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てん菜・てん菜糖に関するアンケート調査結果の概要

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最終更新日:2010年3月6日

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今月の視点
[2005年2月]

【調査・報告〔消費者意識〕〜各種普及啓発事業における消費者意識調査から〜】

社団法人北海道てん菜協会 専務理事   渕澤 克己

1.はじめに   2.アンケート内容   3.調査結果   4.おわりに


1.はじめに
 てん菜は、北海道畑作農業における基幹的な輪作作物であり、これを支えるてん菜糖業と相まって、てん菜産業は地域経済に重要な役割を担っている。
 国内唯一の「てん菜」の生産地である北海道として、てん菜や砂糖についての消費者の理解を深めることが重要であることから、北海道てん菜協会は、北海道やてん菜糖需要拡大推進協議会などと連携し、情報の提供や各種イベントの開催などを通じて、てん菜・てん菜糖についての正しい知識の普及啓発に取り組んでいる。
 このような取り組みの中から、最近実施したてん菜・てん菜糖に関するアンケート調査結果を取りまとめたので、その概要を紹介する。

2.アンケート内容
実施時期・場所および回答者数
 [1]  平成15年12月  じゃらん購読者(旅行、グルメなどの女性向け道内情報誌) 
206名(道内居住者)
 [2]  平成16年2月  シュガービートフェア(さっぽろ雪祭り期間中に道庁赤レンガ前広場で開催の道産品PRイベント「赤レンガスクェア」(道庁主催)に参画)
644名(道内居住者275名 道外居住者369名)
 [3]  平成16年10月  北海道フェアin代々木(東京都代々木公園で開催の北海道産品などのPRイベントに参画))
1,762名(道外居住者)
 合計回答者数 2,612名 (道内居住者 481名 道外居住者 2,131名)

質問事項
 [1]  「てん菜」を知っていましたか?
 [2]  国内砂糖の生産量の80%は、北海道だけで作られている「てん菜」から生産されていることをご存知でしたか?
 [3]  お砂糖が白いのは、雪と同じく自然のままの色であることをご存知でしたか?
 [4]  「お砂糖」に関して、日ごろ感じていることなどご意見をお聞かせください。

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3.調査結果
 [1]  の「てん菜」を知っていたかについて、
知っていた人は、全体55%(道内68% 道外 53%)にとどまり、特に道外の約半数は「てん菜」を知らない状況であった。
 [2]  の国内産糖の多くが「てん菜」から作られていることについて、
知っていた人は、全体30%(道内42% 道外 27%)と低く、砂糖の国内生産実態がほとんど知られていない状況であった。
 [3]  のお砂糖が白いのは、自然の色であることについて、
知っていた人は、全体38%(道内35% 道外 39%)となっており、依然として60%以上の人が、砂糖の白さに不自然さを感じていることがうかがえる。

(注) 北海道フェアin代々木には、かなりの数の北海道出身者が来場していたと思われることから、道外の人のてん菜の認知度はさらに低いと考えられる。

 [4] の砂糖に関して日ごろ感じていることなどについて、
 <砂糖に関してのイメージ・知識>
 「身体に必要・脳の活性化・料理に欠かせない」などよいイメージを持つ反面、「太る・高カロリー・白い砂糖は良くない・糖尿病・虫歯の原因」など悪いイメージが多かったほか、「砂糖はサトウキビから取れるもの」の回答があるなど砂糖全体の正しい知識が依然として浸透していない状況が見受けられる。
 <砂糖に対する疑問点>
 さまざまな疑問があるが、特に「身体に悪いのではないか」という類似した疑問が数多く寄せられている。
 <砂糖への要望>
 「健康に悪いイメージを払拭すべき」「自然食品であること・種類と使い方のアピールを」「産地表示・生産履歴の開示」など多くの要望が出されている。
 <イベント参加の感想>
 てん菜や砂糖について「色々勉強になった」「てん菜のことがはじめて分かった」など新たな発見をし、認識が深まったことを示す感想が多く寄せられている。
アンケート調査集計結果
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4.おわりに
 今回紹介したアンケート調査の結果は、「てん菜」や「砂糖」についての消費者の理解は依然として不十分であることを示しているが、さらに、この調査は、てん菜・てん菜糖の現物展示やパンフレットの配布、てん菜糖の製造工程のパネル展示などの普及啓発活動と併せて行ったものであり、展示物などを見てから回答した人の分を割り引いて考えると実際にはもっと低い可能性がある。
 特に、「てん菜」について、道外の人の半数に知られていなかったことは、大きな反省点である。
 また、消費者への正しい知識の普及啓発など「砂糖」の需要拡大に向けた取り組みについては、独立行政法人農畜産業振興機構や糖業協会など関係者を挙げて懸命な努力が続けられているが、「漂白している」「カロリーが高く太る」など健康に悪いと誤解している人が依然として多かったことは残念な結果である。
 しかし、牛乳などほかの農畜産物の例を見ても、需要拡大の取り組みは簡単に成果の挙がるものではなく、息の長い地道な取り組みが必要である。
 当協会としては、今後とも関係者と連携し、「てん菜」の生産地として、あらゆる機会を通じて道内外に情報発進するなど北海道畑作の基幹作物である「てん菜」を知ってもらうための取り組みと併せ、消費者の砂糖への理解を深めるために一層の努力をしていきたいと考えている。

シュガービートフェア(平成16年2月)

北海道フェアin代々木(平成16年10月)
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