりに
 以上から、砂糖やでん粉の大幅な市場開放が困難であること、鹿児島や沖縄のさとうきび・かんしょ、北海道のてん菜・ばれいしょ、それらと結合した地域の砂糖・でん粉製造業に対する財政支援の正当性が説明できると思われる。
 ただし、鹿児島や沖縄のさとうきび・かんしょと北海道のてん菜・ばれいしょとが決定的に違うのは、北海道のてん菜・ばれいしょ栽培農家の一戸当たり平均耕地面積は30ha前後に達しているのに対して、鹿児島や沖縄のさとうきび・かんしょ農家の作付面積は0.6〜0.8haにすぎないということである。「担い手」への施策の集中が進められようとしている中で、大規模な担い手を育成する施策体系からは、鹿児島や沖縄のさとうきび・かんしょ農家は完全に漏れてしまう。
 しかし、ナショナル・セキュリティや地域社会存続の観点から、鹿児島や沖縄のさとうきび・かんしょ農家への財政支援は正当化しうるが、政策のあり方や内容については、北のてん菜、ばれいしょ(でん粉原料)と南のさとうきび、かんしょ(でん粉原料)を、一律の経営安定政策(品目横断政策など)などで整理する方向ではなく、地域社会の存続や生産実態などを踏まえた方向で政策検討が行われている。施策の整理の仕方(産業政策か社会政策か)が変わっても、国際ルールに照らしての継続性と必要な支援水準が確保できるような配慮がなされることを期待したい。
 その一方で、生産者サイドはユーザーのニーズに対応できる価格(コスト削減)と品質を確保する努力が不可欠である。
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「今月の視点」 
2005年1月 
新年のごあいさつ
 独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 山本 徹
てん菜の育種に関する研究の現状と今後の課題
 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
 北海道農業研究センター畑作研究部てん菜育種研究室 室長 中司 啓二
砂糖・でん粉産業の公共性
 九州大学大学院農学研究院 教授 鈴木 宣弘
 調査情報部長 加藤 信夫
食品の甘味効率の決定要因と予測に関する研究
  〜適切な砂糖摂取を目指して〜
(平成15年度砂糖に関する学術調査報告から)
 お茶の水女子大学 教授 畑江 敬子


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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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